ハグの「お作法」
いまはソーシャルディスタンスが求められるため、控えていますが、日本にいても海外のビジネスパーソンと一緒に仕事をするときは、握手やハグが多いです。
(キスも、たま~にあります。)
彼らも無用なセクハラ告発には注意しているので、初対面でいきなりハグ!はさすがになく、少し打ち解けてから、握手→ハグに移行するようです。
前回は2回にわたって、握手の「お作法」と「7つのNG」についてお伝えしてきました。
(握手の「お作法」と「素朴な疑問」はこちら↓)
(「やってはいけない握手NG集」はこちら↓)
「お辞儀の国・日本」の私たちにとって、ハグはハードルが高いかもしれません。
ましてや、ビジネスの場面ではなおのこと。
海外のビジネスパーソンも、みんながハグをしているわけではありません。
日本のように、お国柄でハグをしない文化もありますし、ハグをするお国柄の人であっても「私はハグ、ダメなのよね~。」とハグをしないポリシーの人もいます。
このように、ハグは極めて個人のポリシーに依存します。
なので、握手ならすぐにチャレンジする気になれたとしても、ハグは少し勇気が必要、と思われる方も多いかも知れません。
しかし、ハグは、あなたご自身に「生理的な拒否感」がなければ、お互いの心を開くためのスキンシップ方法として、きわめて有効ではないか、と私は思います。
そこで今回は、ビジネスにおけるハグについて、ご紹介します。
ビジネスハグ
ビジネス場面でのハグは、「ビジネスハグ」や「コーポレートハグ」などと呼ばれます。
ビジネスハグは、業種・業界によっても傾向があるようです。
たとえば金融業界ではハグはあまり見られず、サービス業や接客業などは、ハグをする人が多い、などです。
また、企業文化によっても違いがあります。
業種・業界や企業文化に関わらず、性別・国籍・人種・宗教によっても異なりますし、個人のポリシーによっても異なります。
握手の「お作法」とは違い、ハグの「お作法」は、「ハグのやり方やプロセス」を指しているのではありません。
ハグの「お作法」とは、
「ハグする(したい)派」が、
相手に不快感を与えないための心得
を指します。
基本の「お作法」は、次の3つです。
その1:一貫性を保つ
最初に。
自分は「ハグする(したい)派」なのか、「ハグしない(したくない)派」なのか、ポリシーを決めておきましょう。
(私は「ハグする派」です。)
また、性別に偏ったハグをするのも誤解を受けるもとです。
● 「ハグする派」なら、男女問わずハグをする
● 「ハグしない派」なら、男女問わずハグをしない
という一貫性を持ちましょう。
人や性別や人種によってハグをしたりしなかったりする場合、
「あの人、別の人にはハグしたのに、私にはハグしなかった。ひょっとして嫌われてるのかも・・。」
「彼、女性にしかハグしないのよ。あれってセクハラっぽくない?」
と、いらぬ誤解を受けることがあるからです。
その2:ハグは短く
長いハグはせず、短めのハグ(1〜最大3秒程度)にしておきましょう。
なが~いハグをしてたら、それはもはや「ハグ」ではなく「熱い抱擁」になってしまいますからね!
その3:許可を得る
率直に「ハグしていいですか?」と聞いてみましょう
握手と違って、ハグは好きな人もいれば、キライな人もいます。
ただ、聞いても本心とは違う答えを(ハグをしたくないのに「いいよ」と答える)する人も、中にはいます。
相手にハグの許可を求めたときに、相手が手を差しだして来た場合、それは「私はハグしない(したくない)派なの。だから、ハグじゃなくて握手しよ!」
というサインです。
なので、その場合は無理にハグをするのではなく、握手をしましょう。
そしてもうひとつ大切なこと。
あなたが組織の管理職の場合、部下に対してハグをすることは避けた方が良いです。
なぜなら、たとえ上司が部下に「ハグの許可」を求めた場合、部下は断りづらいからです。
たとえ、部下がハグをしてくれたとしても、その部下は、
「ハグを拒否したいけど、人事評価に影響するかもしれないから、ホントはしたくないけどハグしなきゃ。」
と、ストレスを与えてしまっているかも知れません。
このように、ハグに対する感度は人それぞれ。
なので、最初は気の合う同性や同僚に声をかけるのが無難かも知れません。
「ハグしない(したくない)派」の場合
あなたがハグしない(したくない)派なのに、相手がハグをしてこようとする場合、「お作法:その3」で紹介したことの逆をしてみましょう。
つまり、ハグをしようとする相手に対し、自分の手を差しだすのです。
「どうしてもあなたとハグしたい!」
という場合でない限り、相手は
「あっ、彼 / 彼女は、ハグしない(したくない)派なのね!」
と察して、握手に切り替えてくれます。
それでもハグをしてこようとする人を避けるには、やはり・・「アレ」です!
一歩後ろに下がって、お辞儀をする
そこまでされたら、さすがに無理にハグをしてくることはないでしょう。
しかも、日本人がお辞儀で頭を下げることそのものが、誠実で丁寧という印象を与えるため、ハグをしないことによって、相手に嫌な思いをさせてしまうことは、ほとんどないでしょう。
あなたは「どちら派」ですか?
ハグは、「決まったやり方」が明確に定まっていないからこそ、いろんなやり方があります。
場合によっては、
「これはOKなハグ」
「これはハラスメントなハグ」
など、人事部がハグに対する見解を持つ企業があるくらいです。
大切なのは、
● ハグに対する「自分のポリシー」を持ち、それを貫くこと。
● あなたが「ハグする(したい)派」であっても「ハグしない(したくない)派」であっても、あなたが相手を尊重して丁寧に接すること。
ではないでしょうか?
次回は、私が出会った「ハグの達人」のエピソードをお話します。
(泣く子も黙るキャリアウーマンが赤面する!ハグの達人のお話はこちら↓)
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