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第53回 県警対組織暴力(1976 東映)

 全映画館を今は亡き浅草新劇場化させるという崇高かつ壮大な志を持って始めた本noteも、2020年のうちに50回の大台を超える事が出来たのはひとえに皆様のお力添えあればです。

 やはり50回記念にBL的映画の金字塔的作品をやらねばなりません。候補はいくつかありましたが、ここは散々名前を既に出している『県警対組織暴力』でお送りします。

 監督深作欣二、脚本笠原和夫、プロデューサー日下部悟朗のゴールデントリオが瀬戸内海の港湾都市を舞台に警察とヤクザの癒着を描く。ヤクザ映画の初級者でももうこれでどんな映画になるか分かろうという物です。

 菅原文太演じる刑事の久能徳松、松方弘樹演じるヤクザの広谷賢次の歪み切った友情を中心に、リアルすぎて広島県警に怒られたという警察とヤクザの癒着を余すことなく描く。実録ヤクザ映画の最高傑作に数えられる一本です。

 お馴染みの人達もピラニア軍団を筆頭に概ね顔をそろえ、この映画に足りないのはなぜか休みの志賀勝だけです。

 ヤクザだけ、警察だけでも映画の世界ではいとも簡単に禁断の関係になってしまうというのに、警察×ヤクザという禁断の関係が付加され、もう凄まじいホモ映画になっています。

 しかも3組ものカップリングが同時進行する大スペクタクルです。ヤクザ映画初心者は『仁義なき戦い』シリーズより先にこっちを見るべきです。


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真面目に解説

警察≒ヤクザ
 本作は警察とヤクザの癒着というショッキングでもあり、そうだろうなとも思わせる、しかし実録映画ではやりにくいテーマに挑んでいます。

 警察はヤクザを取り締まる立場ではありますが、ヤクザは非合法な形で縄張りの中で権威を持ち、また江戸時代にはヤクザが「十手持ち」として市井の治安維持を請け負っていた伝統もあり、警察とヤクザは微妙な腐れ縁を維持してきました。

 ヤクザとしては警察を味方に付ければ組織間で優位に立つことができ、警察もヤクザに恩を売っておけば色々と役得にありつけるわけです。

 本作でも警官たちはヤクザと一緒にクラブで酒を飲み、飲み代のツケをヤクザに引き受けてもらい、家や店まで貰ってしまう悪徳警官にあふれています。

 この法的には不味い持ちつ持たれつの関係が上手くかみ合うとみんな幸せになるのも事実ではあり、警察もまたそれを黙認してヤクザがやる事にある程度目を瞑る事で治安のバランスを取っていたのです。

 本作では外的要因でそのパワーバランスが崩壊していく様が描かれています。この流れがやがて法を動かしてヤクザは法的に締め付けられるようになります。

 そのおかげでヤクザは凶暴化して薬の密売とオレオレ詐欺しかできないようになり、半グレが幅を利かせて手に負えなくなっているのが現状ですので、治安維持とはまことに難しいものです。

 そもそも、ヤクザと警察は非常に構造が似ているところがあります。「仁義と違って法律が幅利かせてるだけ」という身も蓋もないセリフが出てきますが、これはある意味では真理です。

 柔道の世界には「柔道をやる者の行きつく先は捕まえる側(警官or刑務官)か捕まる側(ヤクザ)」という言葉もあるくらいで、例えば松方弘樹が後に『修羅の群れ』で演じた稲川会の大親分、稲川聖城も柔道の修行をしていたところを警察とヤクザ両方にスカウトされてヤクザを選んだという経歴の持ち主です。


瀬戸内のシカゴ児島

 本作は倉島市なる瀬戸内海の架空の都市が舞台になっていますが、書いてその名の通り、広島県警とヤクザの癒着と岡山の児島市(現倉敷市)のヤクザ情勢がベースになっています。

 戦後の児島市は戦後に密貿易と海賊で頭角を現した三宅芳一という親分率いる「現金屋」という組が支配していました。恐ろしい話ですが、戦後の瀬戸内海は機雷と海賊がうようよしていたのです。

 三宅はGHQに「内海のカポネ」と呼ばれたほどの大物で、後に市会議員になって子分も続々議員に仕立てて市政を支配するに至ります。この人をそのままVシネにでもすれば面白そうですが、船のシーンは金と手間がかかるらしくまだお目にかかった事がありません。

 市議会は「現金屋議会」と呼ばれ、現金屋の取り仕切る児島の競艇場では八百長が行われて「現金屋レース」と呼ばれていました。

 児島競艇に限らず昔のレース場はすぐ暴動になるのでヤクザが警備に駆り出され、場内の利権を請け負う組は1日1レース八百長を仕組むことが黙認されていました。どこのレース場にもこの手の話は転がっているので、レース場のお年寄りに話を聞くと面白い話が聞けます。

 現金屋はやがて山口組に目を付けられ、抗争の末に最後は山口組の軍門に下るのですが、その過程をどぎつく味付けしたのが本作です。

 オープニングでは大々的にフィクションと但し書きをして、当地に根を張る大原組が分裂し、分派の組長が暗殺され、大原組組長が逮捕され、分派の組は解散。分派の首魁である友安は足を洗って市会議員になりますが、その後川手組なるよそ者の組が入り込んできて再び抗争が始まるという実録映画特有の難しい筋書きが一応説明されます。

 しかし、大丈夫です。『大阪電撃作戦』でも述べた通り、実録映画の筋など最初から理解しようとする必要はありません。ヤクザがいちゃついて殺し合うだけです。


今回のロケットスタート
 実録映画は掴みが勝負というところがあります。のっけでどれだけえげつない暴力を見せるかで出来の三分の一までは決まってしまうのです。

 本作は川手組にクラブの女を引き抜かれたので殴り込みに行く大原組の若い衆が屋台で腹ごしらえをするシーンから始まります。

 そこへ基本的には『仁義なき戦い』の広能と判別不能な刑事の久能(菅原文太)が拳銃を向けて一列に並べてぶん殴り、金目の物を奪った挙句「やるだけやって死んで来い。その方が掃除が早い」と無理矢理殴り込みに行かせる完璧なスタートを切ります。

 殴り込みに行った川手組のクラブには川手(成田三樹夫)が後ろ盾の友安(金子信雄)に市長やら石油会社の偉い手やらを紹介されて怪しい密会の最中です。

 当然友安の戦闘力はゼロで、殴り込みが始まると駆けつけてきたパトカーを奪って逃げる有様です。海賊の首領も単なる卑怯なスケベオヤジに早変わり。これぞ性格俳優金子信雄の真骨頂でありましょう。


ど腐れ警察

 倉島市警察はもうどうしようもない不安を覚える陣容です。こんな警察の仕切る町には住みたくないと思わせるメンバーが揃っています。

 久能と組んでいるベテランの吉浦(佐野浅夫)はキャリアには勝てないと後の天下の副将軍とは思えぬ不貞腐れぶりで近所の奥さんと浮気なんかして観客を不安にさせ、刑事課長の池田(藤岡重慶)は大原組の抗争に加担して家を建ててもらったという石原軍団を失望させる悪徳ぶり。

 その他どいつもこいつも美人局に遭っただの飲み代のツケを大原組に回すだのと汚職まみれです。

 私の好きなのが汐路章演じる塩田刑事で、この人は例にもよってストーリーに全く寄与しませんが、何かというと「アカを死刑にしろ」だのと唱えて賑やかし、思想性ゼロどころかマイナスのこの映画に申し訳程度に思想性を付与します。

 こんな警察なのでヤクザにとって警察署はもう自宅同然で、広谷(松方弘樹)も取り調べを受けながら勝手に電話を取ったっりしちゃうのです。


大原組の愉快な仲間たち

 大原組は組長の大原が懲役に行っているので、若頭の広谷が組長代理として仕切っているのですが、松方弘樹の仕切る組がまともなわけがありません。

 当然異常性欲なので引き抜きに遭ったホステスの麻里子(池玲子)相手にきつーい一発をお見舞いして「性教育はしんどいもんやのう」とか言っちゃうのです。私も死ぬ前に一回この言葉を使ってみたいものです。

 広谷の右腕が柄原(室田日出男)です。室田日出男に右腕がつとまるようでは抗争が起きるのは当然でしょう。ですが、この頼りない中間管理職ぶりこそが室田日出男なのです。


同期の桜

 室田日出男は深作欣二のお気に入りであり、ピラニア軍団のリーダーなので美味しい役を与えられ、また見事にこなすだけの力の持ち主です。

 そもそも室田日出男は倍率数千倍という競争を経て東映ニューフェイスの4期生としてスターとして売り出されるはずだったのが、酒と組合活動に入れ込んでで大部屋に落とされたという経歴の持ち主なので根本的に他の大部屋役者とは違うのです。

 もっとも、川谷拓三の父親はかつては名の通ったカメラマンであり、志賀勝の父親は全然似ていない二枚目俳優の加賀邦男なので、やはりピラニア軍団の中にも売れ方に差があるのにはそういうバックボーンがあるのです。

 中盤になると久能の下に県警から河本(山城新伍)という刑事が配属されてきますが、これがあろうことか柄原と中学校の同級生だった事で話がややこしくなります。

 再会を祝って警察とヤクザが入り乱れて酒を飲み、「俺たちは集団就職のあまりもの」などと怪気炎を上げるのですが、こうして同級生が警官とヤクザとして再会するというのは当時の田舎ではかなりよくある事でした。

 今ではこういう事態を避ける為に警官は出身地近くの署には極力配属しないようになっているそうですが、この横の繋がりが治安維持に寄与する側面があったのは先述の通りです。

 柄原の方が兄貴分的立ち位置なのも面白い所です。というのも、山城新伍もまたニューフェイスの4期生であり、二人は同期に当たるのです。

 あるいは、深作欣二が遠回りをしなければならなかった室田日出男の顔を立ててくれたのではないかと私は思うのです。


拓ボン大活躍

 ピラニア軍団のリーダーが室田日出男なら出世頭は川谷拓三なわけですが、今回の拓ボンは川手組のチンピラの松井役で出演し、体当たりの芝居で全国区のスターの座を勝ち取りました。

 最初は久能相手に拓ボンらしくイキり倒していた松井でしたが、適当な罪状で逮捕されて久能と河本に取り調べと称した拷問を受けます。この映画最大の名シーンです。

 なんと素っ裸に剥かれて殴る蹴るされます。拓ボンは周りがドン引く中で本気で殴ってくれと頼み、ボコボコにされて負け犬芸を爆発させました。まったくもって見事です。

 このシーンを見て感動したのがショーケンでした。飲み屋で会って「今度一緒に仕事しましょう」と言った時には拓ボンは本気にしなかったそうですが、本当に室田日出男ともども『前略おふくろ様』に出演することになったのは御承知の通りです。

 かくしてヤクザ映画に興味のない人の知名度はゼロだった拓ボンは全国区の知名度を獲得するに至り、主演俳優に上り詰めたのです。何回も言いましたが、東映実録映画はそれ自体が拓ボンの壮大な出世物語なのです。


大部屋こそヤクザ映画の華

 ピラニア軍団が殺されてなんぼというのが実録映画なわけですが、ピラニア軍団ばかりが大部屋ではなく、非ピラニアでも実質ピラニアとして印象を残していく役者は結構な数いました。

 例えば冒頭の抗争の責任を取り、たまたま居合わせた連中で一番根性があると見込まれて刑務所に行かされるのが沖本演じる曽根晴美です。この人はとりわけ深作欣二作品ではよく見かける、ヤクザ映画の歴史を語る上で欠かせない人物です。

 プロ野球選手から俳優に転じたというと八名信夫ばかり有名ですが、この人も同様に東映フライヤーズに入団しながら怪我で断念し、その怖い顔を見込まれて俳優に転じたという経歴の持ち主です。

 刑務所に行くというので広谷のクラブのホステスに三日間油を抜いてもらい、組員に見送られて旅立つだけですが、顔が怖くて目立つので印象に残ります。個性的な顔をしているというのは重要な資質なのです。

 あと、その時の広谷のホステスへの「こいつにオチョンチョン貸しちゃれ」という指令が笑わせます。こういうパワーワードがジャンジャン飛び出すからこその松方弘樹です。

 クレジットもいい位置に置いてもらい、事実上の準主役になっているのが沖本に身代わりになってもらった庄司(奈辺悟)です。この人はWikipedeiaにも項目がないくらいであまり目立たないですが、この作品で映画史に名を残せたのですから幸運です。

 久能にぶん殴られてダンヒルのライターを取り上げられ、取り調べでビビって小便を漏らし、男を立てる為に裏切者を殺しに行きながら悲劇的な末路を辿る。80年代には出演記録が途絶えてしまいますが、一生自慢できる役です。

 裏切者の大貫(成瀬正)のアパートに殴り込んでいく時にたまたまテレビから「こんにちは赤ちゃん」が流れているのに注目です。

 作中の時代の流行歌をこういう風にBGMに使うのは東映実録映画ではよくみられる手法です。ヤクザ映画ののめり込むと昭和歌謡とヤクザ映画のシーンが段々と頭の中で紐づいていきます。私などお年寄り向けのスナックに行けば混乱するほどです。

 その他片桐竜次が首を切り落とされたりと、とにかく深作欣二ならではの必要以上にダイナミックな抗争には彼らが絶対に不可欠なのです。


辰兄ぃの男気

 このままヤクザと警官でいちゃついているだけで終わると話は簡単なのですが、久能は広谷のヤクザとしての器量に惚れぬいており、広谷に天下を取らせるために川手組を締め付けて暗躍します。

 川手組が仕込んだ石油コンビナートの用地取得の談合に割り込んで広谷の天下取りまであと一歩という所で友安が警察の上層部を動かし、県警本部から取り締まり強化の名目でキャリア組の海田(梅宮辰夫)を送り込んだことで事態が急転します。

 海田は警察とヤクザの癒着を辞めさせるという名目でヤクザと警察の横のつながりを徹底的に潰しにかかります。

 この強引なやり方に反対した吉浦は柔道技でのされた挙句に辞職して友安の顧問に天下り。久能も捜査から外されて広谷をサポートしてやれなくなり、ついには広谷はヤケクソになって吉浦を誘拐してラブホテルに籠城してえらい事になってしまいます。

 倫理的な話はともかく、議論の余地なき悪役です。梅宮辰夫という人は松方弘樹同様性欲と男気が過剰なので、こういう人の嫌がる役を全部引き受けてしまうのです。

 従って、ヤクザ映画における辰兄ぃはパブリックイメージに反したこの手の外道が多く、ヤクザ映画初心者を驚かせます。そういう男気にクラウディアは惚れたのでしょうが、アンナはそうは思わなかったのでしょうね。


恐怖のムショボケ
 やがて組長の大原(遠藤太津朗)が出所してくるのですが、大原は5年の刑務所暮らしですっかり腑抜けてしまい、刑務所で盃をやったという小宮(田中邦衛)なるアンコを連れて仏壇で念仏を唱えるばかりでちっとも役に立ちません。

 これはそれなりに根拠にある話で、刑務所に長く入っていると所謂拘禁反応でおかしくなってしまうのです。

 ヤクザの世界ではこれを俗に「ムショボケ」と称し、まともに戻るのには入っていたのと同じくらいの年数を要するとされています。

 このムショボケがヤクザの悩みの種で、当人はともかく周りが困るのです。というのも長く刑務所に入っていたというのはつまり手柄を立てたという事であり、ムショボケでアホな事を言うとしても無下には出来ないのです。

 このせいで偉い人の出所直後に組織がガタガタになる事も少なくないそうです。というよりも、昨今の暴力団情勢の血なま臭さは…よしましょう。流石にこんな事で死にたくありません。

 特筆すべきは田中邦衛の気持ち悪さです。何しろ大原が中で連れていたアンコなのです。つまり刑務所での現地妻です。

 毛ほどの状況証拠で人をホモ扱いし、拡大解釈することでこのnoteは事実上成り立っているのですが、今度ばかりは誰も反論できません。事実なんですから。

 その嫁ぶりたるや左手の薬指に光るデカいダイヤの指輪だけでは説明できないリアリティです。「あがあな男のケツ掘っとったんですかのう」と柄原と広谷が嫌そうにするのがなんともたまりません。私だって同じことを言うでしょう。


コンドーム軍団
 深作欣二作品において女に人権はありません。基本的にコンドームです。久能の妻役で出てくる自分の奥さんの中原早苗さえも「オメコ芸者」になってしまうのです。

 そのくせ綺麗どころを揃えるのが深作流で、広谷の「性教育」の挙句奥さんと別居中で寂しい久能に愛人として貸し出される池玲子のエロさときたら子供に見せたらセクシャリティがゆがむレベルです。

 それもそのはずで、池玲子はこの少し前まで東映が沢山作っていたポルノ映画の看板女優だったのです。松方弘樹との凄い濡れ場はほんのジャブなのです。

 刑務所に行く沖本に「オチョンチョン」貸しちゃるだけのホステスのユリさえ小泉洋子です。『資金源強奪』がつとに有名ですが、この人は美人さで言えば当時の東映でもトップクラスです。

 最初は露骨に嫌そうにしていたくせに、いざ見送りに行く段になったら完全に姐さん面して「面会にいってあげるけえ」などと言っちゃうのです。こういう所がコンドーム扱いなのです。まあ、初めて見た時は曽根晴美を心底羨ましいと思ったものですが。

 しかしながら亭主の居ぬ間にユリは庄司とデキてしまったらしく、大貫を殺しに行くために同僚で大貫の女のカスミ(橘真紀)をおびき出す囮に使われてお役御免となります。

 橘真紀はピラニア軍団の一員なのでピラニア夫婦というわけです。東映で一番酒が強かったそうですが、女ではやはりコンドーム扱いされるので限界があり、今は練馬でスナックをやっているそうです。



籠城が流行った時代

 映画は広谷たちが吉浦を人質にホテルに籠城してクライマックスを迎えます。これがまた見せ場です。学生運動はもう流行りを過ぎていましたが、明らかにその影響が見て取れます。

 籠城を体験している人間がつまりそこら中に居たという事です。催涙弾を捨てようとして火傷して風呂で必死に顔を洗うなどというのは体験者にしか作りえない画です。

 広谷が新聞記者を入れてインタビューに応じるのは当時立てこもり事件の代名詞的な存在だった金嬉老と同じやり方です。

 流行っている物には何でも乗っかるのが当時の東映なので、籠城は是非ともやりたいと思っていたのでしょう。


まさかの続編構想

 最後は久能の捨て身の説得で投降しますが、広谷は悪あがきをして久能に射殺され、久能は瀬戸内海の島の駐在に左遷されて何者かに暗殺され、海田は石油会社に天下りして実に後味悪く映画は終わります。

 しかし、広谷は明確に死んだという事にはなっていないので、松方弘樹は晩年は二人の息子が第2ラウンドをおっぱじめるという続編を構想していたそうです。しかも小栗旬を使って。

 東映に話を持って行ったら断られたそうですが、それでよかったのかもしれません。今の日本映画界で本作のような尖り切った映画に仕上がるとは思えませんから。

BL的に解説

久能×広谷
 言うまでもなくこの二人がこの映画の大トロであり、おっさん同士のロミオとジュリエットなどと称した人もいましたがそれは嘘です。ロミオとロミオです。しかも、久能がかなりヤンホモ気味に広谷を愛しているのです。

 久能はガチホモであると私は見ています。奥さんとの仲は完全に冷え切り子供の成長さえ知らず別居状態。といって離婚にも応じないというのは偽装結婚した金持ちのホモがやりがちな行動です。

 しかも中原早苗ですよ?ノンケなら多少性格に不満でも目を瞑るはずです。そうしないのは最初から興味がない証拠ですし、そう人に言われても文句は言えないでしょう。

 警官など安月給ですが、久能は金や女には執着しません。何の事はありません。久能にとっての役得とは男なのです。

 そんな久能と広谷のファーストコンタクトは強烈な物でした。広谷は抗争で相手方の組長を射殺し、久能のアパートに自首してきたのです。

 久能はひとまずお茶漬けを食わせて署に電話しようとしますが、広谷が食べた茶碗を洗っているのを見て、この男を刑務所にやっていいことがあるのかと思いとどまり、そのまま組長殺しは迷宮入りします。

 その時久能は広谷という旗を掲げ、天下を取らせる決意をしたのです。しかし、当然カットされたシーンがあります。

 窮鳥入懐とは申しますが、ガチホモ久能の元に律義に茶碗を洗っちゃう極上のオスが迷い込んできたのです。

 欲情して襲い掛かる久能。しかし広谷は逆らえません。ヤクザは殺しの後は異常に性欲が高まると言います。久能のきつーい一発に広谷はメロメロです。

 そうして二人で一人になった二人は二人三脚で天下を取ろうと突き進んでいくのです。

 二人の仲はもう隠しきれないホモ臭さで、広谷が庄司を連れて出頭してきた時の他の刑事の態度にももう二人の仲が公然の秘密であり、公認である事が見て取れます。

 「女一匹の事くらいで」と久能は広谷の無茶を叱りますが、広谷と来たら麻里子を「わしの一遍しゃぶらせてみたいんじゃ」と久能に捜索を依頼して絶好調です。

 久能の「マラボケしちょると命落とすど」というコメントに久能の微妙な心理が見て取れます。この愛のシーソーは久能に大きく傾いているのです。女にううつを抜かす事は広谷の天下取りの障害であり、また面白くないのです。自分だけを見ていてほしいのです。

 その後広谷にぶん殴られる庄司を「こんな青チンボ」と称したのも意味深です。確かに漏らしてましたが、何でそんなこと知ってるんだという話です。

 勿論久能は味見したのです。広谷も否定しないあたり、庄司は日頃から組の上の者に慰み者にされていたのかもしれません。だからこそヘタレなりに組に尽くそうとするのです。

 河本と一緒に松井をひん剥いたのも言うまでもなく役得です。ノンケの発想ではありません。下の口を割らせるための前戯です。

 松井を心も身体も攻め抜いた久能は川手が石油コンビナートの談合に噛んでいることを聞き出し、川手のクラブのホステスに美人局に悩まされている巡査(笹木俊志)を利用して川手を談合からはじき出す作戦に出ます。

 ホステスと船員の亭主を広谷は誘拐し、拷問して川手がやらせたという証言を無理矢理引き出し、土地を自分たちで落札して石油会社に高値で売りつけようとします。

 柄原と河本の再会を祝した無茶苦茶楽しそうな宴会で二人はヤクザと警察という相容れない身分でありながら、身の上は大差ない事を確認し、広谷はこの土地の儲けで「一軒ずつ店持たせちゃる」と豪語します。

 若い二人は二次会に行ってしまいましたが、久能は広谷に支えられてベロベロになってアパートに送り届けられます。

 人間酒を飲むと正直になるので「わしゃお前に惚れとるんじゃ」と剛速球をぶちかましてきます。ひたすら同意するしかない広谷は完全に嫁です。

 そして6年前のあの自首の思い出話です。「あんときの茶漬けの味は忘れんよ」という広谷のコメントが光ります。忘れられない味は茶漬けの味だけじゃないのです。

 久能は「広谷賢次の旗を掲げたんや」「この旗は一生降ろさんぞ」「男になれや」ノンケには再現不能の言語感覚で広谷へのを叫んで潰れてしまいます。

 広谷はそんな時、久能の妻子の写真の入った写真立てを見て、麻里子に久能の世話を命じて置いて行きます。「言う事聞かんとケツの穴に焼け火箸突っ込んだるぞ」というホモ臭い脅し文句付きで。

 最初はやっぱり嫌そうな麻里子ですが、じきに久能に惚れこみ、久能もまた麻里子を素直に受け取ってしまうのが二人の愛の証です。

 広谷が病的に執着して性教育を施した麻里子なればこそ久能は性癖を曲げて受け取ったのです。間接ホモセックスです。やっぱり深作作品では女はコンドームなのです。

 麻里子が久能にメロメロになってしまったのも簡単な話で、広谷の悦ぶようにすれば麻里子もまた悦ぶのです。性教育したのは広谷なのですから。

 柄原の愛ゆえの暴走で川手組との抗争は激化してしまいまい、海田が送り込まれてしまいます。

 海田は久能から広谷の情報を引き出そうとしますが、久能は「畑は自分で耕すもんですけえ」と直接広谷に会わせます。そう、自ら耕した豊饒なる薔薇の花畑へ海田を案内したのです。

 広谷が大原と小宮を気持ち悪がっているところへ海田が訪ねてきます。広谷は危険を察してか超反抗的です。

 それでも広谷は警察の扱いは心得ているので海田の懇親会に酒を届けますが、久能から広谷を逮捕するネタを掴もうとする海田は酒を拒否して庭石にぶつけて割ってしまいます。

 これには久能より吉浦が吹き上がり、学歴コンプレックスをむき出しにして反抗しますが、海田は薬屋の女将さんと浮気しているのを暴露した挙句柔道で吉浦をのしてしまい、吉浦はショックで辞職してしまいます。

 しかもそこへ久能の奥さんが押しかけてきて離婚届に判を押せと迫るのです。断るなら家裁に訴えると強硬姿勢です。

 「夫婦生活が成り立っていない」のだそうです。なのにその後麻里子が寝物語に「恩給が付いたらアメリカ行って私立探偵やろう」などとアホな事を言って久能はちょっと乗り気になっちゃうのです。

 夫婦仲などというものは夜さえ満足ならまあ何とかなるもののはずで、それが麻里子とは上手く行く半面何とかならないということは、やっぱり久能は特殊な条件でしか女を愛せないのです。

 その特殊な条件の元である広谷から電話がかかってきます。なんと久能の知らない間に事務所にガサ入れが入ったというので怒っています。

 久能は海田に詰め寄りますが相手にしません。それどころか内通者を仕立てて大原の出所祝いの花会(賭場)にさえ手入れをします。

 海田のケツの穴の小ささは異常です。あるいはホモのホモ嫌いで久能が好きなのかもしれません。小学生男子の愛情表現です。

 男はいつまでも少年の心を捨てきれないのです。40過ぎても番長やってた人ですからね。

 広谷の立場がどんどん悪くなる中、久能は吉浦が友安と通じていることを知って問い詰めます。吉浦は「警察やめてこっち来い」と求愛しますが、これに応じる久能ではありません。

 しかし吉浦は広谷を久能が匿った事を知っています。そのうえ大原は友安達に丸め込まれて組を解散して川手組に組員を預けるという決定をしてしまいます。

 これに怒って久能に詰め寄る広谷。しかし、もはや久能には事がコントロールできないのです。

 ここは我慢しかないと久能は広谷をなだめますがもはや舐められまくって限界の広谷たちは我慢が利きません。しかし、柄原が久能をなじると広谷が止めるのが実に尊い所です。

 結局二人は痴話げんかの末に決別。庄司が裏切者の大貫をめった刺しにして殺して事態はどんどん深刻化していきます。

 久能は捜索に駆り出され、庄司を発見してしまいます。返してもらったダンヒルのライターを差し出して命乞いする庄司を久能は見逃しますが、海田は久能を信用せずに再び捜索して庄司を結局逮捕。庄司は久能に呪詛の言葉を吐きながら連行されていきます。

 久能は海田の仕打ちに怒り、お前だってヤミ米食っただろうがと抵抗しますが、塩田にアカ呼ばわりされて拳銃を振り回して暴れます。広谷への重すぎる愛が完全に裏目にでてしまっています。

 一方広谷は吉浦を誘拐して籠城。海田との取引を求め「断ったら町中鍋に入れてチンチン回しにしちゃるけえ」と宣戦布告です。具体的に何をやるのかさっぱり分からないのが素敵です。

 記者に紛れ込んで潜入した河本が射殺され、ついに警察は久能に泣きついて広谷を説得させることにします。

 久能がこんな危険な仕事を引き受けたのも以外の何物でもありません。自分なら広谷を説得できるし、広谷になら殺されてもいいと思っていたのです。

 久能は広谷の部屋に殴り込み、取っ組み合いの末に広谷を取り押さえ「こいつが助かるにはほかに道はないんど」と組員を説得し、川手組の解散、組員の減刑、久能のやり方への不干渉という条件を海田に飲ませます。

 広谷はもう久能を信用していないので恨み言を散々言います。しかし久能はそんな広谷を見捨てる事が出来ません。愛のシーソーは時間が進むとともに更に久能に傾いて行くのです。

 「花道じゃけえ格好つけさしてくれ」と手錠を拒む広谷。「裏切らんと約束できるか?」と久能。もう目と目でセックスする勢いです。

 「男にさせちゃることもできんですまなんだの」と手錠を外す久能。しかし、広谷は久能の拳銃を奪い海田を人質にして最後の抵抗を企てます。

 「わしは自分の旗振っとんど」と完全に久能との決別を宣言する広谷を久能はついに射殺します。四発も食らってようやく死んだ広谷の目力。久能の悲痛な表情。暴れる組員たち。

 そして息絶えた広谷の手を握る久能は左遷されて不可解な死を遂げます。二人は地獄で仲直りできるのか。それだけが気がかりです。

柄原×河本
 さて、もう一組のロミオとロミオがいます。河本と柄原です。中学時代の悪友が、身分違いでまさかの再会。古今東西性別の如何を問わず繰り返されてきたラブストーリーの王道です。

 山城新伍は美川憲一に男同士のMetooの有無を問われ「迫られれば断れない」と暗に男にチョメチョメを強要された事を示唆し、師匠で歌舞伎の女形だった大川橋蔵のモノマネをする時はオネエ口調です。

 一方室田日出男『影武者』の撮影の時にショーケンとチョメチョメしていたという恐ろしい噂があります。まあ、ゴシップばかり拾うのは非生産的なので本題に行きましょう。

 沖本を見送りに来た時に柄原は河本と中学校の卒業式以来の再会を果たします。無茶苦茶嬉しそうに再会を喜ぶ二人。河本が刑事になったと聞いて「世の中狂うとるのう」と狂ったコメントと共に飲み会に突入するのです。

 「気のこまいくせに女のケツばっか追いかけとったんじゃ」と冷やかされつつも満更でもなく嬉しそうな河本。

 次期若頭ですから柄原はヤクザとしての器量は相当なものであるはずで、中学時代からやんちゃ者だったはずです。一方河本はムッツリスケベの優等生であったことが想像されます。そんな二人が仲が良い。これで何も起こらない方がどうかしています。

 「女よりも男の方がええけえ」と少年院で覚えた男の良さを河本に教える柄原。そうしてチョメチョメに耽った甘酸っぱい(味覚的には苦い)青春の一ページがあったのです。

 「本官はもう飲めん」と先に潰れ気味の河本を引っ張っていく柄原。今日は朝まで飲んでチョメチョメで締めたいに決まっているのです。

 河本も初めての男との再会が嬉しいと見え、通りかかったパトカーを拾って二次会に行くのです。

 しかし、川手組のトラックと道で鉢合わせして乱闘になります。こんなの黙って警察に任せればいい物を、柄原は「喧嘩はわしらがプロじゃけえ」と言って警官を押しのけ、挙句組員が一人刺してしまうのです。

 きっと中学時代の柄原はいつもこうして河本を助けていたのでしょう。しかし、二人はもう許されざる仲である事を忘れていたのはまさに愛は盲目という事です。これを機に抗争は激化し、友安達に海田を送り込む口実を与えてしまうのです。

 しかし、愛ゆえの行動なので広谷は何も言いません。ともすれば、自分もそうしそうだと思ったのでしょう。

 河本は籠城先への潜入という危険極まる仕事を引き受けましたがこれも中々です。単に同級生だというだけで引き受けるでしょうか?特別な関係にないと犬死するだけなのは明らかです。

 「友達じゃけん頼む」「お前の身を考えて」という台詞が全てです。二人は数日前に十何年ぶりに再会したばかりなのです。その年月を埋められるほど特別な仲でなければこのミッションは成功しないではないですか。

 そして河本は柄原に射殺されます。しかし、先に銃を出したのは河本でした。あまりに無謀な強行手段です。そこまで彼を感情的にさせたものが愛でなくてなんでしょうか?

 柄原は河本を自ら射殺して「馬鹿たれ」と叫び泣き崩れます。これが愛でなくて何でしょうか?


大原×小宮
 この映画で深作欣二の画の瞬発力が最も生きたのはあるいはこの二人の登場シーンではないかと私は思うのです。

 広谷に出迎えられる大原の後ろに付き従う小宮の左の薬指にはダイヤの指輪。勘のいい客はこの瞬間全てを察してしまうのです。

 念仏を唱える大原の着物を整えて汗を拭く小宮の気持ち悪くも甲斐甲斐しい献身。私は田中邦衛の底力に感動しました。

 遠藤太津朗がホモジゴロぶりを如何なく発揮した『脱獄広島殺人囚』で散々言いましたが、刑務所ではアンコカッパはつきものです。ヤクザにとってアンコを飼うのは、単なる性処理だけでなく、アンコを絶対服従の鉄砲玉に仕立てる意図があると言われます。

 しかし、大原は完全に腑抜けてもやは組長としてやっていけません。単なる気持ち悪いオネエの小宮にも人を殺せる根性があるとも思えません。つまりこの仲は損得抜きです。純愛です。

 大原の出所祝いの花会や組の解散会見に小宮の姿がないのも意味深です。相方の幸せを壊さないのが良きゲイカップルの条件なれば、単なる小姓に過ぎない自分がでしゃばる事が大原に恥をかかせることになるのを小宮は知っているのです。良く出来た女が居たものです。

 そして、若い者達の恋路はどちらも相方による射殺という壮絶な幕切れを迎えたのに対し、このカップルは大原の引退により二人が死を分かつまで続くことが予想されます。

 引退したヤクザを手に掛けるのは外道のやることで、ヤクザ社会での立場を悪くします。川手も友安ももはや二人を手に掛ける理由がないのです。

 そして引退したとて小宮が大原を捨てるとは想像できません。これが真のおっさんズラブかもしれません。


大原組ホモ集団説

 この映画には一つ大きな謎があります。なんであんな大原の如き腑抜けのホモ野郎に皆してついて行くのかという事です。

 『脱獄広島殺人囚』でも述べましたが、遠藤太津朗は金子信雄とは比べ物にならないBL力を持つ俳優であり、また「本物」という噂もある人物です。

 つまり、大原組は全員大原のアンコなのです。だとすれば小宮を気持ち悪がる広谷と柄原も説明が付きます。あれはジェラシーだったのです。俺たちという者がありながらというわけです。

 広谷は異常性欲の戦闘狂ですが大原への忠誠心は一貫しており、クラブへの殴り込みも川手にでかい顔をさせておいては出所してくる大原に申し訳ないという表向きの動機があっての事です。

 出所した大原を出迎える広谷と柄原はあくまで優しく、その表情は愛に満ちています。

 そして、一度は仲間割れして抗争した仲だというのに友安が駆けつけてきて、心にもない労いの言葉をかけると大原は「マーちゃん…」と泣き崩れるのです。

 抗争したというのにまだ兄弟盃は残っているというので、多分この二人も過去は特別な関係にあったのでしょう。小宮とのそれ以上に絵面が強烈ですが、これにひるまないようになればあなたは上級者です。

 そして、そんな友安と大原にやっぱり広谷と柄原は複雑な表情を浮かべてしまうのです。しかし、そんな独占欲の強さが大原にはたまらなくかわいいのです。

 この期に及んでも二人の忠誠心は失われないのが愛の深さを物語ります。花会の手入れで大原が再び引っ張られる時も広谷は大慌てで駆け付けて「引っ張るならワシ引っ張れ」と忠義を見せるのです。

 そんな広谷に大原は「心配するなや」と言い残して連行されていきました。きっと下はギンギンです。

 組が解散した後の組員たちの奮闘も大原愛の産物です。本物のヤクザならこのまま川手組に流れる組員が沢山出るはずですが、見たところ大原組には離反者はなく、裏切者を殺して明らかに不利な籠城戦で死に花を咲かせようとするのです。

 広谷は久能に取り押さえられ、取引に応じて投降を決意します。広谷の投稿の決意に涙ながらに武器を捨てて投降する柄原たち。ヤクザ映画というより戦争映画のような悲壮感です。

 最後に投降する広谷を見送る組員たちの目には涙が。しかし広谷の抵抗を見るや一斉に応じるのです。どうせ出所しても居場所のない彼らは死に花を咲かせたいのです。

 そして広谷が射殺されて暴れます。彼らがこの後どうなったのか。続編もなくなった今確かめる術もありません。

お勧めの映画

 独自の統計(主観)に基づきマッチング度を調査し、本noteから関連作品並びに本作の気に入った方にお勧めの映画を5点満点にて紹介します

『やくざの墓場 くちなしの花』(★★★★★)(辰兄ぃが綺麗なバージョン)
『実録外伝 大阪電撃作戦』(★★★★★)(松方弘樹大暴れ)
『沖縄やくざ戦争』(★★★★★)(ヤンホモにモテる松方弘樹)

松方弘樹脱獄三部作
『脱獄広島殺人囚』
『暴動島根刑務所』
『強盗放火殺人囚』

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