清水愛子

広告会社を経て医学部学士編入。医者をやりながらメディカルとソーシャルの中間領域で生きています。グッドネイバーズカンパニー代表/東京在住/1980年生まれ

清水愛子

広告会社を経て医学部学士編入。医者をやりながらメディカルとソーシャルの中間領域で生きています。グッドネイバーズカンパニー代表/東京在住/1980年生まれ

    マガジン

    • 祖母が暮らした築100年の元置屋の記憶を真空パック

      埼玉県北部にある祖母の家が取り壊されることになりました。大正15年(昭和元年)に生まれた祖母が10才の頃から暮らしたこの家は、時代の移り変わりの中で増改築を繰り返しながら色んな人が暮らしてきました。その思い出を一つの図鑑としてまとめるプロジェクトを立ち上げた孫の私の想いとそのプロジェクトの内容を紹介します。

      • 祖母が暮らした築100年の元置屋の記憶を真空パック

    最近の記事

    建物の記憶を真空パックするために

    プロジェクトに協力してくれるパートナーを探すにあたって、建物とそこに暮らした私たちの思い出を記録するのだから、建築関係の人達に相談したいという想いがありました。 日本工業大学の勝木先生のことが浮かんだのは、かつてケアクリ会議に登壇していただいたときに「建築のハードではなくソフトの部分、特に建物の歴史や暮らした人の生活史に着目した研究をしている」というお話をしていただいたことを覚えていたから。 街や公共施設の風景を切り取る研究室勝木先生に久しぶりにメッセージをして、zoom

      • 書籍「銭湯図解」に着想を得て

        今年中に取り壊しが決まっている祖母の家を、どうやって記録に残すか。 かつて置屋だったという建物としての面白さと、祖母を中心に3世代が暮らした家族の記憶としての面白さを、ハードソフトの両面から記録するにはどうしたらいいだろう。 そんな時に知ったのが、「銭湯図鑑」という書籍でした。 銭湯といえば、昭和時代の古い建物に富士山の絵というイメージですが、この図鑑では、建築的な視点からいろんな銭湯を三次元的に図解し、解説しています。この本は、まさに私のイメージにぴったりでした。

        • かつて置屋だった祖母の家を壊すことになった

          これから書くのは、埼玉県北部にある母方の祖母の家と、そこに暮らした私たち親族のお話。 築100年の木造民家祖母の家は、築100年ほどの古い木造家屋で、人が二人並んでちょうど歩けるぐらいの幅の路地と路地が交差する場所に位置する、いわゆる裏通り的な場所に建っています。 写真にある玄関から入ると、手前に古民家、真ん中に少し新しい昭和スタイルのキッチン、一番奥には「教室」と呼んでいるだだっ広い部屋がお目見えする細長い作りで、100年という時代の変遷の中で増改築を繰り返したことが分

          • コトバは時に政治的~ワークショップ振り返り

            ※このテキストは、2022年7月6日に私のFacebookで投稿した内容をnoteに転載しているものです※ 今日は、誰もが文化でつながる国際会議 Creative Well-being Tokyo の一部で開催された「インクルーシブ・シアター・メイキング・ワークショップ」に参加してきました。 あえて言葉を選ばずに言えば、健常者と障害者の垣根を越えて演劇やアートの手法を用いて即興劇を作るワークショップ。 どんな場になるのか全く分からなかったのけれど、コロナを理由に出不精に

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          • 祖母が暮らした築100年の元置屋の記憶を真空パック
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            医者の資格をとって、医者の役割を脱ぐ

            (この文章は、私が2022年2月に軽井沢にある「ほっちのロッヂ」に行ってきたことをキッカケに、自身のこれまでとこれからを探るための自分語り&自己紹介エッセイです) 今回は医師国家試験に合格して、初期研修医になった頃の話。 少し矛盾を感じるかもしれませんが、私が医学部に入学することが決まったとき「いずれ医者の役割を脱ぐことをゴールに医者の資格を取ることになるんだろうな」というイメージを抱いて入学しました。 「こんな診療所があればいいのに」とか「人々の生きがいインフラと健康

            30代医大生、法人設立、ケアクリ会議

            32才で医学部に学士編入することになった私 今回は、医学部時代の話をします。 医大生としての話というよりも 医学部時代に模索した法人の活動のお話しです。 医学部に通いだした最初の1年間は 片道2時間の通学と 恐ろしく範囲が膨大なテスト地獄で 久しぶりの学生生活に慣れるのに精一杯でした 医大生2年目に入り そろそろ自分が活動する拠点を作ろうと考え 設立したのが、いまも続く 一般社団法人グッドネイバーズカンパニーです (略して、GNC) グッドネイバーズカンパニー設立の想い

            ケアクリ会議の歴代ゲストたち

            勢いあまって、ケアクリ会議の全5回のすべてのゲストをご紹介します。(注:肩書はすべてイベント開催当時のものです) 第1回は、  暮らしの保健室室長 秋山正子さん  恋する豚研究所飯田大輔さん  当時は筑波大学の博士課程にいた現チアアート代表の岩田祐佳梨さん 第2回は、  NHK「バリバラ」プロデューサーの日比野 和雅さん 「老いと演劇」主催の菅原 直樹さん  ピーシーズ代表で児童精神科医の小澤 いぶきさん 第3回は、  NPO法人プラス・アーツ理事長 永田宏和さん  熊

            私にとって震災の日のこと、その後

            東日本大震災が発生してから今日で11年が経ちましたね。 11年前の今日の事を鮮明に覚えています。 赤坂Bizタワーというオフィスビルの9階で、自分のデスクのパソコンに向かっていた私は、「ドカン!」と縦に突きあげられるような感覚の後に、「ぐらぐらっ」とフロアが横にずれるような感覚を覚えました。その後、免震構造のビルは、30分以上も「ぐわ~んぐわ~ん」と揺れ続けたのでした。 その日、仕事で一眼レフカメラを持っていた私は、揺れが少し落ち着いた夕方から2時間程、赤坂を先輩と一緒に

            こんな診療所があればいいのに

            父が医者、母が看護師という環境で育ち、中学時代に父が北関東の小さな町で診療所を開業しました。「将来、絶対に医者にはなるまい」と思ったのは、他でもない、父が開業した当時のティーンエイジャーの私です。 それから、約15年。 「こんな診療所があればいいのに」と思って、30を過ぎた私が医学部に学士編入をするんだから人生何があるか分からないですよね。 今回は「医者になる前の私のこと」について。 診療所の「静」のイメージ自分は医者は向かないなと思っていたのは、一日中、診察室に座っ

            ほっちのロッヂに行ってきた①

            かねてから訪問したいと思っていた「ほっちのロッヂ」に行ってきました。 2022年、次のプロジェクトの輪郭を浮かび上がらせるために色んな人や場と出会い対話をする旅をしようと考えていて、今回の訪問はその第一回という位置づけでした。 コロナ禍にもかかわらずほっちのロッヂの見学を実現してくださったのは診療所院長の坂井さん。そして、共同代表の紅谷先生、藤岡さん。 訪問した当日は他にも何人かスタッフの方がいらして、お話しをうかがうことができました。皆さん温かく受け入れてくれて、本当

            キャリアとは、人生とは、

            先日、恩師、法政大学の長岡先生のゼミで 私のキャリアについてお話させていただく機会を頂き、 90分、対談形式で私のこれまでの仕事人生の ダイジェスト版を紹介してきました。   就活負け組の私の話を聞いて 「まぁ、こいつも何とかなってるようだから、 自分だっていずれ何とかなるよな…(根拠のない自信)」 と思ってもらえたら、こんなに嬉しいことはないです。 今回、私がお招きいただいたのは、 一度普通にサラリーマンを経験していながら 改めて大学に戻って学びなおして しかも在学中に社

            〔レシピ〕いろんなポテトサラダ

            ディルが好きなことは前も書きましたが、ポテトサラダも大好きです。そこで、色んなポテトサラダを試して見たくなって、Youtube先生に問合せたところ、Aosトラットリアの青池さんという方がやっていらっしゃるYoutubeにたどり着きました。 そこで紹介されている青池さんのポテサラが素晴らしいのでご紹介。 青池さんのnoteもありましたこちらです! そして、私がこれのポテサラを作ったときに残ったアンチョビと、自宅にあったギリシャヨーグルト、サワークリーム、ディルを使って作っ

            〔レシピ〕まぐろ漬け丼と煮卵

            料理は年に1~2回程度、気が向いたときだけという生活を10年近く続けてきた私なのですが、ここ最近、必要に迫られて主に時短料理を中心に作っています。 ・私の食欲が掻き立てられ ・簡単に食材を調達でき ・私でも調理できると確信でき ・かつ短時間&洗い物ミニマムで出来るもの これらの条件をクリアしたレシピがいくつかあったので、紹介したいと思います。主にYoutube先生に教わったものなので、リンクも載せておきたいと思います。 【マグロの漬け(所用時間5分)】まぐろ 200gぐ

            〔レシピ〕ディルが好き

            20代後半の海外出張ばかりしていた頃。北欧出張の時か、もしくはカリフォルニア出張の時か。海外でディルを使った料理に出会い、以来、その香りがとても好きです。 海外の想い出とともに、たまにディルが恋しくなるのですが、日本のレストランでは、ディルの登場回数が多くないし、自分で作るしかない。大き目のスーパーで、たまに見かけるけれど、料理する時間がないと購入に至らず。結局、なかなかありつけていませんでした。 ところが、なんと忙しくても簡単かつ絶対に美味しい時短レシピに出会いました。

            2020年をいつか振り返る日のために

            2020年は40歳を迎える節目の1年であり、4月には苦しかった初期研修を終え、後期研修医として新しい病院で救急医としての一歩を踏み出し、GNC代表としては期間限定とはいえ常勤のスタッフを始めて採用する1年でした。そしてプライベートでも人生を揺さぶるビッグイベントを抱え、本当に濃密な1年でした。 2020年を総括するなら「自分の限界を感じ続ける1年」だった。 2021年は、自分の限界をどう受け入れて、40代の新しい自分に脱皮できるかが勝負の1年になる気がしている。 ターニン

            エア・GroupHug(三密回避)

            全国で緊急事態宣言が解除されましたね。   正直、その辺に歩いている全ての人達と、Group Hugをしたい気分。もちろん、家族とも、病院の同僚とも、リモートで仕事をした仲間とも、遠く会えない友人ともみんなで。ただし、Group Hugなんて三密の極みなわけで、気持ちの中だけで「エア」Group Hugなわけだけども。   これで終わるわけではないけど、ひと息つくぐらいはさせてほしいと思うのが皆の正直なところではないかしら。   GNCの代表理事としても、初期研修を終え新しい