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パリジェンヌを魅了する!ジャポンのキラキライベント

ハロウィン七五三が終わり、街はクリスマスツリーがイルミネーションを楽しめる季節に入りましたね!

早いもので、2020年も終わりに近づいています。


アイスブレイク(以下、雑談といいます)で宗教の話は、タブーとされていますが、個人の信条ではなく、文化としてのアプローチであれば、場合によっては、雑談ネタとして面白い場合もあります。

特に、日本の一般的な宗教観イベントは、海外の人には不思議に映るようです。


最近、これぞ!と思ったのは、日本人のお母さまとドイツ人のお父さまがご両親で、日常の風景から西ヨーロッパの歴史超解説まで、豊富な話題でファンを逃さない、庵忠 茂作さんが投稿された「七福神」のお話。

願わくばスキを100連打したいくらいのお話で、異文化雑談ネタとしては秀悦の、海外の人にとても喜ばれるお話だと思います。


切り替えが早い日本!

あくまで一般論として・・ですが、日本では冒頭に挙げたイベントのように、私たちが意識しているかどうかはさておき、宗教イベントとはのものとして、イベントそのものを楽しみます

結婚式キリスト教式神式、赤ちゃんが誕生したら、神社にお参りするけど、人との別れ(お葬式)は、かなりの確率で仏式など、たしかに海外の人から見たら、一貫性がないように見え、日本の宗教観を、不思議に思うのも無理はないでしょう。


また、ビジネスの場面では、日本のほとんどの企業にはクリスマス休暇がなく、年末年始が休暇になります。

ヨーロッパの場合は、クリスマス少し前より冬休みを取る人が増えてきますし、アメリカの場合は、サンクスギビング(11月の第4木曜日)以降からクリスマス明けまでは、もはや仕事モードにならない人も多くいます。

アジアの場合でも、キリスト教の人はクリスマス休暇を取りますし、中国春節を祝うので、旧暦のお正月に従って休暇を取ります。
イスラム教の同僚たちは「イード・アル・アドゥハ」というお祭りを祝いますし、ヒンドゥー教には「ディワリ」という祝日があります。

このように、宗教観とイベントと冬の休暇は一致しているのですが、日本は違います。
クリスマスのために休暇取らないけれど、イブとクリスマスには、イベントとしてお祝いします。

クリスマスの翌日にはデパートなどはお正月の飾り付けを始め、華やかなクリスマスから一気に和風の落ち着いた雰囲気に。

大晦日には、お寺の除夜の鐘を聞き、翌日の元旦には神社に初もうでをします。

日本の冬の一連のイベントに慣れていない人たちは、混乱してしまうのは無理もありません。


初来日あるある質問

特に、クリスマスイルミネーションは、11月頃から華やいでくるため、この時期に来日するビジネスパートナー(特に初来日の人)からは、必ずと言っていいほど、同じ質問をされます。


ある年の11月。
パリからダイアン(フランス人)が、初来日しました。

東京に来るや否や、街中至る所で、さまざまな演出がほどこされる、クリスマスイルミネーションに感動しています。

「akkie、日本でもクリスマスをするのね!
知らなかったけど、日本もクリスチャンが多いの?」

あるある質問タイム」が始まりました。

同じ質問を過去に何度もされている私は、すでに慣れていたので、戸惑うこともなく、いつも用意している答えを、ダイアンに説明します。

「ううん、日本は仏教徒が一番多いの。
もちろん、クリスチャンやイスラム教など、他の宗教の人もいるけど。
年代や信仰心によるだろうけど、普段の生活で、宗教を意識する人は多くはないかも。
日本では、クリスマスは宗教という色合いよりむしろ、みんながクリスマスケーキやご馳走を用意して、プレゼント交換するイベントとして楽しむんだよ!」

「あら、素敵
日本の人も、クリスマス休暇は家族とゆっくり過ごすのね~。」

「ううん、日本にはクリスマス休暇はなくて、普通に働くよ。
クリスマスが終わって2、3日したら、年末年始の冬休みを取るのが一般的なの。
私は、ちゃっかりクリスマス休暇を取っちゃうけど、ほとんどの人は取らないよ~。」


クリスマスが休暇と結びつかないことを知って、ダイアンは不思議そうな顔をしています。
私は、説明をつづけました。

「日本はね、お正月が一大イベントだから、全国でそれをお祝いするんだよ。
だいたい12月の28日ごろから、翌年の1月3日くらいまでは、日本の会社はお休みなの。
実家に帰ったり、家でのんびり過ごしたり。」

「へぇ。クリスマスには、お休みしないのね。
お正月には何をするの?」

「クリスマスが終わったら、すぐにお正月の準備。
クリスマスの翌日にツリーを片付けて、門松っていう松や竹でできたゲートを、その一年の幸せをもたらす年の神様をお迎えするための目印として玄関に立ててたり、家にやってきた神様に居てもらうために、鏡餅っていう、お餅やオレンジで作った場所を作ったり。」

ダイアンが、真剣に聞いてくれています。
私はつづけます。

「大晦日は、お寺の除夜の鐘という、”新年を迎えるために、鐘の音を108回”聞いて、108個もあるらしい、人間にまとわりついた一年の煩悩を浄化するの。
年が明けた元旦からは、新しい年の健康と幸せを願うために、神社お参りするの。
お正月期間は1月3日までの3日間で、一部のお店以外は、ほぼどこもお休みだから、その間に色んなお正月の行事をしたり、お節料理をしたり家族とゆっくり過ごしたり続くよ。
この3日間は、たとえば掃除とか刃物を使うとか、やっちゃいけないこと※があるから、みんなゆっくり過ごすんだよ。」
※私はやっちゃってますが・・。


彼らはお正月は、大晦日元旦だけがお休みなので、ダイアンは、興味深そうに日本のお正月の過ごし方を聞いてくれています。


この後は、イアン(イギリス人)やジャン・ルイ(フランス人)、チャールズ(アメリカ人)、マシュー(シンガポール人)など、インテリジェントなビジネスパートナーが初来日したときに質問されたように、ダイアンからも

「で、日本の人は、どの宗教を信仰してるの?」
「で、結婚式キリストお葬式ブッダなの?」

など、「宗教的な一貫性ってどうなの?」と質問がされるはず。


さて、ダイアンが口を開きました。

「akkie、私、冬は日本で過ごしたいわっ!
楽しそうなイベントが、そんなにいっぱいあるなんて。うらやましい☆


ニッポンのキラキライベント

私は、ダイアンの無邪気な反応で、肩透かしにあった気がしていました。
彼女の本心を聞きたいな、と思ったので、あえて私の方から

「でも、クリスチャンのイベントの数日後には、一瞬だけ仏教徒のイベントをして、その翌日には神道でお参りをする、っていうのは、海外の人から見たら、どう見える?」

と、聞いてみました。
ダイアンはニッコリ笑いながら、こう言いました。


「素敵!それにぜ~んぜん気になんない
私はクリスチャンだけど、私にとって宗教は、年老いたときの心の保険みたいなもんだもん!
私は普段、教会に行かないし、熱心な信者というわけではないの。
イベント化しているのであれば、それを楽しめばいいと思う。
私、この時期はずっと日本に滞在しようかなぁ。
だって、ホントに楽しそう☆」


ダイアンは、心底うらやましそうにしてます。(笑)

であれば!と、もっと楽しんでもらうために、2月のバレンタインデー、3月のホワイトデー、4月のお花見、5月のGWお盆花火大会など、宗教行事であろうとなかろうと、なりふりかまわず(笑)日本のイベントを総ざらいで紹介し、思いっきりうらやましがってもらう作戦に変更しました。


この中で、ダイアンが一番興味を持ったのは、バレンタインデー
そのお話は、バレンタインデーの時期になるまで、とっておくことにします。


このように、ニッポンのイベントを、ダイアンにあれこれ紹介しているうちに、私も

(ニュートラルに生活を楽しめるイベントを取り入れる日本って、素敵なのかも☆)

と、いう気持ちにもなってきました。


いかがでしたか?


あえてタブーの話を持ち出すことは避けた方が良いですが、たとえば「一般的な話」として、日本でのイベントを引き合いに出してみると、相手の人の宗教観宗教を通した文化背景などが、それとなく垣間見えるかもしれません。



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