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学習理論備忘録(55) 『ドキドキ・ハアハア・ブルブルをどう止める? 2 周りの人はどうする?』


また精神科臨床の話を。悩んでいる人が、自身の「とある行動」のせい悩んでいるということに案外気づいていないことは多い。そういう場合は、それを伝えるだけでどうにかなってしまうかもしれない。

でもDVならどうであろう? 暴力行為をやめたほうがいいというのはわかりきっている。「じゃあやめます」となるか? いや、「今度こそもう暴力は振るわない」と、心底改心したはずの人が、ほとんどまた暴力を振るう。伝えて気づかせれば解決できる、というものではないよい例である。

知識はせいぜい解決に向かう行動をするための必要条件にしかなるまい。理屈・正論よりは、個人の思い入れや価値観、情動のほうがよほど行動に影響する。
話が不安・恐怖ならとくにそうだ。「回避するから怖くなる」と聞かされても「怖いから回避する」のである。ここを議論しては堂々巡りだ。不安・恐怖に立ち向かわせるためには、「この人の言うことなら信じてみよう。やってみよう」と思ってもらう必要がある。映画などで、高所や火事で危機に陥った子が危険な場所から

「君ならできる。さあここまで飛び越えてくるんだ」

と言うのはヒーローの役目である。勇気づける、を成功させるものはなんであろう?

「関係性」などと一言で片づけては、わかった気になるばかりである。


Ver 1.0 2023/12/23

Ver 1.1 2023/12/24 直後に推敲しなおした。


いちおう前回(54)はこちら

#学習理論 #行動分析 #不安症 #恐怖症 #暴露療法 #カウンセリング #認知行動療法


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