弁理士ハリママの発明寺子屋®第1話

 ~トイレットペーパーがなくて困っている人を助けるロボット~

株式会社AI Samuraiの取締役CIPO(知的財産最高責任者)、弁理士の播磨(ハリマ) 里江子です。

この新型コロナの影響を受けて、皆さまの日常や仕事にも様々な変化が訪れているのではないでしょうか。

この4月に小学一年生になったばかりの娘を持つワーキングマザー(以下「ワーママ」)としては、保育園や学校、学童、お稽古の先生方、親、このような皆様の協力があってこそ、ワーママとして働けていたのだということを痛感しています。

このnoteでは、主婦や母親としての視点と、弁理士という知的財産専門家としての視点とを掛けあわせることで、発明は難しいことではなく、誰にでも出来るということを説明していきたいと思います。


ワーママ目線×弁理士=発明って誰でも出来る!

買占めでトイレットペーパーが品薄になっていた頃、娘がテレビのニュースを見ながら、「ママ、こんなロボットがいたらいいね。」と自分が描いた絵を見せてくれました。

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トイレットペーパーがなくて困っている人にトイレットペーパーを運んであげるロボット。持っている人がロボットにトイレットペーパーをあげると、笑顔でありがとうと言ってくれるロボット”とのこと。

私は、この絵を見てハッとさせられました。そうなんです。このような状況になった今だからこそ、新たに生まれる『発明』があります。

いつもお手洗いに行けば当たり前に存在していたトイレットペーパー。

新型コロナによってその状況が変わり、新たな困り事が発生しました。

その困り事をなんとか解決したいという誰かの想いによって解決方法が見い出されて行きます。これこそが発明』の原動力です。


発明って誰にでもできる

私は、①「何かが不便で困った」という自身の過去の経験と、②「誰かのために工夫でお手伝いをしたい」という強い気持ちがあれば、年齢や立場に関係なく、誰でも発明をすることが出来ると思っています。

娘のような子どものアイデアも勿論、自分自身の経験を基に工夫によってお手伝いをしたいという気持ちから生まれた立派な発明のひとつであり、『知的財産権』になり得る可能性を秘めているのです。

さて、上記で出てきた『発明』や『知的財産権』という言葉。
自分には関係がないもの、小難しそう、技術者向けのマニアックな世界だろうといつも敬遠されがちなのですが、気付くとこのように、我々の身の回りにも実はたくさんあることをご存知でしょうか?!


私と特許の出会い



私自身が『特許』という言葉を知ったのもちょうど今の娘くらいの年の頃です。

父親に海に連れて行ってもらった際に見つけた海岸沿いに転がっている沢山の大きなコンクリートの塊。

「テトラポットと言う波を消すためのもので、特許が取られているんだよ」と教えてもらったのがきっかけでした。

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そしてこれから

一ヵ月先がどうなっているか予想も出来ないこんなコロナ時代。
娘の発明力に勇気づけられ、私自身もこれを機に、自分の経験を基に誰かのために工夫でお手伝いをしたい、との思いからこのnoteを着手することにしました。
と言っても所詮、ミュージカル好き(特に宝塚)、書道好き(和文化に触れること)、スイーツ巡り好き(特にタルトにうるさい)といった趣味をもつ、平凡なワーママ弁理士に過ぎません。

平凡なイチワーママ弁理士が提供できる新たな何かを、特許庁の『審査基準』に当てはめて考えてみましょう。
この『審査基準』とは、日本特許庁の審査官による特許出願の審査及び実用新案の技術評価が公平妥当に行われるように、特許庁の考え方をまとめた文書です。

審査官は全員人間ですので、一人一人の判断基準がバラバラでは、特許の審査をする上で困りますよね。


この中で、”異なる2つの公知のものを合体させただけでは「先行技術の単なる寄せ集め」であり技術的進歩がない” と判断される可能性が高いことが基準として示されています。これは逆に言うと、公知のもの同士であっても、”組み合わせることにより組み合わせ以上のメリットを示すことが出来れば、特許の可能性がある”と考えることが出来ます。

組み合わせの妙により何らかの付加価値を生み出すことが出来れば、特許の可能性があるということですね。


つまり、異なる2つの公知のもの、すなわち①趣味ネタ(ミュージカル、和文化、スイーツ…)と②知財ネタとを組み合わせることで、組み合わせ以上の付加価値を生み出すことが出来れば良いということ。

この『ワーママ弁理士の発明寺子屋®』では、それを目指して行こうと思います!

日常の経験を基に主婦目線で知的財産をご紹介することにより、皆さまにもっともっと知的財産を身近に感じ、知って頂きたいと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。

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※「発明寺子屋®(商標登録第6183683号)」とは、子ども達の発想力を伸ばし、未来を担う若い世代のイノベーション創出力を高めることを目的とした(株)AI Samuraiの活動です。楽しみながら「発明」や「特許」を学び体験することで素朴な疑問や問題意識をポジティブにとらえ、自らの思いや考えを表現できるような人材を育むことを目的とした取り組みです。
これまで弊社は、「こたえのない学校【発明×探究】ポラリスこどもキャリアスクール(※1)」「子ども発明学教室(※2)」「未来の発明王になろう!~夏のサイエンスキッズ祭り2017~(※3)」などを開催し、いずれも子ども達の活発な学びの場として大きな反響を頂いてきました。
「発明寺子屋」という名称には、江戸時代の寺子屋のように、地域の大人たちが各分野のプロフェッショナルとして協力して学びを支え、一人一人に合わせた指導で子ども達が楽しく生き生き学べる環境を作りたいという思いが込められています。

※1:「こたえのない学校」【発明×探究】ポラリスこどもキャリアスクール8期開催報告
http://kotaenonai.org/blog/report/3416/#more-3416
※2:「子ども発明学教室」実施概要
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000021559.html
※3:未来の発明王になろう!~夏のサイエンスキッズ祭り2017~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000021559.html


執筆者プロフィール

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播磨 里江子 取締役 CIPO
慶應義塾大学理工学部卒・大学院修了(管理工学科)
小学生のときに海岸でテトラポットを見て「特許」を知り、在学中に弁理士資格を取得。
特許事務所及び企業知財部を経て、特許業務法人白坂の役員就任、その後2016年に株式会社AI Samurai(旧ゴールドアイピー)の取締役に就任。弁理士、特定侵害訴訟代理業務付記、東京都医工連携HUB機構APM、日本弁理士会関東支部知財教育支援委員、書道検定七段。
ミュージカル全般をこよなく愛するヅカオタの一人、知財教育および和文化への関心が強い一児の母親でもある。


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