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火曜16時のマリカーと私たちの小さな贅沢

ここのところ、私たちカップルは少し時間がある。私は在宅で仕事をするフリーランス、恋人は外で働くフリーランス。休みの日とか働く時間帯はそれぞれだけど、たまに時間が合って、ふたりで時間を気にせずゆったりと過ごせる時がある。

日本に住んでいて会社員だった頃、恋人とこんなふうに過ごすことは、とてもじゃないけど難しかった。

当時の恋人は、夕方には仕事が終わるような会社に勤めていたけれど、私は20時21時に終わるのが当たり前な会社。しかもそのうち、私が他県へ異動になってからは、仕事終わりに一緒に過ごすなんていうことはできなくなった。


ドイツに暮らしている私は、100%家で仕事をするフリーランスとして暮らしている。恋人と空いている時間がかぶるとき、平日の昼間なんかに家でゲームをしたりしながら過ごすのは、なんと豊かだろうと思う。

日本で会社員として働いていたら、何年後にそんな生活が叶えられていたかわからないな。もしかすると、一生なかったかもしれない。

こんな小さな幸せを、ドイツに暮らし始めてからはよく見つける。海外旅行に行くとか、大きな買い物をするとかではないけれど、そうでなくても、日常のなかに幸せが散りばめられている。日本にいたときの暮らしと、何が違うのだろうと思う。


こうやって暮らしていて思うのが、時間やお金に余裕があるというのは、なんと大事なことだろうということ。

ドイツに暮らして円で収入を得る私にとって、円安やら物価上昇やらの影響は大きい。だから正直、こちらでの暮らしにすごく余裕があるかと言われたらそうではない。節約のできるところは節約して、たとえば自炊をたくさんしたりしながら暮らしている。

でも、逆にいえば、スーパーの食材はそんなに高くないから、工夫をすればそれなりに生きていくことはできるなと思う。野菜も果物も、日本にいた時よりもたくさん買うようになった。そのおかげで、いまの収入でも心に余裕を持って暮らせるような気がする。


自由な時間は、フリーランスになったおかげで格段に増えた。私の仕事はライフコーチなので、セッションの入っている時間以外は、自分でなんとでも予定を組み替えて過ごせる。

そのおかげで、たとえば家に突発的に恋人がいるとき、作業系のお仕事は翌日に回すとかして、恋人との時間を過ごしたりする。仕事のためではなく、私はあくまで自分のために生きているから、恋人との時間を持つことは私にとってすごく大事。


昨日は朝からあれこれやって、15時に最後のZoomの予定が終わり、ふーっと一息をついた。そうしたら、夕方から出かけることになっていた恋人が、マリカーをしようと言ってきた。

私もちょっとパソコンから離れたかったから、まあいいかと思ってマリカーを始めた。私は子どもの頃にたぶんマリカーをぜんぜんやらなかったので、いまだに勝ち方がわからない。うまくできないと文句を垂れながら恋人と遊んだ。


その後もソフトを変えていくつかゲームをして、なんでもない火曜の16時、キャッキャとふたりでゲームを楽しんだ。日本で生まれ、キチっと型にはまるように教育されて育った私には、この時間はすごく贅沢なもののように思える。

でもほんとうは、これが贅沢っておかしいよなと思う。

会社員だった頃、平日の仕事をしている時間帯、休みをとって家にいたり仕事をしていなかったりすることに、強い罪悪感があった。でも、なんで罪悪感を感じないといけなかったのだろう?これは私の人生なのに。

日常の小さな贅沢のようなものが、贅沢でなくなればいいなと思う。誰でも行使できる権利、誰でも受けとれる体験になれば、それは相対的に贅沢ではなくなる。それくらいに、自由な時間を持つことが当たり前になって欲しいなと考えたりしたのだった。


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7年半勤めた会社を30歳で辞め、好きな場所に住んで好きな仕事をする人生を作り直すと決めました。サポートいただいたお金は、退職後にお仕事にしているコーチングのスキル向上や、noteを書き続けるための生活に使用します🙇🏻これからも記事を通してみなさんと繋がれたら嬉しいです☺️