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激揺れの車内で、頭ゴンゴンぶつけ、むち打ちになる大統領!?

2004年、アフガニスタン・カブール。大統領を乗せた車両は、ハンヴィーに先導され、ものすごい動きをした。ブォォーンッと急発進、キキィーッと急ブレーキ、そして、いきなり右へ!左へ!ジグザグ走行。

乗っていたのは、この人。当時のハミド・カルザイ暫定大統領だ。あの揺れ方なら、グリップを必死に握りながら、頭ゴッツンゴッツン車内にぶつけ、むち打ちになってたに違いない。いやあ、あれは、一国の大統領の車の走り方ではない。

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彼にインタビューした際のことについては、ぜひ過去記事を↓

大統領車両が「ジグザグ走行」する理由


ここはカブール中心部にある、広場。アフガニスタン国軍の軍事パレードに出席したカルザイ大統領が帰る時の様子が、これだ。

米国主導の国づくりが始まって数年、全国各地の治安もままならないどころか、首都でもテロがなくならない。

そんな治安状況の中、タリバンなどの攻撃を避けるために、大統領を乗せた車両は、あんな動きをしたのだ。一定のスピードで走るとロケット砲で狙いやすい。予測しにくく、弾が当たりにくい走り方が、あれだったのだ。

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国民に銃口を向けるということ


先導車の上にいるのはアメリカの警備会社の人だろうか。銃口を常に群衆、いや、国軍の兵士もいる方向に向けていることが、衝撃的だった。

国の祝賀行事で、人民に銃口を向け続けなければならない。・・・この体制はどれだけ危ういんだろうと思った。

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士気のない国軍を米兵が警戒


上の写真は、パレードを見る国軍兵士、そして警備にあたるアメリカ兵。国軍兵士らは、ダラっとして全く士気や規律を感じない。今回のタリバンのカブール占領がなぜこんなに速いスピードで行われたのか、各地で国軍が戦わずして投降したというニュースを聞いた時、私は彼らを思い出したのだった。

そして、米兵の銃口は、常に兵士の方向を向いていた。

街を行く装甲車も、全方向を警戒

そして下の写真は、カブール市内を走るISAF(アイサフ・国際治安支援部隊)の車両だ。NATO軍主体の部隊で、これは車両につけられた国旗を見るとイギリス軍車両だろうか。直接カメラを向けることは危険なので車内からこっそり撮った。車両の上の兵士は、前後左右に銃座をまわし、常に警戒している。

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恐怖に怯える占領軍


日本の終戦直後、進駐軍の車両が走り回る東京はこんな感じだったのだろうかと当時思ったが、ここカブールでは、米軍にしろ、ISAFにしろ、占領している軍隊なのに、なぜか絶対的に強い存在には感じなかったのを覚えている。

大統領専用車をジグザグ走行させ、国民に銃口を向け続ける。国軍に銃を向け警備する。首都のど真ん中をちょっと走るだけで、前後左右銃口を振り回しながら、警戒する。

常に恐怖に怯え続ける占領軍。

この体制は、この時からずっと、危うかったのかもしれないと思った。

AJ

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