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ココロ、オレル?ココロ、オドル? (映画『ココロ、オドル』鑑賞録)

「"ココロが折れる"という表現は、ここ10年くらいで生まれて、急速に使われるようになった言葉なんですよ」

先日、あるイベントのゲストに教えてもらって、すごくびっくりした。「昔からある慣用句」だと思い込んでいたから...。(今もまだ辞書には載っていない表現らしい)

私も随所で使っている気がするこの表現の、正反対『ココロ、オドル』映画を、東京公開に先立って先日試写させてもらってきた。

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舞台は"世界が恋する海"に囲まれた沖縄・座間味島。この島で紡がれる、①夫婦になりかけの男と女、②一度は切れた縁を結びなおそうとする父と息子、③目には見えない繋がりを静かに手繰り寄せ合う父と娘、の「3つの"家族"の物語」。

...というのが、映画の分かり易いストーリー説明だと思うし、きれいに3部構成になっているのは確かなのだけど...

個人的にはこの作品は、「3+α(いっぱい)の"家族"の物語」に感じた。

亡き祖先に想いを馳せ、自分のアイデンティティを確かめようとしたり。満たすことができなかった母への感情を、どこかに求め続けたり。何よりも、「当事者」以外の周りの人たちの”おせっかい”っぷりに、島で共に生き、歳を重ねてきた”大きな家族”の意識がすごく詰まっているように感じられた。

でも、お節介な暑苦しさの合間に、「あ、そこにはこだわらないんだ!」「おぉそれもありなのね?!」ってクスリと笑ってしまうような「なんくるないさー」なやりとりも織り交ぜられているのが、とても沖縄らしい。

人と人との絶妙な、あるいは独特な”距離感”が沖縄にはあって、その感覚が私が沖縄に惹かれる一つの理由かもしれないと、映画を見ながらじんわりと思った。

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人生、「ココロ、オドル」ことばかりでは絶対になくて、むしろ「ココロ、オレル」こともいっぱい起きる。

でも、大きな喜びも小さな喜びも、踊りに託して、体全身で味わっているうちに、どんどん「ココロ、オドル」気持ちがふくらんで、気づけば悲喜こもごも、すべてを愛おしく思えてくるものなのかもしれないー。

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衝撃を受けた!とか大号泣!とかっていう作品ではなかったのだけど、この投稿をする前に、公式サイトを眺めたら、「あぁ、この世界のなかに帰りたい...」って、小さな恋しさが湧いてきた。それが、この作品に「沖縄」が詰まっている小さな”証”に思える🌺

うーーーーーん!また沖縄行きたいぞぉぉぉーーー(笑)!!

東京砂漠で、沖縄に浸れる『ココロ、オドル』上映は、6/22(土)〜7/5(金)@新宿K's Cinema。お見逃しなく!

●公式サイト:https://www.kokoro-odoru.okinawa/


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