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料理記事

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2021年4月の記事一覧

おうちで中華 - 醃篤鮮(筍と塩漬け肉と豚肉の煮込みスープ)

おうちで中華 - 醃篤鮮(筍と塩漬け肉と豚肉の煮込みスープ)

筍の季節は、心が浮き立つ。今回は筍が出てきたら毎年必ず作る、上海ならではの春のご馳走スープをお届けしたい。その名も、醃篤鮮!

難解な名前だが、ちゃんと意味がある。すなわち、

「醃」=塩漬けすること。鹹肉(豚三枚肉の塩漬け干し)を指す。
「篤」=とろ火でコトコト煮込むこと。
「鮮」=生もの。生の豚肉を指す。「鮮やかな旨味」という意味もある。

つまりは、「塩漬け肉と豚肉をとろ火で煮込むスープ」と

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おうちで中華 - 涼拌竹筍(筍の冷菜)

おうちで中華 - 涼拌竹筍(筍の冷菜)

旬のうちに、筍料理をどんどんご紹介していこう。今日の料理は、涼拌竹筍(筍の冷菜)だ。見た目にも爽やかな、春らしさいっぱいの冷菜である。

これまで紹介した筍料理の中では、最もシンプルな一品だ。ご覧の通り、乱切りにした筍を和えるだけなので、ものの5分で作れる。

涼拌竹筍 凉拌竹笋
liángbàn zhúsǔnむちゃむちゃ簡単なのにとても美味しいから、重宝する。シュクッとした筍に青葱の香りがからん

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おうちで中華 - 油燜筍(筍の甘辛照り煮)

おうちで中華 - 油燜筍(筍の甘辛照り煮)

今日の料理は、油燜筍(筍の甘辛照り煮)。長く上海に住んでいた身としては、春に筍を見ると真っ先に思い出す上海料理であり、帰国後も毎春作る大好物である。

調理はシンプル。下茹でした筍に油と砂糖と醤油をからめて悶えさせ、甘辛く真っ茶色に仕上げる。濃油赤醤(油たっぷりの甘くて濃厚な味わい)を特徴とする上海料理の王道を行くひと皿だ。

油燜筍 油焖笋
yóumènsǔnてらてらぬらぬらとろり。シュクッとし

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おうちで中華 - 韮菜炒薄荷(ニラとミントの炒めもの)

おうちで中華 - 韮菜炒薄荷(ニラとミントの炒めもの)

今日の料理は、かつて雲南省を旅したときに知った韮菜炒薄荷(ニラとミントの炒めもの)。Twitterに載せたらわずか数日で3000を超えるいいねを頂いたので、早めにレシピ化してみた。

ニラとミント!? 誰もがそう思う意外な組み合わせが、大きな反響の理由だろう。僕だって、十数年前に初めて食べたときはびっくりした。

より大きな驚きは、これがまた実に旨かったことだ。味の濃いニラにミントの香りがこんなに

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