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貧困問題「ビジネス」で新たな解決へ

私が心に抱いている、教育の環境に恵まれていない人たちへの可能性。

生まれた環境に恵まれず、色んなことに踏み出せない逆境にいる人たちのために将来力になりたくアウトプットしながら考えています。

今回は貧困問題をビジネスで解決する上で大切なことと、その課題について書いていこうと思います!

ビジネスで解決しようとしたら、利害関係も出てくるし貧困層がターゲットって厳しいのでは、、?と思っている人も多いと思いますが、そう考えている方はぜひご一読していただきたい内容です。では本題に入ります!

BoPビジネスとは?

BoPビジネス」とは、主に発展途上国の、収入の低い貧困層をターゲットとしたビジネスモデルのこと。Base of the Pyramid(ピラミッドの底辺)の略語からBOPが来ています。一般的には、一人当たり年間3,000ドル、一日当たりにして8ドル以下の所得で生活している人を指すことが多いです。

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なんと、この層で生活している人々の数は、世界人口の7割。現在40憶人もの人がいると言われています。

企業がこの層を対象に物やサービスを売って儲けるわけですが、同時に商品を手に入るようになると、低所得層の人々の生活も改善されるというわけです。

企業は利益を上げることができる、新たな市場を開拓できる、SDGsの取り組みの一環として貢献できるなど、企業側にメリットがあるだけでなく、低所得者の人たちにも発展途上国の課題(水、保健衛生、生活インフラなど)の現地の問題が改善される、人材育成、生活の自立、能力開発などの向上が期待されます。

今でも世界人口の7割がこの層にいるわけですが、2050年になると85%まで増えると言われています。現地の人のニーズがこれからさらに増えていくことが予想されます。

実際にBoPビジネスを行っている企業

では、実際どのような企業がどんなことを利益にして、かつ相手のメリットにもなるビジネスをしているのでしょうか。

殺虫剤で有名なフマキラー株式会社は、インドネシアでの事業展開において、「ホールピラミッドモデル」と呼ばれるビジネスモデルで成功を収めています。これは、BoP層に対して蚊取り線香を1巻ずつ販売し、ミドルの所得階層には液体蚊取りや電気蚊取りマットといったランクの高い商品を販売することで全体の利益を上げるというモデルです。

また、消費財で有名なユニリーバでは、インドの農村地域に使い切りの石鹸を販売するビジネスで成功しています。インドの農村部では石鹸で手を洗う習慣がなく、衛生環境が悪いため、下痢によって死んでしまう人も多くいました。

そのため、現地の女性を中心に衛生教育セミナーを開催したり、彼女らを販売員として雇ったりしていきました。これにより、女性の雇用が生まれ、女性の自立や社会進出が促進されました。この石鹸販売の戦略により、ユニリーバに莫大な利益をもたらしただけでなく、ビジネスと社会貢献に大きく寄与したのです。

BoPビジネスをする上で大切なこと

これまでも、慈善活動などで途上国支援はしてきた企業は多いのは事実ですが、慈善活動とBOPビジネスの最大の違いは何でしょうか?

それは、「利益を通じた持続性確保」という点です。ここでいう慈善活動とは、つまりボランティアのこと。発展途上国でボランティアをするとなると、援助する側(先進国側)の善意とお金で成り立ちます。その都度お金や人を集め、その活動がずっと継続できる保障はありません。

事実、私がイタリアに行ったボランティアも今では募集を取りやめていました。詳しい理由は分かりませんが、現地の人たちがその後どのように暮らしているのか、支援の必要はもうないのか、全く未知の世界になってしまったのです。

しかしビジネスであれば、商品を販売を通じて継続することができます。ビジネスとして利益が出ている限りは、支援者の善意があるかないかに関わらず持続性を確保できるわけです。

持続性をつくるには、お互いの信頼関係がないといけません。BOPのポイントは「企業と貧困層のWin-Win関係」であるわけです。

BoPビジネスの課題は?

お互いにとってメリットが多く感じるBoPビジネスですが、課題は多く残されています。商品に対しての価格設定が不適切だったり、インフラの対応不足が起きたり、信頼性の問題だったりすること。

また、低所得者であるだけで不利益を被る「BoPペナルティー」と呼ばれる罰則があります。

これは、低所得者ほど生活コストが高いという意味です。例えばバングラデシュの首都ダッカにいる人と、農村部に住んでいる人を考えると、同じものを買おうとしたときに、首都にいる人は歩いて、あるいは安い公共バスに乗ってスーパーマーケットに行き、豊富な品揃えの中から最新の製品を買うことができます。

これに対して、交通の便の悪い農村に住んでいる人は、まず村では買えないので乗り合いタクシーなどに乗って近くの町まで出かけなければなりません。

この段階ですでに交通費と、往復の時間を余計払わなければなりません。つまり、低所得者ほどさんざん苦労して高いお金を払って、品質の悪いものしか買えない、ということになるのです。

まとめ

あくまで「ビジネス」なので最終的に利益を出さなくてはいけませんが、BoP層は将来的には大きく成長していく層だということが分かりました。

成功している企業があるものの、未だ課題は多くあります。

どこまで包括的に支援をビジネスで展開できるか、これからも注目していきたい話題でした。

お読みいただきありがとうございました!





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