一日一句【菜根譚】#1 ”朴魯疏狂,歴事之道” 世情に通じているよりも素朴でいるほうがよい
朴魯疏狂,歴事之道
朴魯:素朴で純朴であること。
訳文
要するに、世の中をあまり経験していない人は、悪い習慣に染まる機会が少ないが、経験豊富な人ほど、心の中には巧みな策略が増えてくる。
したがって、品行が正しく、心が広い人になりたいなら、世情に通じているよりも素朴でいるほうがよいし、慎重すぎるよりも、堂々としたほうがよい。
解説
この文章は、社会経験の浅さと深さが人格に及ぼす影響についての考察を示しています。経験が少ない人は悪習に染まりにくいが、経験豊かな人は複雑な策略を心に秘める傾向があるという見解です。この観点から、素朴さを保ち、堂々と振る舞うことが、品行が正しく、心が広い人になるための鍵であると結論づけています。
この考えは、社会の複雑さを理解しながらも、それに流されずに自分の信念を持つことの重要性を強調しています。
現代社会、特にAIや技術の進化がもたらす多様化や複雑化の中で、このバランスを見つけることは非常に重要です。
複雑な社会環境を理解し、それを楽しむ余裕を持つことは、精神的な健康や幸福感を保つ上で役立ちます。同時に、自分の核となる価値観や信念を保ちながら、柔軟に状況に適応する能力も重要です。
このようなバランスの取り方は、個々人の性格や経験によって異なりますが、自己理解と周囲の理解を深めることで、より充実した人生を送ることができるでしょう。
一日一句【菜根譚】#2 “客気下而伸正気·妄心殺而現真心” 内面の真実と外面の虚飾の対比
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?