見出し画像

1000億企業を複数輩出した「Yコンビネーター」の概要に迫る

閲覧いただき有難うございます、10日間に渡ってお届けするY Combinatorに関するnoteも今日で4日目。元ウルトラマン隊員CEOの三好真です。Y Combinatorとはシリコンバレーにある有名なスタートアップアクセラレーターであり、2005年より開始したStartupの支援事業も今ではAirbnbやStripe、Twitchなど数多くの有名企業を輩出するに至っております。本日は「Yコンビネーター」の概要について迫っていきたい。

なぜYコンビネーターは注目されているのか

画像1

最も大きい人気の理由は、シンプルに下記実績である。
①2005年に創業して以来、2,000社以上のStartup企業へ支援を行なった
②Y Combinatorは4,000人以上の創業者が集まるコミュニティである
③ユニコーンと言われる時価総額1,000億円企業を15社輩出している
④時価総額100億円企業を93社以上輩出している

YコンビネーターはVCではなくアクセラレーターであり、起業家養成スクールの様な団体である。Startupに関する多様なノウハウを講義で提供し、実際に成功しているとされる実業家を呼んでディスカッションを行ったり、Demo Dayの様に自分のアイデアをプレゼンテーションする場を設けてもらうことができる。

有名な卒業生としては、2009年冬に同組織を卒業したバケーションレンタルサービス「Airbnb」の創業者であるBrian CheskyやJoe Gebbia、Nathan Blecharczykや2009年夏に同組織を卒業したオンライン支払い処理のシステムプロバイダー「Stripe」の生みの親である2人の兄弟のJohn CollisonとPatrick Collisonなどが挙げられる。他にもDropboxやReddit、Coinbase, Docker, Twitch, Flexportなど日本人起業家なら知っていそうな有名企業が並んでいる。

Yコンビネーターでの失敗事例とは

画像2

当然ながらYコンビネーターの卒業生が全員成功するわけではない、成功確率が高いというのは事実である。一方で、失敗したとされる起業家の調達額も飛び抜けている。例えば、その中でも「Airware」というドローンにより撮影した映像を分析するソフトウェア会社を運営していたJonathan Downeyは100億円以上調達するも2018年9月14日に1.18億ドル(約130億円)を溶かし、120人の従業員を残して事業の幕を閉じた。「Airware」は2011年に2人のパイロットによって創業、プログラミングを組み込んだ最初のドローン自動操縦システム会社として有名となった。彼らの事業は屋根のダメージを計算したり、鉱山において採掘可能な原料調査や建設現場において継続的にマップをアップロードするなどであった。彼らを廃業に追い込んだのは競合他社のDJIやEbeeなどが製作したCommercial Drone(大量生産型のドローン)存在である。「Airware」が開発したドローン制御ソフトウェアは高性能すぎるが故にCommercial Droneの様な低性能のドローン規格にはマッチングせず、世の中で普及し続けるハードウェアと自社ソフトウェアの規格がマッチングしないことにより収益性を落としていった事に起因している。

「Airware」の他にも約80億円の累計調達を行った「Meta(ARと神経科学を融合したAR体験アプリ)」や約72億円の累計調達を行った「Homejoy(プロへ家事代行を頼めるプラットフォーム)」、約20億円の累計調達を行った「Bluesmart(リチウムイオン電池搭載のUSB充電可能なスーツケース)」などもある。

どうすればYコンビネーターへ入れるのか

画像3

Yコンビネーターへの参加手段は、年に2回行われる公式サイトからの応募のみである。彼らのビジョンはコネクションがない人でも公募で受け入れられ起業チャンスが掴めるという組織であり、公募による募集を重要視している。書類選考→面接→参加という一般的な流れである。ハーバード大学のMBAの様に面接では学力や仕事ができるという点より人が見られる可能性が大きい。

審査基準としては、Yコンビネーターの講師陣の講義を聞いていると下記3つの内容が挙げられるだろう。
①基本的なビジネスモデル構築ができるかどうか(Y CombinatorのパートナーKevin Haleによると問題→解決策→見通しが簡潔に作れる人材は高評価である)
②人として魅力的かどうか(Y Combinator CEOのSam AltmanはAvangelical Foundersが大事であると講義で触れており、営業や資金調達、採用などあらゆる面において影響力を発揮でき、相手を巻き込む力がある人材である)
③なぜあなたが成功できるのかを説明できるかどうか(Y CombinatorのパートナーKevin HaleによるとUnfair Advantage=不公平な利点を持てるかどうか、つまりは創業メンバーやプロダクト、チームなどの点においてなぜ成功するかを伝えられるかにかかっていると言える)

Yコンビネーターのプログラム内容とは

画像4

書類選考と面接を通過するとプログラムが開始される。Yコンビネーターのプログラムへ参加が決まった人はシリコンバレーに引っ越し、3ヶ月のプログラム期間中はYコンビネーター施設において講義を受けたり、チームでディスカッションを行ったり、スタッフとプロダクトに関して話したり、プレゼンを行ったりすることになる。プログラムへ参加する際、アイデアがあるかどうか、事業を行っているかどうか、チームがあるかどうかなどは特に問われない。毎週開催されるディナー会で他の参加者との交流を行い、プロダクトについてブラッシュアップしたり仲間を募ったりすることも可能である。プログラムの終盤になると「Demo Day」という投資家も含めたプレゼンテーションの場が設けられる。Yコンビネーターの卒業生の大半がここで投資を受けている為、非常に重要な場であるのは言うまでもない。

日本においてもアクセラレーターは数多く存在する。例えば、デジタルガレージが運営するOpen Network LabやKDDIが運営するKKDI∞Labo、三菱UFJフィナンシャルグループが運営するMUFG DIGITAL ACCELERATORなど。日本のアクセラレーターと特に違う点としてはYコンビネーターに集う起業家は多国籍でありダイバーシティがある環境が挙げられるかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?