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パリで「バケツいっぱいのムール貝」を平らげ、顔が変貌した私

ビジネスの場でもプライベートの場でも、お食事人と人とのコミュニケーション円滑にすることを助けてくれます。

そんなお食事の場を最高のものにするためにも、ダイエタリー リクワイアメントという、「お食事の要件」を守り、和洋中などのお食事の種類や、レストランの雰囲気などを検討する以前に、最優先として食物アレルギーについては、ご本人にきちんと確認しましょうね~、とお話してきました。
(「お食事の要件5つはこちら↓)

また、ご自身で手料理をふるまう場合は、食材の選別だけではなく、クロス コンタミネーションという、「交差汚染」についても十分に気を付けてくださいね~、とお話しました。
アレルギーから身を守るためのお作法は、こちら↓)


長いカタカナ用語それ自体は、覚えなくても大丈夫 (^_-)-☆
大切なのは、その内容なので、内容をご理解いただければ十分です。


このように、ちょっと力を入れすぎてしまうくらい、しつこくお伝えしているのは、私自身が、海外どエライ目に遭ったからなのですが、今日はそのトラウマエピソードをご紹介します。


パリでのおおみそか

ある年のおおみそか
私は、パリにいました。

・・というと、さぞかし優雅なおおみそかを過ごしたかのように、聞こえるかも知れませんが、ふつうにお仕事です。


日本では、クリスマスが過ぎれば、年末年始のお休みに向けて、人も街も、すこ~しずつソワソワし始め、身も心も☆お休みモード☆に入っていくかと思いますが、グローバルビジネスの場合、ソワソワにも時間のずれがあります。


宗教による違いはあるものの、私が一緒に仕事をしていた国の人たちは、おおよそ11月末あたりからソワソワし始め、クリスマスに向かって一気に、身も心も☆お休みモード☆突入してしまうため、この時期に、仕事のお願いをすることは、できるだけ避けるようにしています。

クリスマスが明けると、すこ~しずつ、お仕事モードに戻ってきてくれますが、こんどは、日本の年末年始のお休み

しかし、日本の冬休み期間は、グローバルビジネスでは、ふつうにビジネスが動きます

グローバルビジネスでの1年のスタートは、1月から日本企業は、学校とおなじく、4月からスタートすることが多いです)なので、悲しいかな、私にとっては、日本の年末年始のお休みであっても、通常と変わりなく、働いていました。


優雅どころか、アリんこのように働く私・・(涙)。


ヨーロッパのビジネスパートナーたちは、年内は30日まで働き、おおみそか元旦のみお休みで、2日から仕事を始めます。

この年の1月2日は、ヨーロッパのビジネスパートナーとの大切なミーティング
この日に向けた準備が必要だったため、私は、少し早くパリに入ったのでした。


おおみそかということも忘れ、ふつうにホテルで1日中仕事をしたので、ディナーは外でお散歩をかねて、美味しいものを食べようと、夜遅い時間でしたが、ふらりと出かけました。

ですが、お店はどこも閉まっている様子。


(あっ、そっか。
世の中は、おおみそかなんだ・・。)


パリに到着して以来、仕事しかしていない私は


意地でも今年最後のディナーは、
外で楽しむんだ!


と、固い決意のもと、オープンしているお店を探しまわりました。


そして、見つけたのが、「バケツ入りムール貝」で有名なこのお店。
いわゆるチェーン店ですので、訪れたことのある人もいるかも知れません。

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ここで、名物のバケツに入った大量のムール貝(一番大きなサイズ)をオーダー。
歩き回ってようやく見つけたお店です。

仕事に集中するあまり、朝からなにも食べていないことも忘れていましたが、お店に入った途端、急に空腹が襲ってきて、目の前に出された、大量のムール貝を、もくもくとひたすら食べ続けました。


トマトスープにムール貝が染み込んいて、とても美味しい
スープもムール貝のダシが染み込んでいて、身体があったまる


あまりに大量なムール貝なので、8割くらい食べたところで

ちょ~っと気持ち悪くなってきたな・・。

と、若干の違和感を感じましたが、ここでも変な意地を発揮して、見事に完食しました。


おなかが満たされた私は、ホテルに戻って、パリのカウントダウンを、東京の友人と電話越しで盛り上がり、大満足眠りについたのでした。


年が明けて深夜

が、とてもカユイな~。
身体も、とてもカユイな~。
夢うつつなのか、現実なのか、なんだかとってもカユイ

少しして目が覚めてくると、


う~っ、カユイ!!!


どんどん、カユミが増していきます。
頭も顔も背中も胸も脚も..全身強烈なカユミが襲います。


事情をよくのみこめないまま、目を開けようとしましたが、目が開きません

目が、ほとんど開かないので、視界はうっすらとしていますが、なんとかバスルームにたどり着き、鏡を見ると..



うそ・・。



絶句してしまうほど、顔が膨らんでいました。

目が開かないのは、まぶたがパンパンに腫れていたから。

強烈なカユミと、顔の膨張パニックになり、たまたま近くに住んでいた、日本人の友人に助けを呼ぶために電話しました。

口もカユくて腫れているので、ろれつが上手く回りませんでしたが、なにか大変なことが起こったと察した友人は、すぐに私の部屋に来てくれました、


私の顔を見て、友人も絶句・・。


海外旅行保険に入っていたことが幸いし、彼女と彼女の旦那さんと保険会社が探してくれた病院に、クルマで向かうことになりました。

私は、視力が悪いので、普段はコンタクトレンズをしています。
病院に行くのにも、裸眼ではよく見えないため、コンタクトをしようとしますが、もちろん、パンパンに腫れているまぶたに、コンタクトレンズは、入る余地もありません。

それならばと、メガネをかけようとしますが、まぶたピンポン玉くらい腫れているので、メガネもかけられません。


ほとんど視界がさえぎられたまま、友人のクルマに乗り込みました。


病院で先生とご対面しましたが、あまりの顔の腫れ具合に、先生の第一声は


オーマイゴッド・・。


私は、

元の顔は、こんなです。」

と、先生にパスポートを差し出すと、そばにいた看護師さんと一緒に、私のパスポートの写真と、目の前の膨らんだ私交互に見て、またもや


オーマイゴッド・・。


先生が、

「昨日からいままで、なにをしたのか、なにを食べたのか、教えて。」


私は、かきむしって肌を傷つけないよう、平手打ちで身体のあちこちを、ペシペシたたきながら(泣)、昨日からホテルで仕事しかしていない、だけどディナーには、唯一開いていたレストランで、ムール貝をたぶん200個くらい食べたことを伝えました。


あー、ムール貝。それだね、それ。


検査もなにも、ムール貝以外は口にしていないので、すぐに原因が特定され、解毒剤を処方してもらいました。

このあとは、大量の水をひたすら飲み、カユミと腫れが引くまで安静にしていなさい、と告げられました。


ひとりでホテルで過ごすのは、心細いだろうと、心優しい友人夫婦が、ホテルのチェックアウトの手続きをして、私を彼女たちの家に連れてきてくれ、まさに寝正月元旦を過ごしました。


1月2日の仕事始め

解毒剤を服用し、ひたすら水を飲み安静にして過ごしましたが、少しずつ良くなっているとはいえ、顔も身体もまだ、人さまの前に出られるような状況ではありません。
まだカユミもひどく、とても仕事に集中できるような状況でもありません。


仕事始めのこの日は、今後のビジネスの方向性を決めるための、とても重要なミーティングの日です。

私は、この日のためにパリに来たのですが、ムリをしてでも参加するほどの気力も体力も持ち合わせていないことを悟った私は、ミーティング中止の相談をするために、パリのオフィスに電話をしました。

「akkie、ハッピーニューイヤー!
素敵な1年を!
今日のミーティングは、よろしくね~。」

明るい声で、新年のあいさつをしてくれる、エレガントなパリジャン、ドミニク(フランス人)。
そんなドミニクに、私は申し訳ないと思いながら、事情打ち明けました。

「ドミニク、ハッピーニューイヤー。
あの・・、今日のミーティング、大変申し訳ないんですが、中止にしていただけませんか?
実は、私の・・。かっ顔が・・。」


「かっ顔が・・」
の言葉で、私がトラブルに巻き込まれたことを察してくれた、ドミニクは、私がすべてを説明する前に、中止を即決してくれました。

「オーケー。中止にしよう。
それより、なにがあったの?なにかできることはある?」

私に、なにが起こったのかを気遣ってくれる優しいパリジャン、ドミニク。


私は、ムール貝によって引き起こされた悲劇を、簡単に説明し、友人の家にお世話になっていることを伝えました。

ドミニクは、私がひとりでホテルにいるのではない、ということを確認すると、安心してくれました。


解毒には、5日かかりました。


腫れもカユミも引いたので、ミーティングの仕切り直しをし、無事に新しい年のビジネススタートできたのでした。


アレルギーから自分の身を守ろう!

私のじんましんの原因は、ムール貝によるものでした。

食べている途中で気持ち悪いな・・と思いながらも、完食した意地と、200個以上も食べたということが、強烈なじんましんを引き起こしたのかも知れません。

チェーン店なので、養殖ムール貝の可能性が高いですが、養殖したところ環境によるものかも知れませんし、私の体調が、そのとき万全ではなかったのかも知れません。

帰国してすぐに、アレルギー検査を受けましたが、意外や意外、貝アレルギーは検出されませんでした。

その後、ムール貝アレルギーの症状を調べましたが、嘔吐下痢呼吸困難記憶喪失(!?)など、重篤な症状がみられるケースもあるとのこと。
私の場合は、かなりひどいじんましんでしたが、それでも軽症といえるのかもしれません。



貝アレルギーは「陰性」と判断された私ですが、あの日を境に、ムール貝を、いっさい口にしなくなりました

そして、万が一に備え、仕事海外に行くときは特に、貝類・甲殻類(エキスも含めて)も、口にしないようしています。
※国内では貝類・甲殻類は食べます。でもムール貝は食べません(泣)


ビジネスパートナーたちには

アレルギーのおそれがあるので、
ムール貝はNGなんです。
貝類も甲殻類も食べないんです。

と、伝えているので、彼らが私と食事をするときは、そのような食事メニューにならないよう、気を配ってくれています。


スペインやフランスへの出張が多かった私に、ムール貝をふんだんに使った本場のパエリアや、生カキ食べ比べなど、現地の新鮮なシーフードを使った、それはそれは美味しそうお料理が、街を歩くたびに誘惑してきました。

でも、あのおおみそかの出来事再現されることを思うと、食欲スーッと引いていくのでした・・。


いかがでしたか?

海外では、日本ではなかなか食べられないような、美味しい食べものにあふれています。


は、旅の醍醐味のひとつ。
必要以上に警戒しても、旅の楽しみが半減してしまいますよね?


でも、備えあれば憂いなし


せめて
● 事前にアレルギー検査をしておく
● 万が一のために、海外旅行保険には入っておく
● 食べている途中で、違和感を感じたら、それ以上食べない

など、できる防御策は、取っておくと安心かと思います。


もし、あなたが、何かしらの食材アレルギーを持っていると分かっている場合、遠慮なくレストランや会食をアレンジしてくれるホストに、事前に伝えておきましょう。

そして、あなたがお招きするゲストが、大変な目に遭わないために、その人の食材アレルギーの確認も、怠らないようにしましょうね!



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