大切な方を亡くした友人から教えてもらったこと。
以前の職場の同僚が、突然うちに遊びに来てくれました。何があったのかな…と思ったけれど、うちの家族と一緒に夕食を食べて、子どもたちが寝静まった後、庭で焚火を囲んでお酒を酌み交わしていました。
すると、その同僚は、おもむろに「お墓って大切ですよね。」って話をし始めました。ボクは全く予想していなかった話にかなり戸惑いました。…というのも、その同僚は以前に実家のお墓さんを片付けてほしい…と依頼してきたことがあったからです。お寺の永代供養の方にお願いするので…ということだったのですが、その時に「そんなに急いで片付けなくても…」と話をしたのですが、結局はお墓さんを片付けてしまったことがあったからでした。
続きを聞いてみると、本当に大切な身近な方が、最近亡くなってしまった…とのことでした。お家のお仏壇にもお参りに行って、お墓さんの場所を教えてもらって、お参りに行ったんだそうです。その時に、思ったことを話してくれました。
「お墓は、自分たちがそこに入る…とか、家族がお参りをする…ということの他に、周りでその人のことを大切に思う人のためにあるんですね。」
ボクはこの話を聞いて、本当にその通りだな…と思いました。彼は続けて話してくれました。
「お家の方にお参りに行くのは、ちょっと気を使うこともあるけれど、お墓なら自分がいきたい時にそこに会いに行けるし、こっそり行くこともできますしね。」
確かに…と思いました。この話を聞いていて、ボク自身も大切な友人が亡くなってしまった時に、友人のご家族の方が話していたことを思い出しました。
「誰か分からないけど、ちょくちょくお参りに来てくれている人がいるんです。ずっとずっと大切に思ってくれていて、本当にうれしく思っています。」
大切な人を思って、いつでも会いに行ける場所、お参りに行ける場所があるって、本当に大切なことだと思っています。
同僚はちょっとお酒も回ってきてたのか、何度も何度も「お墓は、自分たちだけのためじゃなくて、周りの人のためにあるものなんですよ。」って語ってくれていました。同僚の話を聞いて、お墓さんはやっぱり本当に大切なものだな…ってことを再認識しました。
おそらく、まだショックがあるだろうし、話しにくかったかも知れないのに、そんな話をしてくれて本当にうれしかったし、これからもっともっと心を入れてお墓さんを作っていきたい…と思いました。またこれからしっかり修行がんばっていきたいと思います。
庵治石細目「松原等石材店」 3代目 森重裕二
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