F/GO雑記
英霊は聖杯からの借り物だ。彼らの武功の反面、傷ついた心が少しでも軽くなるように。私は全然魔力も足りないただの人間だけど、もし、聖杯に英霊を託されたのなら。それぐらいは。私は彼らみたいには戦えないから。
「おいでアステリオス。空を見に行こう」
「え、ちょっと待ってください」マシュが身を乗り出してくる。
「アステリオスと、先輩、二人っきりで、ですか」
「うんそうだけど…なんでそこでマシュがそんなに食いついてくるの?!」
「大事なことですから!」マシュの方は真剣そのものの顔だ。軽い気持ちで言うんじゃなかった―!しまったー!!
「で、一晩何してたんだ」キャスターもまた何故か前のめりになってる。
最近似てきたなこの師弟…
「何って…何も…」
「本当にか」
「本当だってば、何なの本当」
「マスターとサーバントとはいえ、一応男女が一晩共にいたわけですから」
「あ!」
あああああ!そういう!そういうこと?!
「ちょ、し、してない!!してないよ!!テリオとしたら私死んじゃうよ!体格差考えてよ!!!」あからさまに安堵して顔を見合わせる二人。
あああああああああそうかー!そういうことかあああああ!まったく馬鹿だ、わたし。
「で、結局」キャスターは腕組みをしたまま天井を見上げた。
「一晩ひたすら抱きしめあってたのか」
「抱きしめあってたっていうか…抱きまくら状態と申しますか…」わたしはただひたすら正座のまま小さくなるしかない。
「アステリオスにしたら最大の愛情表現ではありますね」だから拒めなかったんだよ―…
「だからそういうことは何もなかったですぅ…」冷ややか、というか呆れた目で見る二人のサーバントに囲まれてわたしはもう半泣きで言うしかない。
「そもそも同じ英霊が二人いるってだけでも厄介なのに、なんで三人もいんの、ややこしくてしょうがないじゃない」
そう言われても…と顔を見合わせる三人。
「むしろお嬢ちゃんの召喚に問題があったんじゃねーのか」
「失礼ねッ!召喚したのは私じゃなくてダヴィンチちゃんもだもん!」
「そりゃ余計心配だわ」
「いや問題はそこなのか?」
「あーもーうっさい!ややこしいし呼び名を今考えるから!」しばし、額に手を当てて、熟考。ぽん。手を叩く。
「わかった、年の順に「クー」「フー」「リン」で」
「リンだけは嫌だあああああ!なんか嫌だ!俺の魂の何処かが拒絶している!」床を転げまわるプロトを見て、マスターはニヤニヤしている。
こいつ、確信犯だ。
紆余曲折の末、結局「キャスリン」「ランリン」「プロリン」で落ち着いた。
「結局全員リンついてるじゃねーかよ!」
「だってわかりやすいから」
「…もうリン単品で呼ばれなければなんでもいい…」プロリンが憔悴しきってる「
ああついに地の文にまで」
「…こういう変な押しの強さに弱いというかフラフラついていってしまうのではないでしょうか、クーフーリンは」
「相性はともかくこういうタイプのほうが好みみたいだよねぇ?」
結論:三人召喚はクーフーリンの自業自得となりました
「さしずめしろいあくまだな」
「もう本当にやめて死んでしまいます」
「あとリンがついてることになんとなく苛ついてる赤い弓兵を誰か止めて下さい」
あの素人マスターが魔力維持できてるとは思えないのでカルデアとベース経由で魔力の補給経路もできてるんだろうな。
召喚もおそらくはそういう経路でダヴィンチちゃんとロマンがなんとかしてると思われ
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