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私の写真半生5 独立から現在までの話

私の写真半生、今回がシリーズ最終話となります。広告撮影会社を独立してから現在までの話となります。第1話〜第4話で話してきた私の写真半生。いろんなことがありました。それがどう繋がって今に至るのか、最後まで読んでもらえると嬉しいです。


独立への決意と不安

広告撮影会社に入って3年半ほど経った頃から、独立して自分の力でやっていきたいという気持ちはだんだんと強くなっていきました。しかし、その一歩を踏み出す勇気がなかなか持てませんでした。独立しようと何度も考えましたが、自信がなくて決断できなかったのです。

そんなある日、フリーランスとして活躍している先輩フォトグラファーと現場が一緒になり、話す機会がありました。その先輩は私の様子をみて「君なら大丈夫。もう十分独立してやっていくだけの力はついていると思うよ。」と声をかけてくれました。その一言が私の心を大きく動かし、独立を決意するきっかけとなりました。

イヤリングメーカーの撮影

初めの一歩と試練

独立を決意した後、撮影部の部長と相談をして、ちょうど入社して5年になる新年度を機に会社を離れることになりました。しかし、独立直後の現実は厳しいものでした。業界的には多くのフォトグラファーが古巣の会社の取引先に人など、繋がりのある人から仕事もらったりすると思います。しかし、私がいた会社は仕事のタイプ的にそういった繋がりから仕事をもらえることはほとんどありませんでした。

企業の取材撮影

先輩の支援と新しい挑戦

そんな中、「君なら大丈夫」と言ってくれたあの先輩が色々と仕事を依頼してくれました。そのおかげで生計を立てることができたので、本当に感謝しています。その人のサポートがなかったら、今の自分はありません。

しかし、その人に頼りっきりになってしまってはいけません。自分で仕事を作っていくことも必要です。そこで見つけたのが「写真を撮ってもらいたい人」と「フォトグラファー」を繋ぐマッチングサイトでした。当時は丁度そのようなサイトがいくつか登場し始めた時期で、その波に乗れたのは本当にラッキーでした。

ウィスキーグラスの撮影


新たな仕事の広がり

お陰でマッチングサイトを通じて、新しい依頼を頂けるようになっていきました。多くは個人からの依頼でしたが、中には企業案件も含まれており、そこで気に入ってもらえると定期的な依頼に繋がりました。フリーランスとなって以降、前の会社で培ったスキルと経験が大いに役立ちました。様々なジャンルの撮影を経験したことで、幅広い知識と技術を持っていたことが大きな強みとなりました。

ハウスメーカーの撮影

写真と料理の共通点

「私の写真半生3」でも話しましたが、写真と料理は非常に似ている部分があります。料理の要素を写真に例えるなら、「素材選び=被写体選び」「調理方法=ライティングや撮り方のアプローチ」「味付け=レタッチ」です。この3つの要素が揃うことで、美味しい料理と同様に、素晴らしい写真が生まれると私は考えています。撮影の仕事では何を撮るかは決まっていることが多いですが、その被写体をどのようなアプローチで撮るか、どう光をあつかって撮るかが写真の出来を大きく左右します。

屋外でフード撮影したときの写真
天気が急変して大雨になったため屋根のあるところへ移動
光がほとんどない中、ストロボで太陽光風のライトをつくって撮影

前職での経験が活きる

前の会社での経験が非常に役立ちました。幅広いジャンルの撮影を経験したことで、どのような被写体にも対応できる知識と技術が身につきました。また、レタッチに関しては前の会社でも合成処理などをよくしていましたし、もともと好きで高校生の頃から自分で色々と研究していたので、それもかなりプラスに働いたと思います。おかげで独立後もクライアントから高い評価を得ることができました。お陰で依頼される撮影ジャンルも
・企業のHP用の撮影(インタビュー写真や働いている様子の写真などの取材撮影)
・エンゲージリングや化粧品をはじめとする商品撮影
・アパレルメーカーのモデル撮影
・ハウスメーカーやオフィスデザイン会社の建築撮影
・食品メーカーや飲食店の料理撮影
・クリニックや飲食店の店舗撮影
といった仕事を主にさせて頂きました。

アパレルメーカーの撮影

変化の兆しと新たな挑戦

そんな感じで仕事をしていき、気がついたらフリーランスになって5年が経ちました。継続的な仕事が少しずつ増えていく一方で、フォトグラファーのマッチングサイトの競争が激化し、新しい仕事が取りづらくなってきました。そこで、自分から仕事を探すのではなく、相手が自分を見つけてくれる状況を作る必要があると考えました。広告のメインストリーム系の様な、自分の名前が出るような仕事ができるのが理想ですが、そんないい仕事がすぐに巡ってくることなんてありません。なのでまずはフォトグラファーとして情報発信をしていき、新たな変化を求め動き始めていました。

エンゲージリングの撮影

パラグライダーとの出会いと影響

ちょっと話がそれますが、私の写真作品を語る上ではパラグライダーのことにも触れなければなりません。写真家のアシスタントを逃げるように辞めてどん底にいた私は「これからどう生きていこうな?」と考えるようになります。「よくわからないけど、こんな状況だし、何か一つ子供の頃の夢でも叶えてみたいな。そういえば、小さい頃は空にあこがれてたなぁ・・・。」と思ったのです。この思いがパラグライダーをやるきっかけとなります。就職後、生活が安定した時にパラグライダーの体験をしてみました。子どもの頃の純粋な興味や思いというのはすごいです。ものすごいエネルギーがあるんだということを体感しました。このパラグライダー体験で一度飛んだことで空にドハマリしていくことになります。

静岡県 鵜山の七曲りにて

パラグライダーと写真の融合

会社員自体もずっと飛び続けていましたが、収入も少なく、仕事も激務だったのでなかなか思うように飛べていませんでした。しかし独立後、時間とお金に余裕ができたことで、より積極的にパラグライダーに取り組むようにあなっていきます。パラグライダーを始めた頃はパイロットライセンスを取得したらモーターパラグライダーに転向し、空撮をしていきたいと考えていました。つまり「撮るために飛ぶ」ようになっていくだろうと考えていました。

ですが実際は飛べば飛ぶほど「もっとうまく飛べるようになりたい」という思いが強くなっていきました。「飛びたいから飛ぶ。写真はチャンスがあれば撮る。」というのが基本的なスタンスとなっていきます。飛ぶこと自体に魅了され、もっとうまくなるために大会に出場するようになっていきました。そしていつの間にか「いつかワールドカップに出たい」と思うようになり、飛び方も大会志向のものに変わっていきました。それでも、せっかく飛ぶなら良い写真も撮りたいという思いは変わらず、普段の飛びでも大会中でも積極的に撮影を続けました。

今まで撮ってきた空撮のベストショット
JHFのフォトコンテストで最優秀賞を受賞

空撮の新たなスタイル

2023年のはじめに飛行中に右から左へ半周以上ゆっくり旋回をしながら写真を縦位置で連続で2,30枚撮影し、パソコン上でその写真をくっつけて超高解像度のパノラマ写真にする(スティッチングという技法)という作品を作る新たなスタイルを見つけました。そしてこの撮り方で色んなフライトエリアを撮り、いつか写真展をしたい。そんな風に考えるようになりました。

新たな空撮スタイルで最初に撮った写真
20枚くらいの写真をくっつけて1枚に


墜落事故と復活

仕事もパラグライダーも新たな変化を求めて、色々と動き始めていたんです。そんな時でした。まさかの事態にでした。

2023年の夏、大会中に墜落事故に遭いました。絶望的な状況でしたが、奇跡的に生還し、神経へのダメージも少なく運動に関係する後遺症はありませんでした。後遺症としては左足の感覚麻痺だけで済みました。

あの事故からもうすぐ一年です。体はかなり回復し、通常の撮影ならほぼ問題がないくらいになっています。

コロナの時に作った花束をマスクで包んだ作品
タイトル「祈り」

二拠点生活の始まり

治療のために拠点が東京から実家の愛知に移ってしまいましたが、東京で継続している仕事いくつかもあり、今では東京と愛知の2拠点で仕事をする形になっています。 実はもともと家を継がなければいけないので、フリーランスになった時から愛知と東京、2拠点で仕事ができるようになればと考えていました。2拠点生活となるきっかけはあまりにも想定外なものでしたが、結果的に今はその形になったので、東京と愛知、両方で仕事を増やせていければと動いて現在に至ります。

化粧品メーカーの撮影
商品撮影とモデル撮影を同時にできるのは私の武器だなと思っています
このシリーズはAPAアワード広告作品部門で入選

<まとめ>

以上が私の写真半生となります。
色々と長くなってしまいましたが、5回シリーズの投稿を最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

アメリカでの生活で「もっと英語が話せるようにならないとやばい」と思って行動したことがすべての始まりで、映像を経由して写真の世界に入っていきました。そこから高校での写真のアルバイト→写真の大学→大学院→写真家のアシスタント→広告撮影会社→フリーランスとして独立→現在へと至ります。

「好きなこと」「興味のあること」に一直線にで突き進んできた人生なんだなと思います。思いが強すぎて大きな失敗をしたりと、紆余曲折ありました。でもそのお陰で色んな写真と出会い、色んな人と出会ってきました。辛いことや苦しいこともありました。でも楽しいこと、嬉しいことも沢山ありました。

色んなことがあって今に至るんだなと感じています。そういった経験と学び、そのすべてが財産なんだなと思います。

前回の投稿でも書きましたが、今の時代は写真においては何か一つのジャンルに絞っている方がわかりやすいし、強いということはわかっています。
でも色んなことに興味があり、いろんな経験があり、色んなジャンルの撮影に精通しているからこそ、撮れる写真もきっとあるはずです。

様々な経験があるかこそ、幅広く対応できる。
だからこそ、撮れる写真がある。
だからこそ、力を発揮できる仕事がある。
これからもそう信じて写真と、仕事と、向き合っていこうと思います。

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最後にPRとなってしまいますが、こんな私に
「是非、撮ってもらいたい!」
「お願いしたい仕事がある!」
「是非一度、お話してみたい!」
などありましたら、お気軽にご連絡ください!
ご連絡お待ちしております。


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