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怪我をしてから毎日続けた「朝参り」で長男が得たもの。

長男への突然の「運動禁止」宣告

半年ほど前、バスケットボールが大好きな4年生の長男の試合を応援に行くと、結構活躍していて、親バカだけど「がんばってる!」ってウキウキして応援していました。しかし、2試合目に入った途端、急激に動きが悪くなり、しばらくすると動けなくなってしまいました。

試合が終わってすぐに病院に連れて行き、診断をしてもらい、数日後CTの結果等を合わせて出た結果が「疲労骨折」。体育が生きがいの彼にとって、本当に厳しい運動禁止の生活が始まってしまいました。その期間は3ヶ月。本当につらい時間でした。


そして、3ヶ月後。「3ヶ月も休んだら、絶対治るだろう…。」と家族全員が鷹を括っていました。厳しい時間だったけど、治ったらこうしよう、ああしようと、復活後の生活の話なんかで盛り上がるくらい…。だけど、3ヶ月後の検査結果は、

「前よりも悪くなっている…。」

というものでした。家族全員、崖から突き落とされたような気持ちになってしまったのでした。

3ヶ月すればなんとかなる…と思っていた息子は号泣。同じように大丈夫だろう…と思っていた家族も混乱…。悪夢のようでした。そんな時、号泣していた息子が一言。

「おとうと一緒に朝にお参りに行く。」

と言ったのです。正直びっくりしました。ボクが毎朝、氏神様とお墓さんにお参りに行っていたことを知っていた彼が、突然一緒に行く…と言い出したのです。確かに、ちょくちょく行ってたお墓参りの時に「ご先祖様が見守ってくれてるから、お願い事もしたらいい。」ってことを話していて、事あるごとに彼は、怪我が治るように…とお願いをしにお参りに行っていたのでした。今の彼を支えるものになるのであれば…と思って、一緒に行くことにしました。

3ヶ月間、毎朝続けた「朝参り」

翌朝から、毎朝6時に、氏神様の神社にお参りとお墓参りに行くことにしました。これまでからお参りに行っていたものの、初めは、お参りの手順が分からなかったり、マッチで火がつけられなかったり…。最初は不慣れだったけど、手順を覚えて、しっかりとお参りするまでにそう時間はかかりませんでした。


我が子ながら感心するくらい、暑い日も、寒い日も、「朝参り」を続けました。ボクが早朝から県外への出張などで連れて行けない日があると、「お母さん、行ける?」と聞いたり、「神棚にお参りしとくわ。」と言ったりと、お参りすることが彼にとって間違いなく”習慣”になっていることを感じました。

3ヶ月間、毎朝続けた彼が得たものは?

3ヶ月、毎朝続けた結果、診断は、

「90%治っている。徐々に運動に復帰してOK。」

というものでした。本人も、ボクも涙が止まりませんでした。家族全員、本当に喜び合い、涙を流しながら久々に心から笑い合えた瞬間でした。本当に長い道のりでした。その診断を受けた彼は、

「お礼に行かないと…」

と言い、夕方、一緒に氏神様とお墓さんに「お礼参り」に行きました。

そして今、完治した彼は、毎日ではないものの、朝や週末に自分から進んで、

「お参りに行くわ。」

と手を合わせに行くようになりました。彼の姿を見ていて、彼がこの3ヶ月で得たものは一体なんだろう?ってことを考えています。

氏神様やお墓さんは、「”お願い事”をするところではない。」という意見を聞くことがありますが、窮地に追い込まれた彼は”藁をもすがる思い”で「朝参り」を続けました。そして、今、3ヶ月前には持っていなかったものを手にしています。彼は今、”お願い事”がなくてもお参りにいきます。彼の中に「氏神さまやお墓さんをお参りする”習慣”」、そして「見守っていただいていることに”感謝する気持ち”」が確かにある…ってことを感じています。

そして、その2つとともにおそらく彼は「自分はいつも見守ってもらっている。」という感覚を確かに手にしているはずです。おそらくこの3ヶ月で彼が得たものは、これからの人生でとても大きなものになるだろう…と感じています。

庵治石細目「松原等石材店」3代目
森重裕二


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