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ぼくには、それしかできないから

頭が痛くない日だった。


寒かったけど、予報は外れて、晴れていた。


引っ越しの準備も、週末に珈琲屋になる準備(ほぼ終わっている)も、進めないといけない。


でも、なにかが限界だった。


だから、海が見えるところへ行った。


頭痛がないおかげで、電車で1時間くらいの遠出はできる。

しばらくのあいだ水を見ないでいると、自分が何かを少しずつ失い続けているような気持ちになる。

村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』p135

村上春樹は、海岸のすぐ近くで生まれ育ったらしい。


ぼくも、そうだった。


だから、だろうか。


引用した部分は、とてもわかる気がした。


水を見ること。


波を見ること。


水平線を見ること。


他には、目の前になにもないこと。


それが、なによりぼくを安心させた。


本も、集中して読めた。


別の場所では、一切頭に入ってこなかったのだけど、海を目の前にしていると、いくらでも集中できる気がした。


キッチンカーが近くにあったので、サンドイッチを注文した。


ボリュームがそれなりにあったとはいえ、腹九分にはなった。


近ごろのぼくは、胃が縮んだ気がする。


間食したわけでもないのに、いつもなら少なめの量で、満腹になることが多くなった。


引っ越しまで、ようやく、あと1ヶ月。


緊張しているんだろうか。


わからない。


エネルギーがいる時期なので、困るのだけど。


あと、帰ったら不正出血があった。


いろいろと、体に問題が起きている。


起きすぎでは。


でも、どうしようもない。今は、頓服の抗不安薬がないと、生活できないくらいだ。


なんとかやっていくしかない。


ぼくには、それしかできないんだから。

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