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前田裕二氏の「メモの魔力」と東大生の「ノートの取り方」を比べてみました

閲覧いただき有難うございます、「一行のメモが一生を変える」のコンセプトである前田裕二さんが書いた書籍「メモの魔力」に関して触れたいと思います!前田さんをテレビや直接お見かけしたことのない人ならピンとこないかもしれませんが、前田さんはかなりのメモ魔であるのは言うまでもありません。彼によるとメモとは「魔法の杖であり人生のコンパス」です。今回、私の東大生の知人や東大生のノートと称される内容と比較して「ノート」に関して触れていきたいと思います。

メモで一番大事なのはとにかく書くということ

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私がメモを取ると言う重要性に気づかされたのは、マッキンゼーのインターンに参加した時でした。マッキンゼーのインターンは9割が東大生であり、東大生のノートの取り方などは本などでも取り上げられているのを目にしたことがある人もいるかもしれません。東大生のノートと前田流のメモ術には共通点があります。まず1つ目は、とにかく書くと言うことです。当然ながら無意味な論点に関する記述は必要ないですが、ここで大事になってくるのは見返した時にノートに取る「因果関係を理解する」と言う点になります。因果関係を理解するには、ディスカッションやプレゼンテーションの場などで「なぜ」を問い続けることかと思います。

前田氏によるとアイディアを生み出すためのメモを作るにはファクト→抽象化→転用と言うプロセスが大事であると言うことです。ファクトとして打ち合わせなどの場で出てきたアイデアや意見を書き込み、そこからなぜ?何のために?どうやって?行うのかと言う切り口で要素を抽象化して書き出します。その上で、抽象化した気付きから自分ならどの様なアクションにつなげていくのかと言うアクションを書いていく作業が転用というエリアです。マッキンゼーでのインターンシップでは東大生が実際にありえないスピードでファクトの理解を行い記述し、抽象化しつつ自分の意見を転用していくと言う姿を目にしたのを覚えています。彼らは東大生の中でも東大模試1位であったり、数学オリンピック金メダル保持者であったりする強者ですが、重要なのは彼らであってもメモを取り続けていると言うことでした。

メモによって鍛えられる様になるスキルとは

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前田氏によるとメモによって鍛えられるのは下記の5つであると触れられています。言葉は違いますが、東大生のノート術のカギとなるのは「再現性」であり、あとからノートを見返した時に、講義やテキストの内容が再現されるということが重要としています。「再現性」には下記の②〜④が特に必要となります。
①アイディアを生み出せる様になる
②情報を「素通り」しなくなる
③相手の「深い話」を聞くことが出来る
④話の骨組みがわかるようになる
⑤曖昧なものを言葉にできる

①のアイデア創出に関しては②〜⑤のスキルを向上させることにより、知的生産性が向上すると言う内容です。②としては、情報の素通り度合いが減ると言うことです。これはかなり大切だと私も思います。例えば、メディアアーティストの落合陽一のプレゼンテーションを1000人の人が聞いていると仮定しましょう。そこで1000人のうち、重要な情報をキャッチできているはせいぜい1割の100人程度でしょう。そこからピラミッド式に情報の素通り率は上がっていくはずです。同じプレゼンテーションを聞いても同じ理解度とは限らない。ここが情報の素通り度を下げると言う点であると思います。また、③相手の「深い話」を聞くと言う点に関しては、考え方を一歩先へと進ませるきっかけになりそうです。例えば、情報の素通り度を10%として相手に質問したり、ディスカッションするのと50%としてするのは天と地の差があります。相対している人物のスキルセットが高いほどこの現象は現れそうです。

また、④話の骨組みがわかるようになると言う点に関しては、打ち合わせの場において全体感を把握して議題や議論を構造化できると言うことです。私がデロイトで働いていた時も会議を行っている最中、1人だけ頭の中がお花畑(取り残されている)の人を見かけたこともあります。周りは議論についてきているかどうか正確に把握している為、議論の全体感を即座に理解できる能力というのは相手に対する信頼性にもつながります。最後の⑤曖昧なものを言葉に出来るという点に関しては、「ええやんそれ」「あかんね」「おお」「おもろい」など非重要だと思われる言語を書き取ることにより、人はなぜその言葉を発したのだろうかと考え、そのメモから明確に言語化されることになります。

上記②〜⑤のスキルを持って初めて①アイディアを生み出せるようになるという点につながります。なぜつながるのかという理由は言うまでもなさそうですが、この②〜⑤のサイクルを早くすることができれば通常の人よりも情報の感度が上がるのは間違いなさそうです。東大生のノート術で言うと、理想的なのは書いた内容をファクト→抽象化→転用と言う順で明確に他人へ説明できることかもしれません。「要するにこう言うこと」と相手に話すことが出来るだけで1つの能力となります。

ホリエモンチャンネルで取り上げたノートの取り方

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ホリエモンチャンネル(ホリエモン流のメモの魔力とは?)でもiPhoneのメモ管理で簡単にメモをされると言う動画も見かけました。ホリエモンがメモるのはレストランや宿のリスト、メルマガ用のビジネスアイディアだそうです。私的な意見ですがホリエモンチャンネルやツイッターなど彼にとって全ての発信ツール上の情報がメモかもしれないですね。

弊社メンバーの中にもメモを一生懸命取っている一方、後からまとめた内容を構造化できない人やメモはあまり取らず自分では分かっているつもりでも他人に話すと相手に意図が全く伝わらないメンバーもいる。そんなメンバーに対して投げかけたい、ファクト→抽象化→転用が頭の中で自動的にできない時にはとにかくメモを的確に取って頭を整理して構造化、自分の言葉で話せるようになろうよ!と。

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