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with グリーフ⑪「父親が死んだ日:1/2」

ごきげんよう🍒アカチェリーナ4世です🤙🏻👈🏻

前回のコメント欄の不思議体験
とても興味深くて
不思議体験を集めたマガジンをやる
妄想をしてしまった位でした😆(やらないんだけど)
ありがとう〜〜〜✨



では本編へ


6月4日
母親からスマホに

「父、危篤
このメッセージを見たらすぐに病院に向かってください」

と一報が来ていました



私は学校を早退して
地下鉄に乗りながら
涙をこらえてました

一刻も早く父親の所に運んでほしいと
思う一方で
今乗っているこの地下鉄が
私をとんでもない所に運ぼうとしている
恐怖も感じていました


私が病室に駆け付けた時
父親はずっと大部屋だったのに
個室にいました

寝たきりでも
死ぬ時だけは病院も手をかけてくれるんだね

部屋の中心に父親が寝ていて
医者が心臓マッサージをしていて

ピーーーーーー

という音だけが部屋中に響いていて

病室はシーンとしていました


同居していた親族が2人すでに病室内にいて
母親はまだ来ていませんでした

危篤になった理由は
「脳幹梗塞」
だと言われました

脳 梗塞
ではなく
脳幹 梗塞

人間の脳っておサルだった時の
原始的な脳の周りに色んな脳が進化して
くっついてるんだって話あって
その、原始的な脳が脳幹
なんだって

ざっくりとした脳🧠の図

父親は昨夜の夜中に
脳幹梗塞になったらしいのですが
朝まで生きていたらしい

「普通、脳幹梗塞になったら即死するんですが
朝まで生きてらっしゃったのはすごいですよ」
とも言われました

それって昨日見た夢の時間くらいだったのかな?
やるね親父、さすがだね



最後に会いに行ったのは1カ月前でしたが
急にそんな風になるなんて信じられませんでした

私はなぜだか違和感を覚えました
それ、ベッドを空けるために
長期入院患者を『ステっちまう』やつじゃないよね???

ベッドを空けるために
長期入院で死にそうにない患者に
(死の)点滴して…ってやつ

と、その頃たまたま雑誌で見た
看護師のマル秘体験エピソード
をゴリゴリに思い出してました

(この話によると「ステる=死ぬ」
っていう看護師の隠語らしい)


もう死んでるのに
医者が心臓マッサージをしてて
それもなんか演技がかっててやだな
って思ったんですよね

看護師さんが私に
「お医者さんが40分も
心臓マッサージしてくださっているんですよ」
と言ってきました

なんだか知らんが
全部が演技がかってる!
命をもてあそぶな!

40分心臓マッサージして
ピー状態なら
それもう死んでるだろ


と、なぜだか他人の行動・言動
全てのことにイラ立ち
まともに反応もせず
とにかく父親のもとに近寄りました

死んだ時の
ピーって音がずっとしてる中
医者が形式上決まった時間分
心臓マッサージしてるって訳

「私は、蘇生を試みました
見殺しにはしませんでしたよ」
ってことかな

で医者が満足そうに心臓マッサージを終えて
自分の高そうな腕時計を見て
「何時何分ご臨終です」


って言った時に
一回もお見舞いにも来たことないくせに
危篤と聞いて出ばってきた同居の親族が


自分がこの家の代表者です
と言わんばかりに前に出てきて

「ありがとうございました」
って言って頭下げてたんですよ

私はそれを見て
「ハァ?」
って思ってました

それ、ドラマかなんかで見て
そうやって言うもんだって程度の知識で
言ってるだけだろ?感謝なんかしてないだろ?
そもそも父親のことなんていまいちピンときてないだろ

「ちゃんとした大人に見られたい」
ってパフォーマンスでやってるの見え見えでした
なんならこの場で一番の部外者でした
こんな時まで自己主張オツ

父親になんもしてないじゃん
それどころか父親が動けなくなった時
率先して笑ってバカにしてたよな?

就職する時に
新人は田舎に転勤が絶対ある
ってのを回避したくて
「介護しないといけない」
って会社に嘘ついて父親を利用して

札幌にとどまって
新人だとまず配属されないような
都心の楽でいい所に配属されてたよな

一回も介護なんてしてないし
お見舞いさえも来てないのに
父親を利用するだけ利用して…
こんな時まで自己主張の道具にして…
図々しい奴

って思いました
(つい口悪くなってごめん~
私はこいつのことが世界で一番大嫌いなの
どんな人間でもこいつ以上に嫌いになることはない
と自信を持って言えるレベル)


今まで父親のお世話をしてきたのは
母親であって
お前(親族)では決してない


父親と最後に写真を撮ったすぐ後に
元結核病院は廃院になってしまって

父親は1〜2.5カ月ごとに病院をたらいまわしにされて
この病院が3カ所目?くらいだったので
この病院の医師に何の愛着もないし

尿管・おむつ・胃ろうの
寝たきり3点セットの患者が
転院してきたところで
先生やることなかったろうし

1〜2.5カ月置いといてくれたら
また別の病院に転院させてくださいね
って感じだったので

私は母親に付き添って
父親のお見舞いもよく行っていたのと
状況を逐一母親に聞いていて
ある程度知っていたので

この病院が父親に対して
特に何もしてくれていなかったことは
知っていました



父親は
パーキンソン病の薬で脳がおかしくなって
別に悪いところないのに寝たきりになってたんだけど

それで急に脳幹梗塞になるってドユコト?

まぁ、寝たきりで何年もいたし
そういう病気にいつなっても
おかしくないかなって気持ちはあるけど…


しかも解剖もしないって…

死亡原因を調べないって
どういうこと?

そもそも
レントゲンとか撮ったわけでもないのに
脳幹梗塞ってなんで分かるの????

もし撮ってたとしたら
なんで家族に見してくれないの?

ナンデー?????


説明が…まるでない
なさすぎる…

私の脳🧠もピーした



やっぱ看護師がトイレで

「○号室のアカチェリーナ父さん
早くステっちまえよ~ベッド空きねーんだって」

「なんかもうすぐ(死の)点滴するらしいよ~」

なんて会話してたんじゃないの……?
(本当に私の妄想かどうか判別つかない所が
なんか怖いんだよ…)


すでに病院に対して不信感モリモリだったのが

このことがきっかけで
私は『病院』というものに基本不信感
って感じになりました

その不信感のおかげで
卵巣捻転の時に
H病院という満足のいく病院に
たどり着けたのかなと思います

すでに懐かしい…


お医者さんはご臨終ですって言ってから
聴診器で胸の音を聞いて
看護師とちょっと会話して
すぐ出ていきました

すごく事務的

お医者さんと看護師さんがいなくなって
遺族だけになった部屋で

定期的に
ピーーーーーー
って音が鳴って
うるさい

ほらお前の父親死んでるぞ
ってアピールされてるみたいで
腹が立ってきた


止めてけよ

ボタンを押すと一時的に止まるけど
またピーになる




医者達が出ていく時に
母親が丁度駆け込んで来て
死んでる父親を見た瞬間の

母親のあの表情
忘れられない



何百メートルも上の
すごく高いところから
本当に大切なものを誤って落としてしまって
もう二度と戻ってこない
その瞬間に人間がするんであろう表情に近いと思う

大切なものを永遠に失った
その瞬間人は
びっくりしたような感情と
絶望が入り混じったような
複雑な表情をするんだなぁと知った


父親の死に目に
間に合った人は
誰もいなかった

皆ピーーーーーーからだった
(ピーからって)

私は父親を無視してたから
ここで十年近いぶりに
父親に声をかけて
父親の手に触ってみました

昔、親子マラソンの時に
つないだ
あのキャッチャーミットみたいだった手を
すごく久しぶりに


父親の手は死にたてほやほやで
(死にたてほやほやっ
て何)
まだあったかかったです

何にもしないでずっと寝てたからか
すごくすべすべになってて
なんだか違う人の手みたいになってました


人の手には
その人の人生があらわれる
もんなんだなぁ


昔の父親はゴリゴリの現場仕事で
日焼けしてて大きな手だったのに

今はすべすべで筋肉も落ちて
長く入院してきた人の手になった

私の手はどんな手になったかな?
自分では分からないもんだよね
私はこれから先、どんな手になりたいかな
(これは今この文章を書いてる私自身の気持ち)


いつの間にか戻ってきた看護師さんが
後ろで泣いてました
優しい看護師さんだなと思いました


でもその後は
父親にどうしても触れませんでした

死んだ人間の
冷たい温度っていうのを
一度経験してしまったら
ずっと忘れられなくなってしまいそう
と思って、なんか怖かったんですよね…



*********巻末CM**********
「爪がきれいだね」って言われたことならある
アカチェリーナ4世ですが

真面目な面もあってですね
普段はシンガーソングライターとして
『辛い気持ちを口にだして伝えていくことで
皆で自分の辛い気持ちを言えるようになろう』と
いうメッセージを発信しています

公式HPにたくさん自分の気持ちを載せているので
見に行ってみよう

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