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幼児教育の父フレーべルに学ぶ。ドイツ・フレーべル博物館① 〜世界で初めての幼稚園〜

Friedlich Fröbel(1782-1852)「幼児教育の父」フリードリヒ・フレーベルは、1837年にドイツに世界で初めての幼稚園を作りました。その幼稚園は現在、博物館となり大切に残されています。

東ドイツ・オーバーワイズバッハにあるフレーべル博物館。


世界で初めての幼稚園が建てられた場所です。

18世紀後半、ドイツの家族は労働ではなく、愛情によって結びつき、一般市民も子どもの才能を伸ばす教育システムに関心が高めてはいましたが、子どもを家の労働や農作業に使うことがまだ普通のことでした。

フレーベルは子どもを庭に咲く花にたとえ、「子どもが花を咲かせるには、一人ひとりに適切な環境がある」と言いました。

土づくり。水や肥料のタイミング、日当たりや温度への配慮。間引きや剪定。子供の本質に、一つひとつの種から育つはずの才能を保護し、うまく咲くように働きかけることが大人(教育者)の仕事なのです。

天国のような場所=庭
子どもの庭 Kindergarten
フレーベルの思想は「遊びを通して学ぶ」
遊びこそが子どもにふさわしい生活の様式。
大人・教育者は子どもに何かを教え込むのではなく「導く」存在。

フレーベル系の幼稚園ではお遊戯やお絵描き、生活体験が重視され、必ず園庭と花壇(菜園、果樹園)があります。食べられる野菜、蜂を呼ぶ花、衣や住につながる繊維となる植物(リネンや麻)などが植えられました。

世界で初めての幼稚園のガーデン
当時のキンダーガルテンの設計図。
当時の制服


日本も含めてたくさんの国・教育者たちがフレーべるの思想に影響を受け、その後の幼稚園設立・教育制度の見直しへとつながっていきました。

皮肉なことに、当時のドイツ(プロイセン王国)では、キンダーガルテンは「危険思想」とみなされ、フレーべルの生きている間は幼稚園は禁止となりました。

博物館はドイツ語の説明のみ、開館は木・金・土13時〜17時(2023年7月現在)と
とても限られた時間や情報ですが、10人以上の団体であれば学芸員の方が
セミナーや恩物についての説明をしてくれるそうで、海外からも保育園や幼稚園の先生たちが学びに来られています。

実際にフレーべルの恩物や、フレーべル系列の幼稚園で使用されている教具などを体験することもできます。

廊下や角のスペースも、「遊びながら学ぶ」知育教具がたくさん。

幼児教育のために人生を捧げたフレーべルの生き方、今に残っているもの、受け継がれているもの、当時の思いや背景などを学ぶことができる素晴らしい博物館です。

Ai.

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