見出し画像

ものづくりではかる精神状態

ものをつくるのが好きだ。

器用なわけではないが、思えば小学生くらいからそうだった。

大人になってからも陶芸とか習字とか、書いたり作ったりする習い事は長続きしていた。仕事よりも長続きした。

病気になって四半世紀ぶりに入院なんかすることになった。入院中の暇つぶしは絵を描くことだった。本も好きなはずだけど、なぜかなかなか読み進められなかった。たった10日ほどの入院だったけど、そのわずかな間にも絵が上達したのがわかった。それほど集中して描いていた。

で、退院してからも療養中には何かとものをつくっていた。入院前からハマったマスク作りも、苦手なはずの裁縫がまわりからは得意と思われるほどに上達した。しかも私はマシンとの相性がすこぶる悪く、触れば壊してしまう質なので、それを回避すべくすべて手縫いである。でも、それが功を奏してチクチク地道な作業が私を癒やしてくれた。

集中って、すごい。

そしてまた新たに初めた癒やしがひとつ。お菓子作りである。過去にもケーキの類は、たまーに作ることがあったが、今回はクッキーである。癒やし効果にプラスして私の負けず嫌い根性を最も触発したのがクッキー作りだった。

パティシエを目指して製菓学校で学んだでもなく、甘いものが格段に好きというのでもなく(そこそこには好きである)、知識も何もなく本やインターネット上のレシピを参考に、ただただお店に売っているようなサクサククッキーが作りたくなったのだ。

家でお菓子を作るとなると、子供に食べさせたい、家族や友達と一緒におやつタイムしよう、などという場合が多いだろうか。そんな場合、出来上がりのクオリティってそこまでこだわらないことが多いのでは。

しかし、ここで「お店で買う」クオリティにこだわるところが、この負けず嫌いのなせる技である。最初に出来上がったクッキーは程よく美味しかった、「家庭で食べるクッキー」として。そうなるともう、負けず嫌い根性には既に火がついている。

何故少し固くなってしまうのか、少し焼き色がつきすぎるのか。サクサク、ホロホロ感がないのか。。。

調べて試して、再チャレンジ。

美味しいとは言われる。でも、まだ家庭の味である。なぜ、なぜ、、、

レシピを読み込み、何度も作って、そうするとレシピに書かれていない隙間に色んな発見があった。各工程のタイミングだとか塩梅が自分なりにわかってきた。

2回に分けていれるって、2回めはいつ入れたらいいの?ヘラで混ぜて、その後泡立て器って、持ち帰る意味はあるの?いつ持ち替えたらいいの???

レシピに書かれていないこれらの微妙な塩梅を、自分なりに作っていく。

そして、思った。

これって、心身ともに健康でないとできないな。

病気療養中の私である。健康なときよりも、気分が乗らないことが多い。

そうして今、クッキー作りは自分の健康状態を図る一つの物差しにもなっている。なんだか調子がよくないな、って時につくったクッキーは、何だか調子がよくないクッキーになるのだ。作っている工程で、それは感じる。

おいしいクッキーを作りたい。食べたら元気になるような。

今日も自分と対話しながら、考える。何を作ろうか。

※元気になるものたくさん作りたいと、自分の調子と相談しながら色々作ってこれから販売していこうと考えています。写真はヨガインストラクターをしている親友へのプレゼント。プレゼントって、送ったほうがプレゼントもらった気になれます。人の喜ぶ顔って、何よりいい波動感じます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?