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【エッセイ】  雲を掴む


何もない時

心の中に何もない時

それは心地よいのか

それとも少し不安になる?


小さな悩みがあることに意外にも安心していたりもするもので

何も悩むことがなくなった時は、ついつい小さな悩みを探してしまう

それはなぜだろう



悩みたい自分


人の悩みを背負い込む人

そんな人は、自分の悩みに向き合いたくない人
そんな現象を人生のどこかで目にしてして来た

人生の悩みなんてものは誰しもがない方が良いと思っているはずなのに
ついつい小さなことで悩んでしまうのは、私はどこかで望んでいるからと思う時がある

悩むことには、目的がある
私はいつからかそんな風に思うようになった


何一つ悩みもなく、晴れ渡った空が広がる日でも
どうしてか、元気が出ない時もある

何があった訳でもなく
何がない訳でもないのに
どうしてだろうか、元気が出ない
そんな日もある


欲求もなければ


最近あることを思い出した

前職に勤めていた時に9年間
ある先輩に嫌われ続けていた日々のこと

前職を去る時は、改めて自分に
ー9年間、大変よく嫌われましたと
そう呟くほどに

何かをした訳でもなく
その人にとっては私は下の存在だと認定され、ただただ威圧しやすかったと言うだけのこと

権威主義だった、その先輩は弱き者に強くでて
権力のある者には、手を擦り擦り寄っていた

私は、その人に前職を去る9年間嫌われ続けたのだけど
そのことで9年間一度だって悩むことはなかった

なぜなら、先がないから

ーああ、私は9年間嫌われ続けたけど、仲良くなんてなることはさらさらないとそう思っていたからこそ共存して来れたのだな

前職を去るときに、そんな事をとしみじみと思ったのだ

度々見せる先輩の嫌な態度も
あの時の私にとってはそれは先輩の問題であり、自分の問題ではないとどこかで腹を括っていたのかもしれない

人に嫌われること

それは、居心地が悪いことかもしれない
それでも、人はどうにかしようと思わない限りは悩むことはないのだと言うことを知ったのだ

先輩の行動は私にとってそれは真実ではなかったからこそ
悩むことがなかった
ただ、それだけのことだと


殺伐とした言葉にならない悩みの正体


ーなんとかしたいことがあるのかもしれない

ーそれは、言葉になっていない
何かもっと大きなテーマのようなものかも

なんとなく浮かない日にはこんな風に思う


人生の時間は、知らぬ間に過ぎ去って行って

自分の中の『本当は』と言う気持ちを置き去りにして進んで行く

今までがそうだった様に
これからのそうなのかもしれないと、どこかで不安になるのだ

どうする事も出来ない出生した地への違和感を覚えながら
私は、今も自分の居場所を探している様な気がする

子供頃からずっと思って来たこと

ーなぜだろう、自分の生きる場所はここではない様な気がする
と言うそんな違和感

当たり前のように衣食住ができるこの地に生まれ育ち
なぜか、それでも自分の求めているものがそんなものじゃない気がして
時々、こうして人生が終わっていくのか…と少しため息が出るような気がしている

自分のやりたい事も見つかった
自分の生きたい生き方も分かった気がする

でも、自分の居場所が何となくここではない気がしてしまう

電信柱にコンクリートが、少し辛くて
空に張り巡らされた電線が、空を偽物にしてしまっている気がして辛いのだ

ー原始人に生まれて来たかった
ー生まれた時代を間違えた

子供の頃にそう思ったこと
自分の事ながら真髄を突いていると未だに思う

原始人生まれたのなら、今ある悩みのほとんどがきっとなかったはずだろうからと
ずっとそう思って来た

知りすぎることは悲しい
多くを持つことは悲しい

本当は、そんなに多くは必要ないはずなのに

『本当は』と言うまだ言葉になっていない何が確かにここにあるからこそ
私はそれをどうにかしたくて
何一つ不自由のなく、それでいて気持ちが浮かない日を過ごすのだ

『本当は』

そんなモヤが少しづつ言葉になる日を待ちながら



akaiki×shiroimi

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