とうらぶ雑記
「とんだ騒ぎになってしまいましたね」安堵した主が言った。
「お騒がせして申し訳ありません。どなたかと逢瀬かとも思ったのですが」
「いやだわ、もうそういうこととは縁のないお婆さんですよ」
「しかし、お言葉ですが審神者というのは我々の望むままに姿形を変えるのでしょう?」もし、そうならば。
斬られれば痛い。食わなければ維持ができない。
そうでなくとも心に体が振り回される。
受肉とは厄介なものだと思っていた。
でも、あの人を抱きしめる事ができる。この腕で。
今の俺は知っている。そのことを。
「主はともかく、我々は戦うことは楽しいのだ。その本性ゆえにな」
三日月が諭すように言った。
「そりゃ刀だからそうだろうけど。でも傷もつくし、傷ついたら痛いでしょ。君たちが傷つくのは見たくない。」
審神者はふくれながらも、視線を庭の地面に落とした。
春の日差しがゆっくりと、桜の花弁が点々と落ちた地面を温めている。
「あるじはやさしいのですよ! 」
「いやいや、なんでそこで君が威張るの」
笑いながら燭台切が口を挟んで胸を張っている今剣を制する。
「あるじはみんなといっしょにいたいのでしょ、あるじはぼくたちみんながすきなのです」
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