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『あしたのジョー』から考えるSDGs:貧困と飢餓との闘い編

『あしたのジョー』は、ボクシング漫画でありながら、戦後の日本社会における希望と再生、そして未来への挑戦を描いている点が特徴的です。このテーマは、梶原一騎が描くスポ根漫画に共通しています。

 例えば、戦後復興を象徴するプロレスラー・力道山が巻き起こしたプロレスブームを背景に持つ『タイガーマスク』では、主人公の伊達直人が孤児院『ちびっこハウス』で育った孤児であり、彼が戦う真の敵は貧困です。その戦いの目的は、孤児院への恩返しと支援を通じて、孤児たちの未来を守ることにあります。

 また、『巨人の星』でも、貧困家庭から這い上がるために野球で成功するという前提があります。星飛雄馬は『大リーグボール養成ギブス』で肩を鍛え、魔球『大リーグボール』を完成させますが、過度な負担が彼を自己破滅に追い込むというテーマが描かれています。これも梶原一騎作品の特徴です。

 さらに、『空手バカ一代』では、大山倍達が特攻隊から復員した兵士として描かれ、戦後の虚無感を埋めるために暴力と抗争に明け暮れながらも、空手を通じて自己再生と復興を目指す物語となっています。

 これらの作品に共通するテーマは、困難な状況から抜け出し、『明日』への希望を見出すことです。『あしたのジョー』のタイトルに象徴される『明日』は、『未来』や『希望』を意味し、主人公のジョーが自分の存在意義を問い続ける姿と重なります。彼の闘いは、個人の未来を切り拓くものであり、読者に『自分の未来をどう切り拓くか』を問いかけます。

 このように、梶原一騎の作品は、SDGsの貧困や飢餓の克服という課題と深く結びついています。『あしたのジョー』に描かれるテーマは、私たちが未来のために今取り組むべき課題を考える上で、貴重な視点を提供してくれます。未来のために私たちができることは、海外でも人気のある日本のアニメや漫画からSDGsのエッセンスを理解し、それを広めることで、持続可能な社会の実現に貢献することです。

武智倫太郎

【以上、原稿のタイトル、著者名込みで、1000文字以内です】

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