「もっちもち」は厄介者!あなたの大切な人の「健康」を守る「お食事の要件」
こんにちは!
すっかりシリーズ化した「お食事に関する5つの要件」シリーズ、楽しんでいただいていますか?
どれもこれも複雑な部分はありますが、覚える必要はありません。
「お食事の要件」って好き嫌いだけじゃなくって
アレルギーとか宗教とかポリシーとか、
いろ~んな切り口があるのね!
と、楽しんで読んでいただけたら嬉しいです☆
今回は
4)健康上の理由:セリアック病、乳糖不耐症
を、ご紹介します。
◆ お食事に関する5つの要件 ◆
1)アレルギー
2)宗教上の理由
・ハラル(イスラム教)、コーシャ(ユダヤ教)など
3)個人のポリシー
・ヴィーガン、ベジタリアンなど
4)健康上の理由
・セリアック病、乳糖不耐症、糖尿病、妊婦
5)好き嫌い
最近、グルテンフリーという言葉、ちらほら目や耳に入ってきませんか?
このグルテンは、なかなかの厄介者。
グルテンフリーの食材が広まっているのは、いま流行りのダイエット法だから・・ではなく、セリアック病と闘う人たちにとっては、とても深刻だからなんです。
今回は、セリアック病とグルテンについてお話します。
セリアック病
セリアック病とは、グルテンに対する免疫システムの反応によって引き起こされる、遺伝性の自己免疫疾患です。
テニスやスポーツがお好きなあなた、そして食生活を変えたいと思っているあなたは、この人(↓)がきっかけで、セリアック病という名前を知ったかもしれませんね。
ユニクロのCMでおなじみ、プロテニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチ選手です。
彼が、どのようにセリアック病と向き合っているのか、何をどう食べたらいいのか、興味のある方は、本を読んでみてくださいね!
世界のジョコビッチをも苦しめたセリアック病の症状は、腹痛や慢性的な下痢、慢性的な疲労、手足のしびれ、さらにはうつ病や不安感など。
さらに合併症として、貧血、骨密度の低下などで、がんのリスクもあるようです。
セリアック病の人は、グルテンを摂り続ける限り、消化器系にダメージを与え続けることになります。
グルテン
グルテンとは、特に欧米の食生活で中心となっている、小麦、大麦、ライ麦などに含まる、タンパク質で、粘りと弾力があります。
わぁ、もっちもちして美味しい~☆
この、もっちもちの食感☆は、グルテンが作っています。
なになに?
もっちもちの食感☆が諸悪の根源なの?
と疑問をお持ちのあなた!
そうなんです。
もっちもちの食感☆が、世界のテニスプレーヤーをはじめ、多くの人を苦しめてきたのです。
小腸には絨毛(じゅうもう)というものがあります。
この絨毛は、食べものの栄養を血液に運びます。
グルテンによって絨毛が破壊されてしまうと、栄養素を吸収できなくなることから、いくら食べても栄養失調になってしまいます。
シカゴ大学のセリアック病センターによると、アメリカでは、133人に1人の割合でセリアック病と診断されているとのこと。
セリアック病は、遺伝的な要因で発症することが多いため、血液の抗体検査、小腸の粘膜から組織サンプル採取だけではなく、遺伝子検査も併用して行うようです。
とはいえ、セリアック病自体にさまざまな症状があることから、正確な診断を下すのは、とても難しいといわれています。
患者側もセリアック病を自覚することは難しく、医師側も別の病気と誤診している場合が多いため、最終的にセリアック病と特定されるまでの期間が、数年かかることもあるようです。
食文化が欧米化して久しい、日本でも、セリアック病は増えてきているようです。
「小麦の国」の人たち
日本のみならず、世界に目を移すと、「小麦の国」の人たちはとても多いことが分かります。
東京都オリンピック・パラリンピック教育のホームページで紹介されている世界の主食マップ。
このマップのピンク色が小麦の国なのですが・・なっ、なんと真っピンク!
世界の多くの国で、小麦が主食とされているのが一目瞭然です。
さらに、日本のようなお米の国をはじめ、やトウモロコシの国、ジャガイモの国の人たちにも、ファストフード人気などによる「食の欧米化」が進んでいます。
・・ということは、セリアック病のリスクも高まるということ。
その背景を知ると、日本でもグルテンフリー食材や食品を目にするようになった理由もうなずけます。
セリアック病と診断された場合、グルテンを摂取しない「グルテンフリー」の食事のみが治療法となります。
ほんの少しの量でも免疫系の反応を引き起こし、小腸にダメージを与えてしまうだけでなく、重篤な場合には、アナフィラキシーを起こし、生命にかかわることもあるため、セリアック病の人がグルテンを摂ることは危険と隣り合わせ、ということを覚えておきましょうね!
グルテン過敏症、グルテン不耐症
あなたは「グルテン過敏症(Gluten Sensitivity)」、「グルテン不耐症(Gluten Intolerance)」という言葉、聞いたことがありますか?
どちらも小麦など、グルテンが含まれる食べものを食べると、倦怠感や吐き気、関節痛、膨満感、下痢、無気力、多動などの症状を引き起こすものです。
これらの症状は、グルテンを異物!と検知することにより起こるようですが、グルテンが消化されて体内から排出されると、症状は解消されます。
「グルテン不耐症」という言葉は、「グルテン過敏症」と同じ意味に解釈されているようですが、厳密に言うと
グルテン過敏症 < グルテン不耐症
つまり、グルテン過敏症の方が不耐症より軽い症状です。
そして
グルテン過敏症・グルテン不耐症と
セリアック病は同じではありません
セリアック病は小腸にダメージを与えてしまいますが、グルテン過敏症も、グルテン不耐症も、小腸にダメージを与えることはありません。
とはいえ、グルテン過敏症もグルテン不耐症も、その症状を和らげるには、グルテンフリーの食事をすること以外にはないようです。
小麦アレルギーとの違い
セリアック病は、小麦アレルギーとも違います。
小麦アレルギーは、グルテンとグルテン以外も含めた、小麦のタンパク質に対する反応です。
そのため、小麦ではアレルギー反応があったとしても、大麦やライ麦ではアレルギー反応が出ない場合もあります。
さて。
グルテンフリーの食事をする、ということは、ほとんどの穀物、パスタ、シリアル、加工食品を食べないことを意味します。
日本でもグルテンフリーの食材を、スーパーなどで見かけるようになったので、小麦を使ったパン、パスタ、お菓子などは、
グルテンが含まれている
と、なんとなく想像できるかと思いますが、せっかくの機会なので、次回はグルテンを含む食材・食品をおさらいしていきましょう!
そして、あなたがゲストをおもてなしすることになったら、役に立つ・・かも知れませんので、来たるべき日にそなえ、一気に参照できるよう、「お食事の要件」をマガジンにまとめておきますね☆
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