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祖母が暮らした築100年の元置屋の記憶を真空パック

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埼玉県北部にある祖母の家が取り壊されることになりました。大正15年(昭和元年)に生まれた祖母が10才の頃から暮らしたこの家は、時代の移り変わりの中で増改築を繰り返しながら色んな人… もっと読む
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建物の記憶を真空パックするために

建物の記憶を真空パックするために

プロジェクトに協力してくれるパートナーを探すにあたって、建物とそこに暮らした私たちの思い出を記録するのだから、建築関係の人達に相談したいという想いがありました。

日本工業大学の勝木先生のことが浮かんだのは、かつてケアクリ会議に登壇していただいたときに「建築のハードではなくソフトの部分、特に建物の歴史や暮らした人の生活史に着目した研究をしている」というお話をしていただいたことを覚えていたから。

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書籍「銭湯図解」に着想を得て

書籍「銭湯図解」に着想を得て

今年中に取り壊しが決まっている祖母の家を、どうやって記録に残すか。

かつて置屋だったという建物としての面白さと、祖母を中心に3世代が暮らした家族の記憶としての面白さを、ハードソフトの両面から記録するにはどうしたらいいだろう。

そんな時に知ったのが、「銭湯図鑑」という書籍でした。

銭湯といえば、昭和時代の古い建物に富士山の絵というイメージですが、この図鑑では、建築的な視点からいろんな銭湯を三次

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かつて置屋だった祖母の家を壊すことになった

かつて置屋だった祖母の家を壊すことになった

これから書くのは、埼玉県北部にある母方の祖母の家と、そこに暮らした私たち親族のお話。

築100年の木造民家祖母の家は、築100年ほどの古い木造家屋で、人が二人並んでちょうど歩けるぐらいの幅の路地と路地が交差する場所に位置する、いわゆる裏通り的な場所に建っています。

写真にある玄関から入ると、手前に古民家、真ん中に少し新しい昭和スタイルのキッチン、一番奥には「教室」と呼んでいるだだっ広い部屋がお

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