瓶を売る男 第二話 ~情熱伝導~ 6/12
塾の定休日の朝、その店を訪れた。黒い紙に金の印字で記された住所には確かに、TWENTYと看板に書かれた一階建ての洋風な店があった。ネットで調べると、仕立屋であることが分かった。紳士服だけでなく、今は夏祭り用の浴衣のレンタルや仕立てを安く行っているらしい。
ドアを開けて中に入った。混んではいないものの、数名の女性客がいた。カタログを開きながら列に並ぶ客や、カウンターにて貸し出し手続きをする客などがいる。そしてカウンターには、半袖のシャツを着た黒髪の男がいる。
「いらっしゃい