マガジンのカバー画像

魂の詩集

6
自分が読んで、魂が震えるほどの感動をおぼえた詩を、まとめてみました。
運営しているクリエイター

2020年9月の記事一覧

短歌039

煮込んだりせずともほろほろ崩れてくことが生きてくこととつぶやき

あの小鳥みたいに体震わせてあふれる珠を振り落とせたら

走るのをやめて左の青いバトン放す自ら荒い呼吸で

美しく綺麗で特別そんなもの探し始めたときから瞳は

ポケットにひっそりつめてきた青いチョークで道に丸を描いてく

ミュトスの雨<神へ捧げるソネット>#5

ミュトスの雨<神へ捧げるソネット>#5

佐佐木 政治

神よ 同時に二つの場所で ぼくらの存在は成立しない
無数の空席はあるけれど 同じ時間の中でだれもがひとりぼっちだ
そしていつもたったひとつの場所で ぼくらはかけがえのないものと交わる
孤独が至高の高みに押し上げられ すべての煩悩を焼き払うように

もっとみる