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#人間関係

階段ばなし 〜はや過ぎ編〜

階段ばなし 〜はや過ぎ編〜

【階段ばなし】

どこにでもある暮らしの瞬きを切り取って
誰でもその追体験ができる、階段ばなし

えっちらおっちら上るのも人生
一段飛ばしで駆け上がるのも、それまた人生
あなたは今日も階段を

上がる
上がったならば

今度は下がる

人生はまるでパワステ

今日も、ほら
上がったり下がったり
騒がしくも厳かに1日が始まりました

【はや過ぎ】

Hは、今年で35歳

長身に加え、フットサルで鍛え

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コインの表と裏

コインの表と裏

私は、祐介と一緒にどこかに行ったり
誕生日を祝ったりするのが
幸せだと思っているから
それができないって言うなら
この家を出て行くね

奈保は、思いがでしゃばりすぎないよう
必死で気持ちを抑えながら
夫、裕介に思いを伝えた

すると祐介は
奈保の家出をすんなり受け入れてしまった

その飄々とした態度を見て
奈保は確信した

裕介は、浮気をしている

昨日、というか今日
日付が変わるまで
奈保は裕介

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価値のあるひと

価値のあるひと

義父が、脳梗塞で入院したのが10月
幸いなことに手足の麻痺が軽度ですんだため
病棟内はひとりで歩けるようになった

だが、何となく歩けているだけなのだ
面会に行った時
夜間はセンサーマットをつけています
本当は見守りだとリハからは言われているんです
と、聞かされていた

ようは、(義父は)待ったが利かないので
転ばないように
我々は精一杯、対策してます

と、いうことだ

この何となく歩けてしまう

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