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ユナイテッドピープル(株)で環境問題や人権問題など、社会的メッセージ性の強い映画の配給…

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ユナイテッドピープル(株)で環境問題や人権問題など、社会的メッセージ性の強い映画の配給・宣伝を約3年手掛ける。2018年春よりフリーで、ライター、イベント企画・運営、映画PR等を行う。

マガジン

  • HONZ

    • 1,660本

    ノンフィクション書評サイトHONZ(2011−2024)のアーカイブ

  • 映画探検録

  • 旅立ちの前に記すCiftでの時間

    2017年9月から1年弱参加してきた"拡張家族"Ciftを、この7月で旅立つことになった。 離れる前に、あらためて、どうして自分がCiftに加わり、11ヶ月の間でどんなことを感じ、なぜ今回旅立つことを決めたのか、簡単にまとめていきたいと思う。

  • naked撮影をしてみた

    2018年の目標"naked"にちなんで、年末に、全裸で写真を撮ってもらってきました。その経緯と、その時に感じたことを、自分の記録のためにも綴ってみました。

  • 映画『ナディアの誓い ー On Her Shoulders』

    ノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドを追ったドキュメンタリー映画『ナディアの誓い ー On Her Shoulders』が2019年2月1日よりアップリンク吉祥寺ほかで公開になる。配給元・ユナイテッドピープルに以前勤めていた縁で、一足早く試写で鑑賞してきた。 想像していた以上にいろんな切り口から感じることが多かったため、noteで3回に分けて書きたいと思う。

記事一覧

『父ではありませんが 第三者として考える』「ではない当事者」の視点が気づかせてくれるもの

小さい頃は、将来当たり前に結婚して、当たり前に子どもを産んで、当たり前に家族と幸せに生きていくものだと思っていた。でも、生まれ育った家族が「解散」したのをきっか…

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1年前

「みっともなくない」ためのアクセサリーからの卒業

「みっともない」 思い返すと、この言葉を母からたくさん言われてきた。 「貧乏ゆすりするのはみっともないからやめなさい」「靴が汚いのはみっともないからこまめに買い…

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2年前
38

"子どものため"だけじゃない『学校の枠をはずした』「異才発掘プロジェクト」の実験

昨年、私は東京を離れ、某南の島に拠点を移した。周囲に、自生の葉物や果物を見分けて収穫する人や、自分で魚や猪を獲る人、潮の満ち引きや風の流れを読める人がぐんと増え…

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3年前

「買う」が当たり前になっているあなたへ贈る『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』

コロナ禍でステイ・ホーム時間が増えるなか、断捨離をしたという人は少なくないと思います。最初の緊急事態宣言から1年が経ちましたが、あらためて家を見回してみてくださ…

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3年前

あの劇場で見た映画が忘れられない…だから『そして映画館はつづく』

当たり前にあると思っていたものが、実は”当たり前”ではなく“有り難い”ものだったと、コロナ禍を経て、誰しも何か感じているものがあるのではないだろうか。 2020年4…

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3年前

フリーになって以降のおしごと一覧

「アーヤ藍」という名前に、日常の名前を変えて、6年が経ちました。(サムネイル写真は、改名して初めて作ってもらった、当時の会社の名刺です。改名した経緯は こちらの記…

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3年前
10

『ぼくは挑戦人』世界で活躍するジャグラー 在日コリアン3世のあゆみ

本書の著者「ちゃんへん.」は、朝鮮半島の釜山出身のハラボジ(祖父)と、済州島出身のハルモニ(祖母)をもつ在日コリアン3世。在日コリアンが多く住む、京都の「ウトロ…

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4年前

大人でも知らない、子どもでも分かる『捨てられる食べものたち』のこと

まもなく梅雨もあけ、夏本番。気温が上がると、食品の足もはやくなります。「あ〜これもうだめだわ」ポイっ。「うーん、これも危ないからやめておこうかな」ポイっ。そうや…

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4年前

病から医者という「ひと」を見る『患者になった名医たちの選択』

コロナ禍で、改めて社会からの注目と敬意を集めている医療現場。近年は、テレビドラマでも毎クール必ずといっていいほど医療現場を舞台にした作品が放送されている。 人の…

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4年前

受刑者の「彼ら」と私の間に境界はあるのか?(映画『プリズン・サークル』鑑賞録)

「こちら側」と「あちら側」のどこに境目があるのだろう? 日本の刑務所に初めてカメラを入れて撮影されたドキュメンタリー映画『プリズン・サークル』を観終えたときに、…

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4年前
9

天邪鬼な人にもオススメできる、酔いどれ栗下直也が説く『得する、徳』

年末、HONZメンバーの栗下直也から急なメッセージが飛んできた。 「新しい本を書きまして… ちなみに、酒の話は一切出てきません」 え、栗下さんから酒をとったら…(以…

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4年前

見えなくても、聞こえなくても、映画を一緒に楽しむ『夢のユニバーサルシアター』

「見えない」のは、何か力を失った状態ではなく、「視覚に頼らない」という力をもつことでもあるのだと、ここ数年、いろんなご縁のなかで感じている。 その”ご縁”のひと…

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5年前

数百分の1の時間で追体験すべき『ストーカーとの七〇〇日戦争

「なんとかしてこの体験を書かねば、吐き出さなければ、今後自分は文章を書いていくことができなくなってしまう。」 本書『ストーカーとの七〇〇日戦争』あとがきで、著者…

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5年前

人の可能性をひらく「エイブルシティ」に何を見るか:トランスローカルマガジン『MOMENT』創刊号

MOMENT 1 : -able City 出版社:リ・パブリック 発売日:2019-05-31 数年前まで、都市づくり・まちづくりに関わるThink&Doタンクに勤める友人とルームシェアをして暮らして…

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5年前

『それでも僕は帰る』を支えてくださった皆様へ バセットの訃報を受けて...

2015年8月1日に日本公開した、ユナイテッドピープル配給『それでも僕は帰る 〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』主人公のバセットが、亡くなったと、昨日、同作監督…

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5年前
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ココロ、オレル?ココロ、オドル? (映画『ココロ、オドル』鑑賞録)

「"ココロが折れる"という表現は、ここ10年くらいで生まれて、急速に使われるようになった言葉なんですよ」 先日、あるイベントのゲストに教えてもらって、すごくびっくり…

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5年前
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『父ではありませんが 第三者として考える』「ではない当事者」の視点が気づかせてくれるもの

『父ではありませんが 第三者として考える』「ではない当事者」の視点が気づかせてくれるもの

小さい頃は、将来当たり前に結婚して、当たり前に子どもを産んで、当たり前に家族と幸せに生きていくものだと思っていた。でも、生まれ育った家族が「解散」したのをきっかけに外の世界を見渡してみたら、実はそうした「当たり前」のほうがマイノリティなのかもしれないと気づいた。じゃあ本当に私が選びたい道って……?

無意識に頭のなかに染み込んでいた像を取り払って考え直すうち、私は「産まない人生を歩みたい」と思うよ

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「みっともなくない」ためのアクセサリーからの卒業

「みっともなくない」ためのアクセサリーからの卒業

「みっともない」

思い返すと、この言葉を母からたくさん言われてきた。

「貧乏ゆすりするのはみっともないからやめなさい」「靴が汚いのはみっともないからこまめに買い換えなさい」「賞味期限が切れたものが冷蔵庫に入っているなんてみっともないからすぐ捨てなさい」「婚約者でもないのに恋人が家に泊まっているなんてみっともない。恥ずかしいと思いなさい。」

もちろん中には、「礼儀作法」として直されてよかったと

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"子どものため"だけじゃない『学校の枠をはずした』「異才発掘プロジェクト」の実験

"子どものため"だけじゃない『学校の枠をはずした』「異才発掘プロジェクト」の実験

昨年、私は東京を離れ、某南の島に拠点を移した。周囲に、自生の葉物や果物を見分けて収穫する人や、自分で魚や猪を獲る人、潮の満ち引きや風の流れを読める人がぐんと増えたなかで、痛感しているのが「ああ、私何もできない」ということだ。頭でっかちで、「生きる力」「生きた知恵」が悲しいほどない…。

そんな反省の日々を送っていたなかで出会った本書『学校の枠をはずした』は、子どもたちを対象にした教育プロジェクトの

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「買う」が当たり前になっているあなたへ贈る『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』

「買う」が当たり前になっているあなたへ贈る『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』

コロナ禍でステイ・ホーム時間が増えるなか、断捨離をしたという人は少なくないと思います。最初の緊急事態宣言から1年が経ちましたが、あらためて家を見回してみてください。物を減らして増えたはずのスペースに、また新しい物が増えていませんか?

私たちの日常は「買う」ことの連続です。「買えなくなるかもしれない」と思えば、買い溜めをし、外出しての買い物が難しくなれば、インターネット上でショッピングをし…。

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あの劇場で見た映画が忘れられない…だから『そして映画館はつづく』

あの劇場で見た映画が忘れられない…だから『そして映画館はつづく』

当たり前にあると思っていたものが、実は”当たり前”ではなく“有り難い”ものだったと、コロナ禍を経て、誰しも何か感じているものがあるのではないだろうか。

2020年4月初旬、コロナの影響で休業が相次ぐ全国のミニシアターを応援するためのクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」が始まると、開始からわずか3日間で当初の目標額の1億円を突破。そこから約1ヶ月で3億円を超えるほどの支援が集まった。

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フリーになって以降のおしごと一覧

フリーになって以降のおしごと一覧

「アーヤ藍」という名前に、日常の名前を変えて、6年が経ちました。(サムネイル写真は、改名して初めて作ってもらった、当時の会社の名刺です。改名した経緯は こちらの記事 や こちらの記事 あたりをご参照いただければ…)

そして、この名前でフリーランスとしてお仕事をさせてもらうようになって、まもなく3年が経ちます。おかげさまで、いろんな分野のお仕事に関わらせてもらい、どんどん「何屋」か自分でも分からな

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『ぼくは挑戦人』世界で活躍するジャグラー 在日コリアン3世のあゆみ

『ぼくは挑戦人』世界で活躍するジャグラー 在日コリアン3世のあゆみ

本書の著者「ちゃんへん.」は、朝鮮半島の釜山出身のハラボジ(祖父)と、済州島出身のハルモニ(祖母)をもつ在日コリアン3世。在日コリアンが多く住む、京都の「ウトロ地区」で生まれ育った。

小学校の入学式。著者は自分の名前「金昌幸(キムチャンヘン)」ではなく「岡本昌幸(おかもとまさゆき)」という名札を付けられた。幼き当時、朝鮮の歴史はもちろん、国籍の概念もなく、「小学生になったら、みんな名前がもう1つ

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大人でも知らない、子どもでも分かる『捨てられる食べものたち』のこと

大人でも知らない、子どもでも分かる『捨てられる食べものたち』のこと

まもなく梅雨もあけ、夏本番。気温が上がると、食品の足もはやくなります。「あ〜これもうだめだわ」ポイっ。「うーん、これも危ないからやめておこうかな」ポイっ。そうやって食品とサヨナラする機会も増えるかもしれません。

世界では毎年、生産される食料の3分の1にあたる、約13億トンの食料が捨てられていると言います。これは、東京都民1300万人が1年間で食べている量と同等です。

もちろん、そのすべてが、皆

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病から医者という「ひと」を見る『患者になった名医たちの選択』

病から医者という「ひと」を見る『患者になった名医たちの選択』

コロナ禍で、改めて社会からの注目と敬意を集めている医療現場。近年は、テレビドラマでも毎クール必ずといっていいほど医療現場を舞台にした作品が放送されている。

人の命に密接に関わる医療の世界と医師という存在に対して、私たちはどこか、特別な感情を抱きやすい。だが、医師たちも同じ人間。彼らにも病は等しく降りかかる。

本書『患者になった名医たちの選択』は、病にかかり「患者」となった経験をもつ18人の医師

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受刑者の「彼ら」と私の間に境界はあるのか?(映画『プリズン・サークル』鑑賞録)

受刑者の「彼ら」と私の間に境界はあるのか?(映画『プリズン・サークル』鑑賞録)

「こちら側」と「あちら側」のどこに境目があるのだろう?

日本の刑務所に初めてカメラを入れて撮影されたドキュメンタリー映画『プリズン・サークル』を観終えたときに、一番強く湧いていた感情だった。

同作は、受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促す「TC(Therapeutic Community=回復共同体)」というプログラムを日本で唯一導入している、官民協働の新しい刑務所「島根あさひ

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天邪鬼な人にもオススメできる、酔いどれ栗下直也が説く『得する、徳』

天邪鬼な人にもオススメできる、酔いどれ栗下直也が説く『得する、徳』

年末、HONZメンバーの栗下直也から急なメッセージが飛んできた。

「新しい本を書きまして… ちなみに、酒の話は一切出てきません」

え、栗下さんから酒をとったら…(以下略)という気持ちに若干なりつつ、届いた包みを開けてみると出てきたタイトルが『得する、徳。』。

意外すぎるテーマに驚いた一方で、ちょっと啓発本っぽいタイトルに、天邪鬼な私は、少しあとずさってしまったのが実際のところ。でも、開いてみ

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見えなくても、聞こえなくても、映画を一緒に楽しむ『夢のユニバーサルシアター』

見えなくても、聞こえなくても、映画を一緒に楽しむ『夢のユニバーサルシアター』

「見えない」のは、何か力を失った状態ではなく、「視覚に頼らない」という力をもつことでもあるのだと、ここ数年、いろんなご縁のなかで感じている。

その”ご縁”のひとつが、東京都北区田端にある、20席ほどの小さな映画館、そして日本初の「ユニバーサルシアター」でもあるCinema Chupki Tabata(シネマ・チュプキ・タバタ)だ。

「ユニバーサルシアター」とは、名前のとおり、”どんな人でも一緒

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数百分の1の時間で追体験すべき『ストーカーとの七〇〇日戦争

数百分の1の時間で追体験すべき『ストーカーとの七〇〇日戦争

「なんとかしてこの体験を書かねば、吐き出さなければ、今後自分は文章を書いていくことができなくなってしまう。」

本書『ストーカーとの七〇〇日戦争』あとがきで、著者の内澤旬子氏が綴っている言葉。

本書はすでに発売直後に東えりかと栗下直也がHONZで紹介している。それでも、著者の命を削るような文章に駆り立てられるものがあり、私もここで書かずにはいられなくなった。

*

お気に入りの「島の暮らし」の

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人の可能性をひらく「エイブルシティ」に何を見るか:トランスローカルマガジン『MOMENT』創刊号

人の可能性をひらく「エイブルシティ」に何を見るか:トランスローカルマガジン『MOMENT』創刊号

MOMENT 1 : -able City 出版社:リ・パブリック
発売日:2019-05-31

数年前まで、都市づくり・まちづくりに関わるThink&Doタンクに勤める友人とルームシェアをして暮らしていた。特定の地域を舞台に、ローカルからどうその地域の課題を解消し、そのまちを面白くするか…を彼女が考えている一方で、当時の私は、ドキュメンタリー映画の配給を通じて、戦争や移民、環境破壊など、国境を

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『それでも僕は帰る』を支えてくださった皆様へ バセットの訃報を受けて...

『それでも僕は帰る』を支えてくださった皆様へ バセットの訃報を受けて...

2015年8月1日に日本公開した、ユナイテッドピープル配給『それでも僕は帰る 〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと〜』主人公のバセットが、亡くなったと、昨日、同作監督のSNS投稿と、いくつかの海外メディアの報道で知りました。

正直、何をここで述べるべきなのか、分からないまま、それでも伝えなければならない何かが心に渦巻いて、パソコンに向かっています。

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("はじめまして"な方は、映画の概要

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ココロ、オレル?ココロ、オドル? (映画『ココロ、オドル』鑑賞録)

ココロ、オレル?ココロ、オドル? (映画『ココロ、オドル』鑑賞録)

「"ココロが折れる"という表現は、ここ10年くらいで生まれて、急速に使われるようになった言葉なんですよ」

先日、あるイベントのゲストに教えてもらって、すごくびっくりした。「昔からある慣用句」だと思い込んでいたから...。(今もまだ辞書には載っていない表現らしい)

私も随所で使っている気がするこの表現の、正反対『ココロ、オドル』映画を、東京公開に先立って先日試写させてもらってきた。

*

舞台

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