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【インタビュー】 学生起業家から投資家へ~新たに探す自分の『軸』とは~

アガットイノベーションと関係の深い経営者に、その職業を選んだ経緯や、
起業・独立の苦悩などなど…仕事への想いを語っていただく『経営者インタビュー』企画。

第3弾はロスティジャパン株式会社 代表取締役田中智さんです!


紹介:田中智 (経営者 / ロスティジャパン株式会社 代表取締役)

 福島県喜多方市出身。
中央大学在学中に設立した人事労務管理サービス会社をバイアウトして、現在は経営コンサル会社を基盤とした投資家として活躍。





ワクワクする事業に出会いたい。


—大学生で起業!という、とても気になる経歴があるのですが…まずは学生時代のことを教えてください。

大学は編入したので2つの大学に通いました。1つ目は教育系の大学、2つ目は中央大学経済学部で、3年次編入学しています。
大学入学後に、家庭教師をはじめいくつかのアルバイトを掛け持ちしていましたが、授業と編入学に向けた勉強でアルバイトの時間が確保できなくなり、なんとか短い時間で効率よく働く方法はないかと模索した結果「個人契約家庭教師の紹介事業」を始めました。



—家庭教師を派遣する側に着目されたのですね。

はい。大学生を中心に家庭教師の登録者を集め、多いときには300人以上の登録者がいました。学生講師には、お客様となる生徒探しの業務を委託し、契約を獲得できた講師には授業料とは別にインセンティブを支払うという仕組みです。事業開始から1年後には、法人化しました。

法人化後は、人材紹介や派遣事業を中心に行っていたのですが、たまたま社内で生まれた労務管理システムを先輩経営者に説明したところ、他社でもニーズがあると教えてもらいました。そこで、人事労務管理システムをBtoBでカスタマイズ販売を開始し、最終的にExitした事業に繋がりました。


—学生起業家としての経験は、今でも生かされていますか?

個人宅や会社に飛び込み営業をしていたので、学生にしては度胸がつきましたね。

他にも、大学生の時に色々な団体の立ち上げを行いました。
その一つに「学生日本酒の会」という学生団体があります。酒蔵見学の企画や、醸造産業新聞のインタビュー、業界団体のセミナーで学生代表として発表を行うなど、熱心に活動していました。日本酒造組合 と共同で大学生を対象とした"日本酒の試飲会"を企画し、アンケート結果を酒蔵各社へ提供したこともありました。活動の原動力は、日本酒が好き!(学生がタダで日本酒を飲む方法はないか!)という気持ちだったというのが本音です。



—大学卒業後は、人事労務管理サービス会社の経営者としてのキャリアを歩まれています。

自分の会社は後継者に譲り、証券会社へ就職する予定だったのですが、紆余曲折あり会社に戻ることになりました。結果、バイアウトまで5年ほど会社を続けていました。

その後は3年間、シンクタンクに勤めました。サラリーマン経験がないことへのコンプレックスもあり、当時お世話になっていた方の紹介で入社しました。
研究所では、主に中小企業白書や、補助金採択企業の成功事例集の作成などに携わっていました。中小企業の経営者へヒアリングを実施するために、全国各地にある製造業、農業、IT関連など幅広い業種の経営者に会いに行きました。経営者2~3人に対して、20代の私一人でお話を伺うこともあったので緊張感がありましたね。




—その後は、現在のロスティジャパン株式会社を設立されています。もう一度、自分で会社を経営したいという気持ちがあったのでしょうか?

そうですね、1つの会社に就職して定年まで…というキャリアはあまり考えていませんでした。私が学生時代からメンターとしてお世話になっている方は、エンジェル投資家として長きにわたり活躍されており、学生時代から刺激的なお話を聞いていたのでいろいろな企業に関わる働き方に興味がありました。



—ロスティジャパン株式会社でも投資事業を手掛けられています。実際にメンターと同じ投資家として働かれてみて、想像とのギャップなどはありましたか?

あまり自分が投資家という意識はありません。
皆さんが想像するような投資家は資金を出して、外からアドバイスをするイメージがあると思いますが、私は出資先の経営者とともに資本政策や事業計画の策定も行い、一定期間は現場と近い関係でコンサルタントのような役割を担うことも多いです。ときには、金融機関に経営者と一緒に頭を下げに行くなど泥臭いこともしています。
投資先を決定する際も、事業分野、事業規模(ステージ)は特に線引きをしていませんが、私が経営コンサルとして理解をして、サポートできる範囲を超えることはありません。



—投資家と聞くと、常に株価をチェックして数字を追って…というイメージあったのですが、やはり人と人のコミュニケーションが主体になるのですね。

もちろん投資家のタイプにもよると思います。ひと口に投資家と言っても、個人・機関・海外、その中にも事業としての投資やエンジェル投資など目的や方法も様々です。私の場合は、出資先の役員を務めながら、経営のサポートや売却をするので、経営者とコミュニケーションをとる機会は多いですね。
また、どんなにおいしい投資の話でも、すぐに契約成立!とはなりません。デューデリジェンスは企業情報やリスクはもちろん、経営者の人柄やお互いの相性を知る期間と捉えています。最低でも2~3ヶ月、長いときは1~2年かけることもあります。



—田中さんが投資先と関係を築く時に、気をつけていることはありますか?

気を付けていることは、投資先の経営者の経営判断に介入しすぎないことです。
会社の主軸は経営者であり、経営者が自身の判断に責任を持って事業を進めなければ、会社の推進力を止めてしまう恐れがあります。ただ、これも時と場合によって対応は変わり、経営者自体を変えるという判断をすることもあります。

また投資先の業種によっても、関わり方は変わってきます。
例えばいわゆるIT業界では、早期Exitを目指す傾向が強く、投資家が企業と緊密に関わる期間は短いです。対して、食品メーカーなどは長期的な視点でのサポートが必要となります。
他にも、コロナ禍で売上が伸び悩んでいた飲食店を営む会社では、出資後に食品メーカーのマーケティング部門をつくり、他企業の案件と併せることで収益構造が変わり、利益率の高い会社にリニューアルしました。
このように、元々あった事業に+αで新しい事業を生み出すサポートもしていると、必然的に濃く長いお付き合いになっていますね。



—家庭教師の紹介業→人事労務管理サービス→シンクタンク→投資家 と経歴として伺った時はそれぞれ全く違う分野だと考えていたのですが、実際に今回お話を伺う中で『人に携わるお仕事』という共通点があるように感じました。

確かに言われてみればそうですね!気が付きませんでした。昔から、人の困り事を解決したり、サポートしたりすることが好きだったので『人に影響を与える仕事がしたい』という気持ちは持っていました。



—田中さんの将来の目標があれば教えてください。

現在の、事業をサポートする会社という形ではなく、サービスや製品を提供する事業会社を作ることです。何か私自身が興味や熱を持てる事業を見つけて『軸』のある会社を経営したいと思っています。

今は『軸』探しの真っ最中です。その勉強のためにも、業種や分野を問わず、様々な企業の内部に携わることができるのは私の投資スタイルのメリットかもしれません。



—最後に。スタートアップ経営者との出会いで、期待していることはありますか?

面白い・ワクワクする事業を持った経営者との出会いを増やしたいです。
既に成熟しているように見える閉鎖的な業界に一石を投じるようなアイデアを持っている・もしくは全く新しい分野を開拓している そんな刺激的な経営者と仕事がしたいです。



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