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キッチンを読んで

吉本バナナさんの代表作キッチンをやっと読みました
私が求めていた答えがたくさん詰まってた

時間が足早に流れていて
大切なモノ人を亡くしていく中
これから失くそうとしている中、
当たり前の日常の隣にはすぐに死があること
歳を重ねるにつれて、
そんな情けなくて虚しい現実の輪郭が
くっきりと浮かび上がってきて辛かった
楽しみにしている明日、
幸せが舞い込む未来を生きたいのに
きっともっと苦しくなるんだろうとか考えては
生きる意味について問いかける日々
でも誰も答えを持ち合わせていなかった

キッチンを読んで、
さらに命は呆気なくて、虚しいものだと感じたけれど
それをシェアする人はすぐ隣にいて
それは人ではなくても空間だったりして
死を体験しても孤独にはならないことがよくわかった

そんな答えを小説にしてくれた
吉本バナナさんがいることも
ちゃんと言葉にしてくれたことでさえも
私をひとりぼっちにしなかった、
置いてけぼりにしなかった

何かをなくすことできっと
誰かと心がもっと通ったり繋がったりする
誰かの死に向かって、自分の死に向かっていくことが
「生きていく」ということに変わりはないのだけど
だからこそ、人の優しさ、死者をいつも側に感じさせる場所や空間があって、ヒトリじゃない

この主人公が寄り添っていた頼りにしていたキッチン
自分のこだわりを詰めていた場所
大切な人と過ごした思い出が詰まった
キッチンのようなあたたかい空間が
きっと生きている私たちへ平等に与えられている
世の無情さに挫けることがあっても
けして孤独じゃない

バナナさんへ
感受性が強くて苦しむ人に
寄り添ってくれる言葉を物語を
世に届けてくれてありがとうございます📚

世の無情も、切なさも、残酷さも
全部いつかクスッと笑えるよね
笑わせてくれる人も場所も
私たちは持ち合わせている
それはキッチンのように
身近にいつも側にある

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