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イボンヌの謎:DXとGX編

 Uさんの『君の名は、イボンヌ。』からスピンアウトした『イボンヌの謎』は、蒼龍 葵さんから絶賛していただき、とても嬉しかったです。

 それで、調子に乗って『イボンヌの謎』をシリーズ化しようとしていたところ、葛西さんから『天沼矛が重力で海底を隆起させていたとは……発想にありませんでした。他に考えられるとしたら、マグマの操作(元ネタ:竹宮恵子『地球へ』)くらいですかねぇ』とコメントをいただきました。

 葛西さんは日本経済が根幹から揺らぐDX戦記を書かれているので、これから、『イボンヌの謎』シリーズからさらにLinuxのようにディストリビューションを増やして、手塚治虫の『マグマ大使』と竹宮恵子『地球へ』から考えるDXとGXに物語を派生させます。

手塚治虫の『マグマ大使』から考えるDXとGX

#手塚治虫 の名作『 #マグマ大使 』は、未来社会の技術と人間の関係を描いたSF作品であり、 #デジタルトランスフォーメーション #DX )と #グリーントランスフォーメーション #GX )の現代社会における意義や課題を考える上で、多くの示唆を与えてくれます。

『イボンヌの謎:神話の世界編』に登場する大和国の創造神は、伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)であり、両創造神が神聖な力を持つオリハルコン製の天沼矛で日本列島を創造します。一方で手塚治虫の『マグマ大使』では、地球の創造主はアースであり、アースは地球のみならず、マグマ大使も創造します。

 マグマ大使は『ロケット人』と呼ばれるロケットがヒューマノイド型ロボットに変身できる自己修復型のロボット人です。マグマ大使が巨大な人型生物なのか、それとも #自律型致死兵器システム #LAWS )なのかは分かりません。マグマ大使の物語には、地球を創造したアースや、破壊神的な性質を持つゴアの他にも、ビッグバンの宇宙の創造神のカオスまで登場するので、ここまでの世界観になると、マグマ大使が人型生物かLAWSロボットなのかは些細な問題です。

技術と社会の管理:DXの視点

『マグマ大使』の世界では、アースの宿敵であるゴアによる宇宙からの脅威に対抗するために高度な技術が活用されています。マグマ大使というロボット(ロケット人)は、地球を守るために作られた強力な存在であり、その技術の粋を集めたものです。現代のDXも同様に、技術の進歩を活用して社会のさまざまな課題に対応しています。AIやIoT、ビッグデータ解析などの技術は、私たちの生活を効率化し、新しい価値を創出しています。

 しかし、DXが進む中で重要なのは、その技術がどのように人間社会に影響を与えるかという視点です。『マグマ大使』では、技術が単なる道具ではなく、人々の生活や安全を左右する存在として描かれています。現代においても、技術の進歩が人間の生活や価値観にどのような影響を与えるのかを常に考えなければなりません。技術の導入が人々の自由やプライバシーを侵害しないようにするための倫理的な配慮が必要です。

自然との共生:GXの視点

『マグマ大使』では、地球を守るための戦いが重要なテーマとなっています。地球の環境を守るために戦うマグマ大使の姿は、現代のGXが目指す持続可能な社会の実現と重なります。GXは #再生可能エネルギー の導入や環境負荷の低減を通じて、地球環境を守るための取り組みです。

 特に #地球温暖化 や環境汚染が深刻な問題となっている現代において、GXの重要性はますます高まっています。『マグマ大使』の物語から学べるのは、地球を守るためには技術だけでなく、人々の意識や行動も変革しなければならないということです。再生可能エネルギーの利用を促進し、環境に優しいライフスタイルを実践することで、持続可能な未来を築くことができます。

DXとGXの融合

 DXとGXは、単なる技術革新ではなく、社会全体の変革を促すものです。『マグマ大使』が描いた未来社会の教訓を活かし、私たちは効率化と持続可能性の両立を目指すべきです。DXがもたらすデータ活用の力をGXに応用することで、環境に優しい社会を実現することができます。

 例えば、スマートグリッドの導入により、エネルギーの需要と供給を最適化し、再生可能エネルギーの利用を促進することができます。また、IoT技術を活用して、農業や製造業の効率化を図り、環境負荷を低減することも可能です。これにより、持続可能な社会を実現するための新しいモデルを創り出すことができます。

 手塚治虫の『マグマ大使』は、未来社会における技術と人間の関係、地球の防衛といったテーマを描いています。DXとGXを進める現代において、この作品は私たちに多くの示唆を与えてくれます。効率化を追求しつつも、人間性を失わず、持続可能な未来を築くために、私たちは技術と意識の両方を進化させていく必要があります。手塚治虫の作品は『マグマ大使』のみならず、『鉄腕アトム』にも技術の進化、ロボットとAI倫理、環境問題などがセットで語られていることが多く、『 #鉄腕アトム 』の人気エピソード『 #地上最大のロボット 』を浦沢直樹がリメイクした作品が『 #PLUTO 』です。

ゴアから考える詭弁術

 この文脈で『ゴア』と言えば、読者の皆さまは『 #不都合な真実 』という地球環境に関する似非科学本を書いて有名になった、第45代アメリカ合衆国副大統領でノーベル平和賞を受賞した #アル・ゴア を思い浮かべるかもしれません。ところが、アル・ゴアだけでなく、『マグマ大使』に登場する悪役のゴアも #詭弁の達人 なのです。

マグマ大使の敵役のゴアとは?

 ゴアは、多くの星を侵略してその王となり、悪事を尽くしてきました。彼は2億から3億もの星を手に入れ、アースと同じくらい長く生きています。人間体は仮の姿であり、本体は怪獣のような姿です。ゴアの本体には、肉食恐竜型とクモとムカデを合わせたような虫型の2つのパターンがあります。

ゴアの性格と行動

 ゴアは冷酷な征服者ですが、子供には甘くなるという一面も持っています。彼の行動は常に計算されており、巧妙な策略を用いて相手を欺きます。

終盤の行動

 終盤では、虫型の姿でマグマ大使と戦いますが、撃退されてしまいます。その後、カオスに直談判し、地球をアースの手から奪い取るための策略を練ります。ゴアは、代理戦争という形で地球の覇権を決めることを提案し、カオスを言いくるめて自身の主張にも一理あると納得させます。

代理戦争

 代理戦争では、ゴアはブラックガロンをマグマ大使と戦わせますが、これも失敗に終わります。結果を受け入れることができず、憤慨したゴアはカオスを軽視する発言をしたためにカオスの怒りを買い、全身傷だらけの姿で地球から逃げていきます。

ゴアの詭弁

巧妙な言葉遣い:カオスを言いくるめ、代理戦争を提案する際に、論理的で一見正当な主張を展開します。

恐怖と混乱の利用:人々の恐怖を煽り、混乱を引き起こすことで、自身の計画を実行しやすくします。

偽の約束:虚偽の約束をして相手を信じ込ませ、その後に裏切ることが多いです。

情の利用:子供に対して甘く接することで、人々の油断を誘います。

 ゴアは、これらの詭弁と策略を駆使して、何度も地球を手に入れようとしますが、最終的にはマグマ大使や仲間たちの勇気と知恵に敗北します。それでも彼の再挑戦の宣言は、ゴアの執念深さと狡猾さを象徴しています。

 ゴアの精神疾患は、精神科医の鹿冶梟介先生に診断してもらう必要がありますが、私の見立てでは以下のように複数の問題を抱えています。

反社会性パーソナリティ障害(ASPD):ゴアは多くの星を侵略し、冷酷に支配しようとします。また、巧妙な策略を用いて他者を欺く行動は、ASPDの特徴と一致します。

自己愛性パーソナリティ障害(NPD):ゴアは自分を他者よりも優れていると信じ、多くの星を支配しようとする行動は自己愛性の特徴と一致します。

偏執性パーソナリティ障害:ゴアの策略や他者を欺く行動、敵対する相手への執着は、偏執性の特徴と一致します。

統合失調症のパラノイド型:ゴアのカオスとの対立や、自分の計画に対する執拗なまでの信念は、このタイプの統合失調症と一致する可能性があります。

『地球へ…』の名言:『なぜそこまで機械のプログラミングに従う! お前は人間だろう!』

竹宮恵子『地球へ』から考えるDXとGX

 竹宮恵子の名作『地球へ』は、立原あゆみの名作『本気!』が『本気』と書いて『マジ』と読むように、地球と書いてラテン語で『地球』や『大地』を意味する『テラ(Terra)』と読みます。

テラの語源と意味

語源:この語は、古代ローマ時代から使用されており、地球全体やその表面を指す言葉として広く認識されていました。
意味:テラは、大地そのもの、あるいは地球の物質的な側面を強調する言葉です。

使用の歴史
古代ローマ:ラテン語が使用されていた古代ローマ時代には、『テラ』は日常的に使用される言葉でした。地理学や自然哲学の文献にも頻繁に登場します。

中世ヨーロッパ:ラテン語が学問や宗教の言語として使用され続けた中世ヨーロッパでも、テラは広く認識されていました。この時期、地理学や天文学の文献においても使用されていました。

ルネサンス期:ルネサンス期には、古典古代の学問や思想が再評価され、ラテン語のテラも改めて注目されるようになりました。この時期、多くの学者や探検家が地球についての理解を深めるためにこの言葉を用いました。

近代以降:近代に入り、天文学や地質学の発展とともに、テラは科学的な文脈でも使用されるようになりました。特に、他の天体と区別するために地球を指す専門用語として使われるようになりました。

20世紀以降:宇宙探査が進むにつれて、テラは他の惑星を指すための用語としても使用されるようになりました。例えば、『テラフォーミング(Terraforming)』という概念は、他の惑星を地球のような環境に改造することを指します。

 この概念が分かっていないと、『地球へ』と書いて『テラへ』と読ませている理由が分からないので最初に説明しました。

#竹宮恵子 の『地球へ』は未来社会の厳格な管理と、それに対抗する個人の自由を描いたSF作品です。この作品は、デジタルトランスフォーメーション(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)の現代社会における意義や課題を考える上で、多くの示唆を与えてくれます。

管理社会とDX
『地球へ』の世界では、人類は高度に管理された社会を築き上げました。個人の感情や自由は抑制され、全ては社会の安定を保つために最適化されています。これは、現代のDXが目指す効率化やデータ主導の社会の一面を映し出しているとも言えます。DXの推進により、私たちは多くの業務を自動化し、データを活用して意思決定を迅速かつ正確に行うことができるようになりました。しかし、この効率化の追求が、人間性や個人の自由を犠牲にすることはないでしょうか。

『地球へ』の主人公ジョミーは、人類が管理社会に生きる中で、自らのアイデンティティと自由を取り戻すために戦います。DXが進む現代においても、私たちは技術の進歩と人間性のバランスを保つことが重要です。効率化や最適化の追求が、個人の創造性や感情を抑圧することなく、共存できる社会を目指すべきです。

自然回帰とGX
 
一方、『地球へ』では、人類が地球を汚染し尽くした結果、宇宙に移住せざるを得なくなったことが描かれています。これは、現代社会が直面している環境問題と深く通じるものがあります。GXは、持続可能な社会を実現するために、再生可能エネルギーの導入や環境負荷の低減を目指しています。『地球へ』のミュウたちが地球への帰還を目指す姿は、私たちが持続可能な未来を築くために努力する姿と重なります。

 GXは、ただ環境に優しい技術を導入するだけでなく、私たちのライフスタイルや価値観を見直すことも含まれます。『地球へ』のメッセージは、自然との共生や、地球という限りある資源を大切にする心を思い出させてくれます。私たちがGXを進める中で、大切なのは技術だけでなく、人間の意識の変革です。

DXとGXの融合
 DXとGXは、単なる技術革新ではなく、社会全体の変革を促すものです。『地球へ』が描いた未来社会の教訓を活かし、私たちは効率化と持続可能性の両立を目指すべきです。DXがもたらすデータ活用の力をGXに応用することで、環境に優しい社会を実現することができます。

 例えば、スマートグリッドの導入により、エネルギーの需要と供給を最適化し、再生可能エネルギーの利用を促進することができます。また、IoT技術を活用して、農業や製造業の効率化を図り、環境負荷を低減することも可能です。

結論
 手塚治虫の『マグマ大使』や、竹宮恵子の『地球へ』は、未来社会における管理と自由、技術と人間性、効率化と持続可能性といったテーマを描いています。DXとGXを進める現代において、これらの作品は私たちに多くの示唆を与えてくれます。効率化を追求しつつも、人間性を失わず、持続可能な未来を築くために、私たちは技術と意識の両方を進化させていく必要があります。現代人は日本の漫画やアニメの教訓を理解し、未来への道を歩んでいく必要があります。

武智倫太郎

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