日本の製造業はマーケティングが苦手?
先日、ある製造業のサイトの改修を進めていた中でのやりとりです。サイトの改修と合わせてMA(マーケティングオートメーション)を是非入れましょうと提案をしていたのですが、その製品は購入するユーザーが限られているので、MAのメリットを感じれないと見送りになりました。
BtoB企業はBtoC企業のように不特定多数のお客を対象にしていないので、その言い分も分かるのですが。製品の競合企業も割とありましたし、導入して効果が出る余地はありそうでした。コストも月々数万です。
その製品は、スイッチングコストが高く一度その製品を導入すれば長く使うものです。しかしながら競合である他社も、それは同じ条件です。例えば、ある製品を使っていて課題があり一部をリプレイスしようと思った際に、そこにタイミング良く営業がいれば相談も入りますが、実際見込み客でないところは営業もフォローしません。
この営業の目から抜け落ちる見込み客に対してのフォローとして、メルマガや展示会のフォローをマーケティング部がやるわけですが。製造業ではマーケティング部という機能自体が無いことも往々にしてあります。BtoBだからマーケティングなんかいらないと言われるわけです。しかし月々数万のコストで、一台数千万の製品が年に1台でも売れれば費用対効果的にはペイできます。もちろん、メルマガを毎週書く人件費はかかりますし、そもそもメルマガがつまらなければ読んでもくれません。
マーケティング活動は、確かに間接的なので営業のように短期でクロージングして因果関係を証明する事が苦手です。ブランディングの場合はなおさらですね。もっと間接的で効果が見えづらい。そういったことで、BtoB企業の担当者は二の足を踏み、一歩踏み出せずにいるのではないでしょうか。
とわはいえです、BtoBの商材によってはウェブで事前に調べられて商談に行く前に購買検討の5割が終わるモノもあります。その場合には、ウェブの導線設計(ウェブ広告→サイト→動画→事例コンテンツ→MA→SFA)を適切にプランニングしたいところです。営業に良質な見込み客を渡すには、やはりある程度の分母(潜在層)から分子(見込)です。
製造業のサイトの改修の際に、よくある議論が写真や動画などのクリエイティブです。心を動かされる質の高いクリエイティブは、撮影などの工数がかかり費用も掛かります。そのクリエイティブにかかる費用が高いと言われます。例えば動画の制作に300万かかると言うと、10分の1の30万も出せないですと。
この辺りの感覚は、確かにBtoCだとクリエイティブが直接的に消費者を動かすからと納得できますが、製造業などのBtoBだと直接的には売れないので、結果クリエイティブの質は高くなくて良いとなります。面白いのですが、アメリカの製造業はクリエイティブにお金をかけています。コレも分からなくもない話で、国土が広すぎるので営業が簡単に会えません。ですのでクリエイティブが営業マン(印象の良い)の代わりを果たしているのですね。
日本がマーケティングが発達しないのは、考えてみれば当たり前です。国土が狭いので営業が会いに行けます。しかしその日本でも状況は変わってきています。コロナの影響で弊社も問い合わせが増えてきてますが、理由は営業が機能しにくくなっている為、サイトや動画に力を入れたいと考える企業が増えています。
このような状況ですので、時間が掛かるマーケティングへの投資は勇気がいる事だと思います。しかしながら、このタイミングを逃すとコロナが収束した後での対応に各社で差が出てくる可能性があります。出来る事は何なのか、一度社内のメンバーとじっくり議論してみてはいかがでしょうか。
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