秋野

近所に住む、ねこです。基本二次創作。処女作は幼稚園の年長で、ジャポニカ学習帳に書いた「…

秋野

近所に住む、ねこです。基本二次創作。処女作は幼稚園の年長で、ジャポニカ学習帳に書いた「にこにこぷん」の脚本。

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twitterのハッシュタグネタ

悪し様に君を愛していると罵ってやる #愛・悪・君で文を作ると性癖がバレる 会うたびに僕の死体が転がるので君はきっと僕の死なんだろ #君・僕・死で文を作ると好みがわかる

    • 小さな小さな奇跡の話。

      司書として赴任した最初の職場は、小学校の片隅にある総合施設の児童館の隅っこにある、いわゆる分館とか出張所みたいな図書室で、 場所柄小学生の利用者がとても多いところだった。 図書館に来る子は大体客層がなんとなくおとなしめの子なんだけど、彼は異彩を放っていた。 いわゆるヤンチャ坊主で常に大人の出方を試すようなタイプ。 でも電車が好きで、よく他の図書館の所蔵資料を取り寄せしていた。イタズラやいじわるもするけど本は傷つけない。 彼が来ると女の子はすっと席を立って去っていく。 困った

      • 無題

        夜の台所で電子レンジが低い唸りを上げて水分子を震わせる

        • 夜の医務室:ある魔術師の死にまつわる因果の逆転についての考察

          2015年にpixivで投稿したものの再録です。 序章のネタバレ含みます。 ドクターは超有能なくせに自分からはわざと何もしていない説。 今にして思えば、あの頃に投稿できていてよかったです。今じゃ絶対書けない。あんな結末になるなんて。 今年も彼あてのチョコは机の引き出しの中。 --------------------------------------------------------------------- 「ドクター、共犯者になってくれませんか」 共犯者、という

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          Fleurs du désert

          「ねえ、私どうせ迎えるならハッピーエンドがいいの。あの子のこと、どうにかならないかしら」 メフォラシュでの唯一の話し相手はいつもどおり「承知しました」とだけ答えた。 今の状態は体がない分身軽ではあるが、この口数の少ない男しか相手がいないのは少し不満かもしれない。 いや、彼がいてくれてよかった。 気がつけば廃都に一人きりで、親友すら自分の存在に気づいてくれなかったのだ。 無愛想なりに彼は自分を大切にしてくれている。 それが彼の使命だとしても、真摯な姿勢にはいつも敬服

          Fleurs du désert

          Donnons une fleur

          「以前頂いたあれがまたほしいのですが」 珍しく魔術の塔までやってきたマーテリアはスピリタスを見て言った。 「あれとは」 「あなたの領域にできたという…」 「花か」 「そうです。花」 女神は上目遣いで様子をうかがう。 そして珍しく言いにくそうに告げた。 「以前のはその、枯れてしまって」 「……枯れた?」 「ええ、あれから私の所に戻ったらもう元気がなくて」 そんなに弱い花ではなかったはずなのだが、とここで思い至り、スピリタスはたずねた。 「水に茎を浸けてやらなかったか」 「水?」

          Donnons une fleur

          復讐者の聖女について

          裏切られた聖女はこうあるべきだった、という願いから作られた彼女はオリジナルたる聖女には反抗的だ。 彼女の怒りは聖女のためのものだから仕方がない。 押さえきれぬ彼女の裡を灼く憤怒は周囲にも向けられるけれど、それが何よりも彼女を彼女たらしめている。 偶然が重なっただけでどう逆立ちしても平凡な僕は、彼女にとっては最も唾棄すべき「普通の市民」なはずだ。かつて彼女を崇め、奉り、そして裏切って火にかけた。だからこそ彼女と踊れた時、本当はとても嬉しかったのに。 憤怒の炎で輝く彼女は

          復讐者の聖女について

          弔問者

          長きにわたってバロンを治めた英雄王の葬儀には見知らぬ黒衣の男が参列した。知らせを聞いた新王だけが、彼を見て小さくうなずいたという。

          F/GO雑記

          英霊は聖杯からの借り物だ。彼らの武功の反面、傷ついた心が少しでも軽くなるように。私は全然魔力も足りないただの人間だけど、もし、聖杯に英霊を託されたのなら。それぐらいは。私は彼らみたいには戦えないから。 「おいでアステリオス。空を見に行こう」 「え、ちょっと待ってください」マシュが身を乗り出してくる。 「アステリオスと、先輩、二人っきりで、ですか」 「うんそうだけど…なんでそこでマシュがそんなに食いついてくるの?!」 「大事なことですから!」マシュの方は真剣そのものの

          とうらぶ雑記

          「とんだ騒ぎになってしまいましたね」安堵した主が言った。 「お騒がせして申し訳ありません。どなたかと逢瀬かとも思ったのですが」 「いやだわ、もうそういうこととは縁のないお婆さんですよ」 「しかし、お言葉ですが審神者というのは我々の望むままに姿形を変えるのでしょう?」もし、そうならば。 斬られれば痛い。食わなければ維持ができない。 そうでなくとも心に体が振り回される。 受肉とは厄介なものだと思っていた。 でも、あの人を抱きしめる事ができる。この腕で。 今の俺は知

          とうらぶ雑記

          師匠と弟子(FF4TA)

          あの人の背中は美しい。そう思う。 ぼくがいつも追っているのもあるけれど。 しなやかなあの人のつよさを表すのにあの人の背中ほど最適なものはない。 竜騎士ってみんなあんなに綺麗に体を使って跳ねるものなんだろうか。 ---------------------------------------------------- 「あなたのようになりたいんです」きらきらした憧れの目で見られるのは辛い。 その目で見上げるのはやめてくれ。母親似だから尚更だ。 お前にはお前の良さがあ

          師匠と弟子(FF4TA)

          植うる剣に照りそいし 昔の光 今何処(刀剣乱舞)

          夕餉どき、庭のほうから風に乗って、微かに声が聞こえた。 こちらの反応に気がついたのか、汁椀を手にとった薬研が外を見て「ああ、大将の声だな」と言った。 部屋で歌っているのだろうか。そういえば今の主は歌が好きだと言っていた。 「『荒城の月』か、……意味わかって歌ってるのかねあれは」 「まあ俺たちにはもってこいの歌かもな」 「本丸(ここ)にもな」

          植うる剣に照りそいし 昔の光 今何処(刀剣乱舞)

          何気ない会話の向こう

          二号「いたーい」  一号「ごめん、ごめんね?」  二号「いーよ!」  子供部屋での一号と二号の会話。  私はリビングで洗濯物をたたんでいたので全くノータッチの場面で  最近兄弟でお互いに干渉することが多くなった。  その分喧嘩や小競り合いも確実に増えてはいるが、同時に解決も増えている。  (単に怖いカーチャンの目が届かない所で遊びたい二人の需要が一致しているだけな気もするが)  母親の私から見て一号は決してコミュニケーションが上手いわけではない。  そこがほぼ舌先三寸

          何気ない会話の向こう

          「今の子供は可哀想」

          そう言われるけど、彼らは過去の大人たちがどんな子供時代を送ってたかなんて知らないし多分興味ない。子供の頃の私がそうだったように。 うちの子はそもそも週休二日のあおりで一年生から5時間授業で、宿題は二教科三種目出るので終わる頃には日が暮れている。 宿題を後回しにしても公園だって不審者が出るから子供だけでは行けない。きゃあきゃあ遊べば苦情が飛んでくる。公園はボール遊び禁止。 集団登校すれば車が突っ込んでくるし、バラバラに帰れば月に何回かは不審者案件。 でもこれは彼らのせい

          「今の子供は可哀想」

          ひとつの賭け(P3)

          巌戸台分寮、ラウンジ。 雑誌に目を落としている先輩に声をかけた。 「……ガキさん話があるんですけど」 何事もないように、彼の時間にするりと入り込むように。 「チッ、そのガキさんってのはやめろ。他にも呼び方があんだろーが」 意外と反応はよかった。話の糸口がつかめたので内心ほっとする。 「他ってどんな?」 「荒垣さんとか荒垣センパイとか」 「長いから却下です」 「じゃあアキと同じでシンさんとか」 「そんな暴れん坊な将軍みたいな呼び名は嫌です。  そもそもガキ

          ひとつの賭け(P3)

          吹き抜ける風(仮面ライダーW)

          「では後は僕の仕事だ」 「ああ、任せたぜフィリップ」 相棒の集めた情報を元に、いつもの通りに飛び込む。 ――地球の本棚。地球のすべての記憶を有する莫大なデータベース。心地よい広大な空間。 「それでは、検索を――」前髪を掠めて、風が通りすぎていった。 データ空間であるはずのここに、自然な風が入り込むことは100%、ない。 口元が緩む。こう笑えるようになったのはいつからだろう。 「ミックは相変わらず探偵事務所で元気にしているよ。最近出たキャットフードがお気に召したよ

          吹き抜ける風(仮面ライダーW)