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1日休むと取り戻すのに3日かかる~これホント?私は違うと思うよ。


どこの誰が言ったかは忘れたが、この言葉を物心つく頃から聞いてきて、いつの間にか「常識」「定説」となっている。
特にピアノやスポーツをしてきた人にとって、聞いたことのない人はいないだろう。


今回は、この言葉の真偽について、私の体感から、考えてみたいと思う。

上達は休んでいる時に作られる

私は体調不良が何年も続き、ずっと寝ているという状態が多かった中で、半月くらいピアノが弾けないという時も1度や2度ではなかった。
さすがに半月以上経ってくると、「そろそろ練習しないとヤバイな」と思えてきて、またそのタイミングで何とか練習できるぞという日が出てきたので、ギリギリセーフ?でピアノに向かっていた。

そしてその状態は今も続いているわけだけれども。

でも、そういう中で、ハッキリ言って休んでる時間の方が圧倒的に多かったこの数年間のピアノとの向き合い方で、少なからず体感したことがあった。

それは、ある程度の期間休んだあと再開した時に、前より上達感を感じたということ。
そしてそれは1度や2度ではなかったということ。細かいところを含めると。
確かに忘れている所もあったが、少し練習すれば前と同じくらい弾けて、そこまでひどい状態にはならなかったということ。


このことを体感して、私は「1日休んだら取り戻すのに3日かかる…これ、完全な嘘だ」と思った。


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もしこれが体調不良ではなく、健常の状態で、ほぼ毎日練習していたとしたら、もっと上達していたかもしれない。そこは比べることができないので何とも言えないが、この状態で感じたことに少なくとも、「上達感がない、または後退、または劣化」という感覚は、なかったということだ。


そして上達したものをさらに練習して、また休んでワンランク上達して…という繰り返しで、曲って仕上がっていく。今はそんなイメージを持っている。

だから、「練習している、その時」に上達するんじゃなくて、「練習が終わったあと」に、知らず知らずに定着しちゃっている。

もうここは、無意識の部分だから、何とも手の出しようがない。


煮物と同じで、火を止めて、冷めていく過程で味が染み込むみたいな。あれと全く同じだと思う。

放っておく勇気

だから、もし、なかなか上達が感じられないとか、練習してもしても上手く弾けないと感じたら、一旦やめてみる、ということも、意図的にしていいと思う。

まあ意図的にとは言っても、さすがに半月以上ピアノから意図的に離れることは、オススメする氣はないけど💦
(私はやむを得ずそうなってしまっただけで、あくまでも自己責任でお願いしますって感じだけど、ひょっとしたらこれくらい休んでもいいかも知れない)

というかむしろ、行き詰まりを感じたのなら、尚更そうすべきで、何か他の曲で気分転換してみたり、ピアノから離れるなり、「(その課題を)忘れるアクション」を、取ってみてほしいのだ。

まあ、よく言われことだけど・・・

ベートーヴェンも、作曲の合間に散歩していたとかで、アイディアが浮かんだりひらめきが生まれたりするのはリラックスしている時だとも良く言われるじゃないですか。

別の例では、小学生の授業なんかで、こまめに休憩をとった方が成績が上がったというのを聞いたことがあります。

あと、私の持ってる本では、筋トレは毎日やるより三日に一回くらいのペースの方が効率がいいと。それは、休んでいる間に負荷をかけた筋肉の部分を修復して、より筋肉量が増えるから。

(煮物の例だけで十分かも知れないけど💦)

「練習するという行動を止める」、「考えない」ことによって、無意識の領域に仕事を任せる、という感じ。

(そう言われても、やっぱり、勇気がいることだとは思いますが…。)

そして、休むに任せると、前よりか、コツがつかめた…とか、自然と体で音楽を捉えられている、ということに気づくときが来る。

頭ではなく、体に染み込んでいく。
上達するというのは、体が音楽を覚えるということだから。
音楽する体になっていく。

こうやって、この繰り返しで上達ってしていくという実感がある。


なので、何もしない時間、無の時間(この場合は練習を休む時間)にものすごいチカラがあることを、実感してください。信じてみてください。

・・ちなみに・・・

今日、たまたま見たYoutubeでシュタイナー教育について言っていた動画を見たんですけど、その教育法というのが、ある教科を集中的に何カ月もかけて勉強するんだと。
そして、その次にまた違う教科を何カ月もかけて・・・という教育法だそうで、じゃあ前の教科を忘れはしないか?という疑問に対して、
シュタイナーは「忘れることが大切」と言っていたそうだ。その趣旨はこう。

「一旦、忘れるということは、言うなれば、その情報が内部で”消化”されている状態であって、次にその情報を引き出したときに、忘れないものとして定着するのだ」という。

これを聞いたときに、そうそう、こういう趣旨のことが言いたかったの!と思ったので、書かせていただきました。





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