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世界は境界なく自分とつながっている

#StandWithUkraine


世界は境界なく自分とつながっている。
そう「実感」できる世界にしたい。

何度も考えて、ようやく辿り着いた、僕の望みだ。

コミュニティの崩壊と行きすぎた個人主義、2次情報や3次情報の氾濫と加速しつづける資本主義の果てに引き起こっている慢性的な無関心。

世界のどこかで飢えている子がいて、
隣の街でも差別に苦しむ人がいる。
昨日も森林が伐採され、
今日もマイクロプラスチックで海洋生物が死に、
明日も地球の温度は上がる。

僕らはそういったことを知ってはいても、本当の意味ではわかってはいない。環境問題も社会問題も、世界のことでありながら自分事であるはずなのに「リアリティ」がない。

どうして「実感」できないのか、
どうしたら「リアリティ」を得られるのか。

それが僕の人生のテーマだ。僕のやること、つくることは大なり小なりすべてその問いと共にある。これが僕の挑戦だと、そう心に決めていた。



2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻。
ウクライナの軍事施設を爆撃し、数多くの死傷者を出し、チェルノブイリ原子力発電所まで占拠し、ロシア軍は首都に迫っているとの報道があった。2月27日、この文章を書いている最中にも、事態は刻一刻と変わってゆく。

いかなる戦争にも、僕は断固反対。
戦争は分断の行き着く果てだ、コミュニケーションの放棄だ。また戦争が新たに起きてしまったことに感情が追いつかない。報道を見るたび、記事を読むたび、モヤモヤしている。

だけど、戦争が起きてしまったことへのモヤモヤと同じくらい、この侵攻の報道を受けて多くの人が、そして何より自分が、ようやく戦争を他人事ではなく自分事として「実感」していたことが悔しかった。

世界で起きていることは、いつでも自分達の日常を壊せるほどに近くにあると、地続きなのだと今回の戦争が教えてくれている。これまでアートが訴えても届かなかった人にさえ、慈善団体が声を上げても届かなかった人にさえ、否応なしに世界のつながりを見せつけた。こんなに皮肉なことはない。

パンデミック、自然災害、そして大国による戦争。
そういった有事を通してしか、世界を感じられないなんて、哀しすぎる。

もっと別の方法を探す。
大きすぎる難題だけれど、日々考え、1歩ずつ進んでいきたい。

いつ世界大戦が起こるかわからない時勢であっても、自分以外の誰か(何か)と共に在ると感じられる建築をつくること、集まって議論する場をつくること、知らなかった土地や文化に触れるきっかけをつくること、そういった僕のひとつひとつの試行錯誤をこれからも続けていきたい。改めてそう思った。


ロンドンで暮らしていた頃、イギリス国内はEU脱退の岐路にあった。そんなある日、街中に張り出され、新聞の一面を飾った広告が僕は忘れられない。

WE ARE PART OF SOMETHING FAR, FAR BIGGER. 

僕たちはより大いなる何かの一部だというそのメッセージが今また多くの人に届いて欲しいと思う。
(ちなみにHSBCは当時この広告はBrexitに対する政治的なメッセージではないと否定している。)

世界は境界なく自分とつながっている。

ロシア国内で反戦デモを行う勇気ある人々に敬意を表すると共に、まずは何より、1人でも多くの人が助かるようにこの戦争がこれ以上広がらず、早期解決することを願っている。



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