「庵治石細目 松原等石材店」3代目・森重裕二

「ひとっさん」に弟子入りし、日々がんばっている修行の様子と共に、庵治産地の魅力をお伝え…

「庵治石細目 松原等石材店」3代目・森重裕二

「ひとっさん」に弟子入りし、日々がんばっている修行の様子と共に、庵治産地の魅力をお伝えします。大丁場の庵治石細目で日々お墓さんを作らせていただいてます。

最近の記事

「お参りしてもらう」ってことを”引き受ける”ことの価値について。

最近、お墓さんの話題の中に、「次の代の子どもたちにとって負担だから…」とお墓さんを片付けてしまう…ってことが話題になることがあります。「わざわざ参ってもらわなくても大丈夫。」、「形を残さない方が子どもたちの負担にならなくていい。」などの話を聞くこともあります。 確かに、最近は、みんなが同じ場所で暮らし続けていく…という文化ではなくなってきていることも事実。自分たちは何とか管理することができるけれど、その後の代では管理が大変になる…ってことが予想されることもあって、片付けてし

    • 「お参り」の習慣が、ずっと子どもを支え続けてくれる”つながり”を作る。

      毎朝、息子と氏神様とお墓さんにお参りに行くようになって、息子の姿を見ていて子どもにとって、お参りの習慣は間違いなくいいのものだと感じるようになりました。たぶんすぐに結果が出るものではありませんが、おそらく間違いなく大切な視点だと思っています。 そんなことを思うようになってからも、ずっと息子とお参りを続けてきて、最近感じるようになったのが、「お参り」の習慣が、子どもを支える”つながり”を作る…ということ。 そんなことを感じるようになったのは、息子が寝坊してしまってお参りに行

      • 大切な方を亡くした友人から教えてもらったこと。

        以前の職場の同僚が、突然うちに遊びに来てくれました。何があったのかな…と思ったけれど、うちの家族と一緒に夕食を食べて、子どもたちが寝静まった後、庭で焚火を囲んでお酒を酌み交わしていました。 すると、その同僚は、おもむろに「お墓って大切ですよね。」って話をし始めました。ボクは全く予想していなかった話にかなり戸惑いました。…というのも、その同僚は以前に実家のお墓さんを片付けてほしい…と依頼してきたことがあったからです。お寺の永代供養の方にお願いするので…ということだったのですが

        • 「お参り」の習慣が「『思うようにいかないこと』を受け入れる力」を育てる。

          「朝参り」でずっとずっとお願いしていたことが叶わず….号泣した息子。「お参りに行ったって、願いが叶わない!」、「もうお参りには行かない。」としばらく休んでいました。 ですが、数日経って、またお参りを始めました。つらいことがあったけど、もう一度お参りを始めた彼の心意気を見ながら、いろいろ考えさせられています。 お願いしても無駄だと思っただろうな…と、もうお参りには行かないかな…と思っていたのですが…。そんな彼を見ていて、もしかしたら”自分が願ってることが叶うこと”だけが全て

        「お参りしてもらう」ってことを”引き受ける”ことの価値について。

          石を大切にする「ノビ」という考え方。

          石屋になって、初めて出会ったことで、本当に素敵だと思った考え方の1つが「ノビ」。そこには、石を大切にする気持ちや、自然のものが完璧じゃないという気持ちがたっぷり詰まっていると思っています。では、この「ノビ」っていうのは何か? 簡単にいうと「元々の大きさより少し大きめに作る。」ということ。 それは、「ちょっとサービスで大きめにしておきますね!」ってことではありません。結果的には、注文いただいた大きさより少し大きめでお届けすることになるのですが、そこには先人が石を大切に扱って

          石を大切にする「ノビ」という考え方。

          朝のお参りと「オロナミンC」。

          長男が毎日、朝参りに行くようになって、もう半年が過ぎました。我が子ながら、「小さいのに本当によくがんばるな…」と感心することもありますが、もしかしたら、ここ数年続けている自分に比べたら、彼にとってはもう完全に当たり前の習慣になっているのかもな…とも思っています。 そんな長男の姿を見ていた小学校3年生の次男が1ヶ月ほど前から「ボクも朝、お参りに行く!」と言い始めました。やっぱりお兄ちゃんがやっているのを見ると、やりたくなるみたいです。おもしろいです。 そうは言うものの、いざ

          ”職人に受け継がれていること”こそが「庵治石」の魅力。

          「『庵治石』の特徴がどんなものなのか?」、「『庵治石』はなぜ風化に強いのか?」などを調べるために、いろんな職人さんに話を聞きに行っていたことがありました。もう数年間、いろんな方に話を伺ったり、自分なりに調べたりして、自分の中でやっとすーっと考えがまとまったものができたことが、このnoteを始めるきっかけになりました。  この記事は、石の特徴や石をどう見るか…ということでまとめていたのですが、実はそのことを調べている時に、ある職人さんから「『庵治石』の良さは、石だけではない。

          ”職人に受け継がれていること”こそが「庵治石」の魅力。

          ボクが「『庵治石』の”お墓さん”には温度がある。」と感じている理由。

          ボクがひとっさんに弟子入りを懇願して石屋になってまもなく、「庵治石」に関わるようになってすぐに不思議なくらいスーッと入ってきた感覚が「『庵治石』の”お墓さん”には温度がある。」ということ。石屋になって5年経った今、この感覚は確信に変わっています。 『庵治石』には温度…って、どういうこと?この「温度がある。」というのは、実際の温度のことではありません。初めは、感覚で感じていて、何かうまく言葉にできなかったのですが、不思議な『温かさ』がある…という意味です。 おそらく、これを

          ボクが「『庵治石』の”お墓さん”には温度がある。」と感じている理由。

          自分自身の変化から感じる「お参り」の効用。

          ここ数年、毎日の「朝参り」を続けています。「朝参り」では、「氏神さま」と「お墓さん」にお参りにいくようにしています。きっかけは、だいぶ年下の先輩が「毎日お墓参りをしている。」という話をしてくれたことと、知り合った方に「お墓参りをするといいことがある。」という考えがあることを教えていただいたことです。 その話を聞いて、「自分自身がお墓を作る仕事をさせてもらっている以上、自分自身もしっかり「お墓参り」をしよう!」と思ったのと、本当にいいことがあるかどうかはやってみないと分からな

          自分自身の変化から感じる「お参り」の効用。

          「お参り」の習慣が、この先に子どもが経験するだろう”悲しいできごと”から子どもを守る。

          最近、「グリーフケア」という考え方に出会いました。この考え方に出会って以来、これまで見えていなかったことがたくさんあったことに気づき、大きく考え方が変わりました。 「グリーフケア」とは?「グリーフケア」の「グリーフ」とは何か?というと、一般社団法人リヴオンさんのサイトに分かりやすい説明があったので引用させていただきます。 ”大切な人、ものなどを失う”ってこと、とりわけ誰かが亡くなってしまう…ということは、本当に悲しいことで、時には全く整理のつかないことだったり、向き合うこ

          「お参り」の習慣が、この先に子どもが経験するだろう”悲しいできごと”から子どもを守る。

          「お参り」の習慣は、子どもを支える最強のサポーターになる!

          うちの息子は、腰の怪我で半年の運動禁止を余儀なくされて以来、もう完治した今も、毎朝「氏神様」と「お墓さん」へのお参りを続けています。ボクは今、庵治石でお墓さんを作る仕事をさせていていますが、それまでは約20年ほど小学校教諭をしていました。その間、心理学なども一生懸命に学んできました。そんなボクが「朝参り」に行くようになった息子の変化を見ていて、今確信をもって言えることがあります。 それは… 「お参り」の習慣が、子どもを支える最強のサポーターになる。 ということ。 これ

          「お参り」の習慣は、子どもを支える最強のサポーターになる!

          ずっと「朝参り」を続けている息子が思っていること。

          長男は大きな怪我をしたことをきっかけに、毎日の「朝参り」に一緒に行っています。怪我が治るように…とお願いするためにスタートしたのですが、怪我が治った今も彼はお参りを続けています。彼が一体どんな風に思ってお参りをしているか、どんな風に感じているか…について、息子本人に思いを聞いてみました。 Q:なぜお参りをすることにしたのですか?  怪我する前もちょこちょこお墓参りには行ってたけれど、怪我をしてしまって、「治さないとやばい…。」と思いました。お参りをすれば、神様にお願いした

          ずっと「朝参り」を続けている息子が思っていること。

          「『庵治石』はもう採れない。」という噂の本当の話。

          いきなり結論をお伝えしますが、噂は間違いで「庵治石」はたっぷりあります。 庵治石についてまとめた本に以下の記述があります。 何千年…っていうのは、ちょっとボクは分からないのですが、大丁場や石置き場にある石を見て、目で確認できる範囲で考えても、ボクらが生きている間の分は十分あります。つまり、噂は間違いです。でも、噂があるのは事実。ではなぜ「『庵治石』はもう採れない。」という噂があるのか…ということを少し考えてみたいと思います。 かつて「庵治石」は入手困難な石だった!?”ひ

          「『庵治石』はもう採れない。」という噂の本当の話。

          毎朝の「お墓参り」を続けて分かってきたこと。

          尊敬する先輩との出会いボクが石屋になって1年が経った頃、尊敬する先輩に出会いました。その先輩は、本当に「お墓さん」を大切にしていること、そして毎日「お墓参り」に行っている…ということを教えてくれました。実はその先輩は、年齢はボクの半分より下だけど…。心の底から「本当にすごいな…。」と思いました。この先輩と出会って以来、「『お墓さん』を作る仕事をするようになったボク自身がどれだけ『お墓さん』を大切に思えているだろう?」ってことに向き合うようになりました。 毎日の「朝参り」をス

          毎朝の「お墓参り」を続けて分かってきたこと。

          「石は自然のもの。練って作るものじゃない。」という”ひとっさん”の言葉から「完璧な石」について考える。

          「庵治石」を愛する親方に弟子入りをして5年。結婚してすぐ、滋賀に住んでいたボクら夫婦に長男ができたことが分かって、香川高松に里帰り出産をすることになった妻。そんな妻に会うために、ボクは週末ごとに香川に通っていました。四国が大好きで、うどんが大好きだったボクは、この毎週末の香川を楽しみにしていました。そして、もう1つの楽しみが今の親方で妻の父親である”ひとっさん”と飲むことでした。香川に来る度に、”ひとっさん”としこたまビールを飲み、いろんな話をさせてもらいました。 ボクの師

          「石は自然のもの。練って作るものじゃない。」という”ひとっさん”の言葉から「完璧な石」について考える。

          怪我をしてから毎日続けた「朝参り」で長男が得たもの。

          長男への突然の「運動禁止」宣告半年ほど前、バスケットボールが大好きな4年生の長男の試合を応援に行くと、結構活躍していて、親バカだけど「がんばってる!」ってウキウキして応援していました。しかし、2試合目に入った途端、急激に動きが悪くなり、しばらくすると動けなくなってしまいました。 試合が終わってすぐに病院に連れて行き、診断をしてもらい、数日後CTの結果等を合わせて出た結果が「疲労骨折」。体育が生きがいの彼にとって、本当に厳しい運動禁止の生活が始まってしまいました。その期間は3

          怪我をしてから毎日続けた「朝参り」で長男が得たもの。