恥ずかしくってしょうがねえ、の夜に
右の足首が、かぶれている。
と、帰ってから気付いた。
夜遅くに。
虫刺されではないらしかった。
かゆみもほとんどなく、赤みだけがひどい。
けれど、消毒液をこするように塗ると、少しましになった。
そんな、たいしたことないこと。
昨日は、いろんなことがありすぎて、そんな日は、何もなかった日より、なぜか書けなかったりする。
実際に、今のぼくは、何から書こうか、迷っている。
左の足首も、かぶれているような気がして、でもそれは、本当に気のせいだった。
「いろんなことがありすぎて」と、ぼくが書くとき、それは、いろんな人に会って、に等しかった。
目まぐるしくはあるけど、楽しい。
でも、人になじもうとすればするほど、ぼくは、ぼくからかけ離れようとしているみたいだった。
全く以て、変な話なのだけど。
たぶんそれは、人になじもうとするぼくが、無意識に、というより、ほとんど反射的に、取り繕ってしまうからだ。
だって、気が短くて、自分勝手で、暴力的な人間なんて、誰も見たくないだろう。
ぼくは、そんな人間である自分を、表に出したくない。
そんな人間である自分を、見てしまった目が、侮蔑を孕む瞬間を、ぼくが見たくない。
ぼくは、取り繕わないと、誰とも交われないことを、痛感する。
その、誰かと関わる度に。
なんて、面倒な人間なんだろう。
なんて、ひどい人間なんだろう。
ぼくは。
ここしばらく、頭の混乱が収まらない。
せめて、よく眠れるようにならないかな。
ぼくの「せめて」は、人が思うよりずっと、重たいらしい。
生理的欲求を満たしたいだけなのに。
それも出来ないのか。
ああ。
恥ずかしくってしょうがねえ。
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