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キスの「お作法」実践編
当時の私の出張先は、ヨーロッパが中心だったからか、挨拶といえばキスが定番になりました。
たまにアメリカのビジネスパーソンと仕事をするときは、握手かハグで挨拶しましたが、挨拶と言えばキス!が当たり前になっていきました。
キスは私にとって新たな冒険の始まりでした。
そんなキスの「お作法」、前回の理論編につづいて今回は、「実践編」をお伝えします。(キスの見極めポイント「4つのC」はこちら↓)
キスの種類
まず。
ビジネスでは、唇にキスはしません。
ほっぺをくっつける(または近づける)キスです。
英語ではエアキス(Air Kiss 空気キス)、チークキス(Cheek Kiss ほっぺのキス)と呼び、フランスではビズと呼びます。
「エアキス」という名前からも想像できますが、「空気にキスをする」イメージです。
口の代わりにお互いのほっぺを合わせてチュッ♪と軽く音を立てるキスです。
エアキスは、必ず右の頬から行います。
間違えて左の頬から行ってしまうと、鼻と鼻、もしくは唇と唇が触れる「アクシデント(>_<)」を引き起こすことになるので、ここは要注意!です。
1.自分の右の頬と相手の右の頬に触れながら、唇をすぼめて、チュッと空気に軽くキスをする
2.右の頬のキスが終わったら、自分の左の頬と相手の左の頬を触れながら、唇をすぼめて、チュッ空気に軽くキスをする
※頬には触れなくても構いません。
※お互いの身長差や相手との距離などにより、相手の腕や肩に軽く手を添えて行う方がやりやすい場合もあります。
※目は閉じても閉じなくてもどちらでも良いです(笑)
エアキスのイメージ
気になる「チュッ♪」の音ですが、小さな効果音なので、音が立たなくても大丈夫です。
むしろ唇が相手の頬に触れないように、唾が飛ばないように気を付けましょう。
小さな効果音であれば、唾が飛ぶということはありませんし、音を立てない場合は、上の写真のように、唇を少しすぼめて「キスのフリ」でも大丈夫です。
フリだけでも大丈夫ということはつまり、相手の身体に触れないことになります。
そのため、「理論編」でも紹介しましたが、グローバルビジネスでは、ハグよりキスの方が密着度が低いとみなされる場合があるのです。
また、あなたがもし、キスと握手のダブル使いを試したい!など高度な技にチャレンジしたい場合は、先に握手をしてから、キスに進みます。
キスの回数
キスは回数も「お作法」のひとつです。
国によってその回数も違うので、お国柄が表れているのかも知れません。
後日、エピソードで紹介しますが、私はこのキスの回数に翻弄され、モヤモヤした経験があります。
そこで、「キスする(したい)派」のあなたのために、私と同じ経験をしてモヤモヤすることのないよう、各国のキスの回数をご紹介します。
◆ 挨拶としてのキスの回数(順不同)◆
1回
コロンビア、アルゼンチン、チリ、ペルー、フィリピン
2回
スペイン、イタリア、フランス(地域によって異なる)、ギリシャ、ドイツ、ハンガリー、ルーマニア、クロアチア、ボスニア、ブラジル(回数は地域によって異なる)、中東諸国(親族間や男性同士)
3回
ベルギー、スロベニア、マケドニア、モンテネグロ、セルビア、オランダ、スイス、エジプト、ロシア(地域によって異なる)
※出典:英Babel社 "The common approach to cheek kissing in other countries"
同じ国でも上記のフランスのように、地域によって回数が異なる場合があります。
たとえばフランスでは、パリは2回、プロヴァンスでは3回、ロワールでは4回が標準といわれているようです。
さらに、フランスのサイトで「あなたの地域ではキスは何回?」という、おもしろい投票サイトを発見したので、紹介します。
サイトはフランス語ですが、フランス語が分からなくても、以下の図の色が塗られている地域をクリックすると、投票結果(キス1回~5回まで)が円グラフで表示されます。
各地域で1,000票近く、またはそれ以上の投票数があるので、いかにフランスの人たちが「キスの回数」の関心が高いかが伺えます。
リンクはこちら↓
逆に特に回数の定義がない国もあります。
イギリスでは、頬にキスをするのか、いつキスをするのか、何回キスをするのかなど、ビジネスキスでの明確な決まりはないようです。
ビジネスでは握手しかしないという人もいるようです。
ただ、私が交流したイギリス人のビジネスパートナーたちは、挨拶として、キスを積極的にしていましたので、極めて個人に依存するようです。
アラブの国々では、友人や親戚との間で頬にキスをすることや、男性間での頬のキスが一般的であると言われています。
ただ、男女の間で頬にキスをすることは、親族でない限り、不適切だと考えられているようです。
相手からキス。サインはどう見極める?
これまでもお伝えしましたが、海外のビジネスパーソンと挨拶をするときに、握手・ハグ・キスのどれをどのタイミングで選ぶのかを、とっさに判断することは、容易ではありません。
そしてこの判断は、キスでの挨拶を習慣にしている人にとってさえ、簡単ではないようです。
たしかに、相手が握手しようとしているのに、こちらがキスの態勢でほっぺを近づけたら、何ともびみょ〜な空気が漂い、その場から消えてしまいたくなるくらい、恥ずかしい思いをするかも知れません。
「相手の挨拶が、キスなのかどうかを見分ける件」については、海外でも多くの人たちが正解を探していることもあって、色んな議論が白熱しています。
ここでは一番シンプルな、相手のボディランゲージからヒントを得る方法を、ご紹介します。
挨拶をするときに、
● 相手が手を差し伸べてきたら、握手
● 相手が頬を差し出してきたら、キス
そして
● 相手が両手を広げたらハグ
これだけです。
それでは、相手が「どう出てくるのか」わからない場合は、いったいどうすれば良いでしょう?
分からなくて、恥ずかしい思いをするくらいなら、いっそのこと、アレで切り抜けましょう!
アレというのは..もうお分かりですね?
そう。
一歩後ろに下がって、お辞儀をする
やはり、お辞儀は無敵なのです!
「海外の挨拶3点セット」いかがでしたか?
「握手」「ハグ」「キス」そして日本の伝統「お辞儀」。
TPOに応じて、臨機応変に挨拶の種類を使いこなせるようになるには、場数をこなして慣れることですが、場数を踏むこと自体が、そう簡単にできることではありません。
でも、諦めないでください!
私は、場数よりも、いっそのこと
「とりあえず、挨拶3点セットのどれかをやってみよう。
いざとなればお辞儀で切り抜ければいいや!」
と開き直って行動に移してしまう方が「新たな冒険への第一歩」を踏み出しやすいのではないか、と思います。
あなたが、この記事をきっかけに、「いつか、どれかひとつでも、お辞儀以外の挨拶をチャレンジしてみようかな☆」思っていただけたら、とても嬉しく思います。
もちろん、私もかつては、「新たな冒険」に踏み出し、右往左往していました。
次回は、キスデビュー直後に私が受けた「モヤモヤ洗礼」についてのエピソードをお話します。
(キスに翻弄されたお話はこちら↓)
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