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本や映画やドラマのこと
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#本

《本》 やわらかなレタス

《本》 やわらかなレタス

江國香織さんのエッセイを読んで。

最近、途中読みの本の続きを読むブームが来ている。特に意識的にそうしているわけではないのだけれど、とりあえず今は家にある本を読もう、という気持ちになっている。

そして家にある本というのは大体において好きな人が書いている本なので、作家さんごとに数冊の本がある、ということになる。エッセイでも小説でも、何か一つを読み終わるとその作家さんの他の作品が読みたくなり、それが

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《本》 落下する夕方

《本》 落下する夕方

江國香織さんの小説を読んで。

この本は少し前に買っていたけれど途中読みになっていて、最近また読みたいと思い一番初めから読み始めた。後半になるにつれてページをめくる手が止まらなくなり、半分以上のページを今日のうちに進め、題名にもある夕方に読み終わった。

こんな気持ちになったのは久しぶりで、江國香織さんはすごいなと思う。喪失感と温かな気持ち。小説はその世界に入り込めるから、一気に読むのがいいなあと

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《本》 深く、しっかり息をして

《本》 深く、しっかり息をして

川上未映子さんのエッセイを読んで。

この本は表紙が大好きな、てらおかなつみさんのイラストだということで販売前から気になっていた。本は読むことが好きだし、内容が一番大事だとは思うんだけれど、本という物自体も好きなので、デザインや紙質が好みのものだと、とても嬉しい。この本は部屋に飾っておきたくなるほどに好き。

部屋のスペースが限られていることと、持ち運ぶことを考えると文庫本が好きだったんだけれど、

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《本》 とりつくしま を読んで

《本》 とりつくしま を読んで

本/とりつくしま/東直子/2011

この本は、先日の旅行中に金沢の古本屋で購入した。

旅行中に古本屋で本を買い、読むことをしてみたいなぁと思って。
ざっと背表紙を見ていると、この本が三冊並んでいて、珍しいな、と目を惹いた。
東直子さんというお名前を見たことがあって、確か穂村弘さんと繋がりがあったような…と思い、購入。

あとで調べたら、“回転ドアは、順番に”の方だった。短歌の人。
短歌は気にな

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《本》 ズームイン、服! を読んで

《本》 ズームイン、服! を読んで

本/ズームイン、服!/坂口恭平/2015

この本も以前に買って、少し読んだんだけど、そのまま寝かせていた。

本って自分の中の読み時があるよね。
しっくりくるタイミングが。

家には積ん読の本がまぁまぁあるけれど、いつかそのタイミングが来た時に買っておいてよかったと思うから、よしとしている。
欲しくなった時が買い時で、読みたくなった時が読み時。
ある程度読む予定の本が家にあると、次に読む本を気分

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《本》 現実脱出論 増補版 を読んで

《本》 現実脱出論 増補版 を読んで

本/現実脱出論 増補版/坂口恭平/2020

この本はいつだったかな、前に購入して途中まで読んでいたのだけれど、そのまま積ん読になっていた。
たぶんその時では理解ができなかったのだろうね。

題名の通り“現実を脱出する論”
現実とは人々が他社と交流をするために生まれたものであるのに、その現実が肥大化し一人歩きをはじめ、現実以外のものには蓋をしなくてはいけないようになってしまった。
その結果、現実に

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《本》 ひとりぼっちを笑うな

《本》 ひとりぼっちを笑うな

蛭子能収さんの、ひとりぼっちを笑うな
ずっと気になっていてようやく読めた。

まず第一に蛭子さんが漫画家だという認識がなく(ちょうど最近、ハロモニ。に絵が上手い人として蛭子さんとしょこたんがゲストで出ている回を見て、それで知った)、昔からあまりテレビを見ない私はタレントなのだと思っていた。

蛭子さんといえば、ほわわ〜んといつも笑っている、そしてみんなに突っ込まれている、いじられキャラのようなイメ

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