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先の見えない将来にこう向き合う

予測不可能な将来にどのように向き合ったらよいのでしょうか。

社会は生きものみたいに、どんどん変化しています。
日本人の70%は、この変化を苦手とするそうです。
もともと日本人には、そのような遺伝子を多くもっているため
怖いとか、不安などを覚えるのでしょうね。
一方で、ワクワクする人はたったの5%
アメリカ人では、30%もいると言われています。

では、どうしたら先の見えない将来に対して
不安や怖さを少なくして
人生の進むべき方向を明確にしてデザインすることが
できるのでしょうか。

いくつかのキャリア理論によるアプローチがありますが
今回は、「ジェラッドの理論」についてお話しします。

この理論は、未来は予測できないけれども、
その不確実な将来を積極的に捉えようとする考え方です。
未来は予測できないからこそ、理屈で考えるのではなく、
これだ!といった自分の直感やひらめきも大切にしよう!
ということです。

かつて、人生は、山登りに例えられていました。
頂上という目標に向かって、上を目指して向かって進んでいくことが
人生観と考えられてきました。
頂上を目指すために、登山ルートを決めて
そのルート上にいくつかの小さな目標を設定して
計画的に進んでいくというものです。

しかし、ジェラッドは、その目指す山は動かない、ということから
先が分かっている道を計画的に登っていく人生観は
いまの時代には、そぐわないと指摘しました。

では、現代はどのような人生観なのか?

それは、激流をいかだで下るようなものです。
激流を下るということは、次から次へと身に迫ってくる危険に対して
落ちないようにバランスよく体制を維持しながら
避けたり、向き合ったり、進んでいかなければなりません。

現代は、変化が激しくスピードが求められる時代ですから
計画どおりにならないことも多々あるでしょう。
最近で代表的なのはコロナですね。
まさか私たちの生活が、こんなにも急変するなんて
誰も予想していなかったでしょう。
多くの人々が、外に出たり、人に会ったりすることを恐れて
この状況が終息するのをじっと待っていたようです。
一部の人たちは、これをチャンスと捉えて
次なるアイデアを見いだして行動していました。
このような行動こそが、
激流下りで上手く乗り切っていけるのでしょうね。

そのときの状況に応じて柔軟性を持って
一つひとつのプロセスを確実に乗り越えていくことの必要性を
このジェラッドの理論が提唱しています。

この理論に、「意思決定プロセス」というものがあります。
いくつもの選択肢の中から、自分に合っているものを
選択していくというものです。

私たちは、日々の生活の中で、実に多くの意思決定を行っています。
その回数は、1日に3万5,000回とも言われています。
そのほとんどは無意識の中で決めているわけですが、
そうでもしないと、脳が悲鳴を上げてしまいますね。

意識して意思決定することの例として

仕事で判断に迫られたとき、どちらの手段をとるか?
今日の夕食な何にしようか?
どちらのルートで客先に向かおうか?

といったことです。

この意思決定は、次の3つのステップを辿っています。

ステップ1:予測
 どのような選択肢があるのか、
 その選択肢を選ぶことでどのような結果になるのか予測する。
 ↓
ステップ2:評価
 予測された結果が自分にとってどの程度望ましいか、
 自分の価値観や興味関心に合っているかどうか検討する。
 ↓
ステップ3:決定
 評価した結果、自分に合っていそうであれば、その選択肢で決定する。

多分、私たちは無意識にやっていることだと思います。
私の例を記載しますので、参考にしてみてください。

【意思決定したいテーマ】
 定年退職後、キャリアコンサルタントとして
 どのような働き方をするか?

ステップ1:予測
 ・現在所属する会社で再雇用で継続するなら、
  拘束された働き方になるだろう。
 ・新たな働き先を見つけることができたとしても、
  業務に自由度はないだろう。
 ・個人事業主として挑戦する価値はあるだろう。
  収入は期待できないけど・・・。

ステップ2:評価
 ・再雇用は、自由な時間を持つことの優先度が高いので合っていない。
 ・新規雇用は、望む仕事がもらえない、規則に拘束されることになり
  自由を求める私には合っていない。
 ・個人事業主は、やりたいことが具体的であり、
  自由な働き方ができることから自分に合っている。

ステップ3:決定
 自分の目的に最もかなっているのは、個人事業主になる。

こんな感じに決定していきます。


決めていく基準は、職種、収入、休暇、役割などたくさんありますね。
同じように、予測➜評価➜決定を何度も繰り返していきます。
このループの中で、予測をする前に情報収集が大切です。
沢山の材料があったほうが、選択肢が広がりますから。


このように
変化の激しい状況の中で、いつ何が起こるのか
まったく予測できません。
このような社会の不確実性を積極的に受け入れて
意思決定を行うことが大切です。

登山のように、従来の客観的で合理的な視点に加えて
激流下りのように、主観的で直感的な視点を持っていきたいです。

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