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情報化社会は「感動」を蝕む

僕は、旅が好きだ。
1人旅が多いけど、友達と行く旅も良い。

旅で僕が1番気をつけているのは、
事前にあんまり調べすぎないこと。

結局、旅の中で「感動」するのはいつも予想していなかった風景や出来事だったりするから。

そこで今日は「旅で『感動』するために必要なこと」って何なのかってことを考えてみる。


アイスランド 2人旅

まずはアイスランドに行った時の話をしよう。
友達と2人、レンタカーを借りて旅をした。

そもそもアイスランドってどこ?って人のためにちょっと説明すると、

ここ。

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イギリスの北西に浮かぶ島国で、
面積はだいたい10万平方km。
北海道がだいたい8万平方kmだから、それより少し大きいくらい。

でも人口は北海道がだいたい530万人くらいなのに対して、アイスランドは35万人。
ピンとこないよね。僕もピンとこない。
まあでもそんな感じの小さな島国。

火山も氷河もあるっていうなんともパンクハザード的な島だから、とにかく風景は超ド級。
なんていうか、「地球」を感じる。

そんなアイスランドには「リングロード」と呼ばれる島をぐるっと1周するメインの道路があって、観光客は飛行機で首都のレイキャビクについた後、この道路を時計回りに周るか、反時計回りに周ることになる。

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赤いピンが首都レイキャビク(出典:Google Map)

観光ガイドブックにはもちろん「1周するのがベスト!」って書かれているわけだけど、レンタカーで1周するには効率よく観光スポットを絞って、寄り道せず、ほとんどの時間を移動に回したとしても最低で1週間はかかるらしい。

となると日数が足りない観光客は時計回りに北部を攻めるか、反時計回りに南部を攻めることになる。

そして、アイスランドの定番観光地といわれている場所は大体南部にある。

ブルーラグーンも、ヴァトナヨークトル氷河も、みんな南部。

要は南部の方が、観光のための動線がしっかり設計されている。
失敗なく、より多くの定番アイスランドの風景を楽しめるってわけ。

ひねくれものの僕らはもちろん、北部を目指した。

最低限の目指す目的地とルートを確認して、あとは成り行きにまかせて、寄り道もたくさんした。


1番感動したのは、名前も知らないカルデラの上

気の向くまま、ゆっくりと進んでいく旅は、いろんな偶然の出会いの連続だった。

そんな中で僕が1番感動したのは、名前も知らないカルデラの上からの景色だった。もちろんそんなカルデラの存在はそこに着くまで全く知らなかった。

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遠くに見えた大きな丘のようなそれに誘われ、僕らは道とはとても呼べそうにない枯れた樹々の間を潜り抜けて進んだ。
ただ好奇心に身を任せていた。

麓に車を停めて、登山道と呼ぶには荒々しすぎる道を登っていく。

登りきったカルデラの縁で僕は息をのんだ。
目の前の風景にただ目を奪われる。

あたり一面雪で覆われているのに、
火山帯だから地面からモクモク煙が上がっていて、
大きな湖は凍っているのに夕日に照らされて輝いている。

カルデラの中央を覗くと、
ここはかつてマグマが噴出していたことを思わされるけど、
今その麓では確かに樹々が生きている。

遠くから見たらそれなりに小高い山だったのに、
足元を見ると大小さまざまな石ころの集合でしかないことがわかるし、
遠くに見える山々も依然として堂々とそびえたっているが、
似たような石ころの集合なのだと知る。

そして、どこまでも続く空は、日本に住む大切な人たちの空と繋がっていて、その遥か彼方には宇宙が広がってるんだなと感じる。

僕は、「地球という大きな生命体が生きてる」と確かにあの時感じた。


情報化社会は「感動」を蝕む

僕がアイスランドで感動したカルデラでの出来事。

このカルデラがもし、事前に調べていて、もともとスケジュールに組み込まれた目的地だったとしたらこの感動は起こっていたのか?

それが今回のポイントだと思う。

写真や映像などの視覚情報、他の観光客や紹介サイトのレビューなどを旅の前にインプットしすぎてしまうと人はこれまでの自分の経験と照らし合わせてその期待を勝手に膨らませてしまう。

これが結局「写真で見たほどすごくない」や「期待外れ」を引き起こす。

まれに「写真より全然すごい!」が起きるが、これは旅の経験が増えるほどに起こりにくくなっていくということを僕はなんとなく実感している。

ということで、
この情報化社会において、

何の情報をシャットアウトできるかが個人の体験の価値を左右する。

これが今回の結論。

要するに、旅で感動したければ、

極力調べるな

ってこと。

今日も読んでくださってありがとうございました。


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