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子どもだって一人の人間

昨日の続きで、子育てのことをもう一つ書きます。
デンマークで好きな習慣の一つが、大人が近しい子どもに対して'lille ven'(小さな友達)と呼びかけることです。例えば、私の義母が孫である私の息子に電話で話しかける時などに使います。

この言葉には、デンマーク人の、子どもも一人の人間として尊重するという姿勢が表れているように思います。そして実際に、デンマークの子どもたちは大人と同じくらい、もしかするとそれ以上に大切に扱われています。ですから私は、デンマークの子どもは本当に幸せだなと思います。

私も息子が赤ちゃんだった時に、子どもというのは自分のものだけれど、自分ではないのだという当たり前のことを、ふと考えた時がありました。何か大きなきっかけがあった訳ではなく、腕の中で眠っている赤ちゃんを見ていたら、この子もいつかは大きくなって自分の力で生きていくんだなぁと想像が膨らんで、「そうか、この子は小さいけれど一人の人間なんだ」と腑に落ちたのです。だから、デンマーク人の'lille ven'という言葉がとてもしっくりくると感じるのかもしれません。

子どもは親とは別人だと聞いて、何を当たり前のことを、と思う方もいるかもしれません。でも、この自分と自分の子を分けて考えるのが難しい人も結構いるのではないかと感じています。「子どもは神様からの預かりもの」なんていう言葉があるように、諭されなければ、つい忘れてしまいがちなのが親なのではないでしょうか。

加えて、世間体や親の欲など、子どもを純粋に見る目が曇ってしまうのが、親心。特に日本では、人に迷惑をかけてはいけないという気持ちが強い人が多いので、子どもの気持ちよりも周りの人の目を気にしがちな気がします。

例えば、日本に行くと、子どもを頭ごなしに叱っているお母さんを時々見かけます。お母さんに限らず、周りに人がいても気にせず、子どもをガミガミと叱っている大人を見るのは、それほど珍しいと感じませんでしたし、私も日本にいた時には同じように叱っていたと思います。

そういう叱り方ができるのは、「子どもは自分のもの」または「子どもは叱らなければ分からないもの」と考える気持ちが奥にあるように感じるのは私だけでしょうか。

デンマークに来て何かが違うな〜と思ったのは、大人が子どもを頭ごなしに叱っている場面をほとんど見ないことでした。もう少しで移住して7年になりますが、公共の場でガミガミ叱っている大人を見たのは、1回だけです。もちろん、私の住んでいる地域が全てではないので、もしかしたらジョットランドに行けば事情は違うかもしれませんし、家の中ではガミガミやっているのかもしれません。でも少なくとも私の周りには、そういう怒り方をする人はいません。

では、子どもが望ましくないことをしたらどうするのか?諭すのです。子どもの高さに合わせてしゃがみ込んだりかがんだりしながら、目を見ながら、なぜそれをしたのか、してはいけないことだと分かっているよね、どうしてしてはいけないのか、などを話して聞かせます。子どもが「でも〜」と言ったり、駄々をこねたら、ちゃんとその気持ちを受け止めてから、また愉します。

初めはその様子を見て「なんだか素敵〜」と思ったのですが、考えてみたら、大人同士で何か上手くいかないことがあった時に取る行動と同じですよね。お互いの立場を尊重しながら、きちんと話し合う。それだけ。

そんな接し方で甘い子にならないのか?私も初めはそう思いました。私自身、真面目で割と厳しい親に叱られながら育てられましたので、子どもが間違ったこと(大人にとって都合の良くないことを含む)をしたときは、然るべきだと考えていたのでした。でも大丈夫でした。むしろ、叱らないことで子どもが私のいうことをもっとよく聞いてくれるようになりました。昨日の記事ともつながるのですが、自分が変わると相手の反応も変わるのです。

私がガミガミ叱っていた時には、息子は「ぎゃーっ」と泣いて駄々こねて、ということがありましたが、私がデンマーク人を見習い始めてからは、イヤイヤとなることはあっても「ぎゃーっ」という反応はなくなりました。もっとも、疲れて駄々をこねている時などは、この限りではありませんでしたが。息子は先月で8歳になりましたが、もうお互いに感情的になることはほとんどなく、話し合いで解決できるようになってきました。これも積み重ねですね。

NLPの基本前提にも、「相手の反応は、自分のコミュニケーションの成果である」という考え方があります。上記の例に当てはめて考えれば、自分が相手を尊重して関われば、相手も自分に敬意を持って接してくれるということです。逆に、相手を所詮子どもだと見くびってかかれば、見くびられた子どもなりの反応しか返ってこないということです。

子どもだから分からないこと、分かっていてもできないこともあります。それは経験のある大人が教えてあげればよいだけのこと。大人同士でだってそういうことはありますよね。子どもに対しても、一人の人間としての敬意を持って接することで、変わっていく関係があるのだと感じています。小さなお友達に接するような気持ちでいきましょう。

そのためにも、まずは自分自身をよく知って、きちんとマネージすることが大切だと思います。「人の振り見て我が振り直せ」ですからね。自分ができていないことを子どもに求めるのは、ちょっと難しい。そう思って、お手本になる大人でいたいなと常に思っています。

どなたかのご参考になれば幸いです。今日もあなたが自分らしく生き生きと過ごせますように。God dag!


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