見出し画像

変わった相手に手紙を書いた

こんにちは、愛音です

✉️✉️✉️

精神障がい様

気まぐれで君に手紙を書こうと思いました。今思うと君は私に色んなものをくれましたね。

まず児童相談所では、初めて心の中を勇気を出して伝えたのに【ちょっと疲れただけだよね】と笑顔で返され、心がビシッと凍ったことは忘れられない出来事。大人なんて、人なんて、本当は私に興味ないんだ!心配もしない!そう思った。

児童相談所から精神科を紹介されて、そこで出逢った先生は私の言葉に耳を傾けて、質問もしてくれて、たまに笑顔を見せてくれる人。カウンセラーさんには2人お世話になりましたね。
児童相談所のおかげで、大人である先生たちを最初は疑ってたけど、診察を受けるたびに【この人たち、ちょっと違う…?】と思った。
だってよく5分診療と耳にしてたのに、先生は私が全部話すまで診察を終わりにしない。だから30分超える時は昔はしょっちゅうあった。
先生は私の話と心と障がいをちゃんと正面から受け止めてくれる。だから先生と話すことが救いで、診察日が待ち遠しかった。
今では先生とよく笑います。先生も軽い冗談言って、私がそれを更に冗談で返したり、精神科の診察室のはずが、笑い声が聞こえる。それが私と先生の繋がり方。君からの素敵なサプライズでした。

そして、君が私にくれた最大のものは家族です
知り合いからは異常な依存してる、気持ち悪くなった、なんて言われてしまったけど。
それでも私は自分のことを語る時、家族を抜きに語れません。
家族がいたから、今の私がいる。精神障がい者にならなかった見えなかった、知らなかった家族の心は沢山、沢山あるんです。

確かに我が家は【稀】な形でしょう。我が家が世の中の家族の当たり前とは思ってない。精神障がいを持つ人がいる家族の見本とも思っていません。この【稀】な家族があちこちにいたら、人も、世の中も、逆に狂うかもしれない。
入院中の母の元へ成人式の振袖着て会いに行き、そのわずか3日後に空へ逝くなんて話、ドラマじゃないと起こりません。最後の私への言葉が【あいね、きれい】だったなんて奇跡でした。

変えられない現実として、私は稀な家族の娘で、寛解してるような、してないような、曖昧な精神障がい者。引き金を引かれたらガッ!と症状やら、なんやら、今でも飛び出します。びっくり箱につき取り扱い注意。
しかし取り扱い注意、なんて思ってるのは今では私だけ。家族は【なるようになるし、なるようにしかならない】【くたばっても、へばっても、もう自分で起き上がれる】そう思っています。
心配してるけど、不要な手助けはしません。私が倒れても【待ってる、大丈夫】と言います。心にエネルギーためて復活すると、何事もなかったかのように、私も家族も日常に戻る。

精神障がいさん、君は本当に沢山のものをくれました。泣いた数も喚いた数も分からないくらいくれました。でも今は笑顔で生きてること、目標を持ちそこに向かってチャレンジしていること、これも君がくれたと思っています。

障がいは苦しい。出来ればない方がいいのかもしれない。だけど障がいがあるから見える世の中があることも知りました。人の温かさ、厳しさ、思いやり、差別、そういうものがまとまって【世の中】なんだろうなぁ、と思えるようになりました。
まだまだこの世の中でやりたいことや待ってる人がいること。それが今では生きる楽しみです。

しつこく君が心にくっついてるけど、君がいるから人生退屈せずに生きて、闘って、負けて、挫けて、ずっとずっと挑んでいける。

君との出会いこそ、偶然かそれとも奇跡か…?
なにんせよ、終わりの見えない君との付き合いをこれからも楽しんでいくのでどうぞよろしくね。

君の21年来のパートナー愛音より

✉️✉️✉️

*愛音*

2023/06/30
梅雨なのに雨が少ない
空を見上げて思うこと、

サポートしていただけたら嬉しいです🌹 これからも頑張りますね!