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アドウェイズのクリエイティブディビジョンが考える「これからのデザイナーのあり方について」

アドウェイズグループには現在さまざまな部署・グループ会社があり、それぞれ多種多様な事業を展開しています。

今回のnoteでは、サービスデベロップメントグループ・クリエイティブディビジョンを、責任者の遠藤と共にご紹介いたします。

クリエイティブディビジョンは、広告事業におけるバナーや動画のクリエイティブ制作を主軸に、自社のサービス・プロダクトの設計〜デザインまで行うUI/UXデザインや、ブランディングに関わるCI(コーポレートアイデンティティ)、VI(ビジュアルアイデンティティ)のデザインなど、多領域に渡り制作を行っています。

アドウェイズでは数年前より「目先の利益よりもクライアントのサービス・成長を重要視し、価値に繋げながら課題を解決する」ことを目指し、それぞれが事業に向き合っています。クリエイティブディビジョンでも数年前より「デザインの力で課題解決に取り組む」という指針を掲げ、会社に対してはもちろん、ユーザーやクライアントにとっても“価値のあるクリエイティブ”を表現していくことに注力をし始めました。

デザインの力で課題解決に取り組むことができれば、チームや会社、社会に対してどのような価値を提供できるのか。そして、チーム全体の考え方がそのように変化した理由とは。チームの歴史を振り返りながら、そのきっかけと今後についてなどを深掘りしていきます。

目指している理想の組織

——今、どのようなデザイナーが市場に求められるか

クリエイティブディビジョンは元々、既存の制作業務を得意とする人たちが集まっている、会社の中の小さな組織でした。ただ、ここ10年で会社も組織も拡大し、今では約100人を要する大きなチームとなっています。

対して市場では、“デザイン”という言葉の定義が変わってきているように思えます。表層的な「物を作る」ということだけをデザインと位置付けるのではなく、企業価値やイノベーションを向上させたり、事業を作ったりしていくことを、“デザイン”という文脈で解釈することが多くなっているんです。

その中で私たちは、今後の組織の成長性を考える上で、ビジュアルを整える表層的な“デザイン”だけでなく、言葉や表現を駆使し、企業の経営資源として考えられるような組織を目指さなくてはならないと考え始めました。

もちろん、これまでのように私たちのビジネスや、クライアントの成長のため、求められた仕事にパフォーマンスを出して応え続けていくことは重要なこと。しかし、私たちがその“次のステップ”に進んでいくためには、そこから更に踏み込んでデザイナーが意思決定者としてビジネスに関わり、クライアントやユーザーの価値と向き合いながら、クリエイティブのスキルを用いてアドウェイズ全体をスケールさせていけるほど、企業の経営資源になるほど大きな存在になる必要があります。

つまりそれは、求められたクリエイティブだけを作る組織ではなく、会社に価値を与えるため、自ら価値を生み出すチームでなくてはならないということ。

私たちはこの業界において、“デザイナーの価値・役割”はまだまだ上がっていくと信じています。ただそのためには、前述のようにデザイナーが意思決定者として関わり、ビジネスと向き合っていく必要がある……。

そういった思いのもと、私たちは「デザインの力で課題解決に取り組む」という指針を掲げ、会社、ユーザー、クライアントにとって“価値のあるクリエイティブ”を表現し、組織として実行していくことを目指し始めたんです。

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——目標に対しての具体的な取り組みとは

クリエイティブディビジョンには事業理解において、まだまだ足りない点も多くあります。そのため、まずはクライアントと直接話ができるような立場、意思決定の場に同席をするところから始めていき、その後クライアントの課題解決をするためにどのようなクリエイティブが必要なのかを考えていかなければなりません。

具体的には市場への更なる理解や、クリエイティブディレクターもレポートの数値なども分析し、正しく現状を把握することで求められたKPI達成のための改善提案をクリエイティブを通じて行っていく。その上で、新たな広告指標の提案も含めた価値提供を目指しています。

メンバーとも対話を進め、今ではこの「デザインの力で課題解決に取り組む」という指針はチーム全体に徐々に浸透してきたように思えます。現在では、戦略部分からデザイナーが参加するようにもなり、組織として力を合わせてプロジェクトを進めていくことが徐々にできています。

一部の領域では、一定の成果は上げることができており、ビジネスチームとデザイナーチームが上手くタッグを組み、より踏み込んだ提案をクライアントに行い、クリエイティブ起因で本質的な利益を創出できる体制となりました。

広告の価値とは、普段の生活では目にすることがなかった情報に偶然出会え、生活を豊かにできたり喜びや感性を広げるきっかけを得ることのできる存在でもあります。しかし現状は、ユーザーからインターネット広告は「できれば見たくない、触れたくない」と、煙たがられることが多くなっている状況で……。

アドウェイズはインターネット広告本来の可能性、価値を取り戻していくため、機械学習やARなどの先端技術や、新しい通信規格である5Gを利用したプロダクトの開発・利用も進めていますが、私たちの“デザインの力”でも、新しい仕掛けや惹きつけるクリエイティブを作り、インターネット広告を新しい価値として繋げていきたい。将来的にはそういったことを実現し、行動に移していければ嬉しいと思っています。

博報堂DYメディアパートナーズとの協業、Goodpatchへの出向

——ここ数年、他社との協業や連携なども増えている

はい。アドウェイズは2019年11月に、株式会社博報堂DYメディアパートナーズと資本業務提携を締結しました。現在は協業パートナーとして、博報堂DYグループにおけるブランド広告主を中心に、アプリプロモーション領域の協業、テレビCMも含めたオフライン販路領域の協業、アドウェイズ自社プロダクトの拡販などを行っています。

この提携により、私たちクリエイティブチームも博報堂DYメディアパートナーズやグループ会社の皆さんとチームを組み、提案を行ったりクリエイティブを作成したりするなど、協業の機会が増えているんです。これまでと違う広告指標やクライアントへの提案を通じて、新しい視点や発見に触れることで、業務の幅も広がり成長機会も大きく増えていると実感していますね。

また私自身も、数年前にUI/UXデザインの勉強を目的とし、約8ヶ月、株式会社Goodpatchへの留職(会社間の研修制度)を経験しました。一般的には会社を飛び出し、他の会社で勉強をさせてもらいながら仕事をすることは難しいと思いますが、社長のやましょーさんの後押しでこのような経験をすることができまして。なお、この留職は、私以外のデザイナーも数人経験しています。

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このようにクリエイティブディビジョンでは、他社との協業や出向制度、ジョブローテーションなどの仕組みを構築したり、いちデザイナーでも会社の主軸となるようなプロジェクトに企画戦略フェーズから参加することができたり、他社とのプロジェクトに関わることができたりなど、幅広い分野で活躍できる場を率先して増やしています。

自分自身が得た実体験から「チームメンバーの1人1人の意思を尊重し、さまざまなことを経験させてあげたい」という気持ちが大きくて。そして、一緒に成長していくことができれば嬉しい。新卒採用や未経験のクリエイティブディレクターを積極採用しているのも、その理由がとても大きいんですよね。

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ちなみに、この図は私たちがチームメンバーに示している、目指すべき3つの指針です。指針への取り組みに対してきちんとリターンを示すことで、メンバーが自らの価値を上げ、その背中を押してあげるきっかけになれればと考えています。

今後のデザイナーのあり方

——今後、どのようなデザイナーが市場に求められるか

前述したように昨今は、日本における“デザイン”という言葉の定義が変わってきているように思えます。表層的な「物を作る」ということだけをデザインと位置付けるのではなく、企業価値やイノベーションを向上させたり、事業を作ったりしていくことを、“デザイン”という文脈で解釈することが多くなっているんです。

そのため、主観的ではありますが、ただデザインが得意な人というよりも、ビジネス視点でデザインという手段を駆使して、クライアントの課題解決が出来る人の方が、市場価値が上がりつつあると感じますね。

アドウェイズも以前までは、表層的なデザインが好きな人、作ることが好きな人、新しいアイデアや企画を考えることが好きな人からの応募が多かったのですが、現在はどちらかというと冷静に数字を見て、ビジネスと直結した中でデザインというモノを生み出せる人材からの応募が増えてきており、そのような方を採用する傾向が強くなっています。

市場にはデザイナーの母数も需要も増えていますが、知名度や実力があるデザイナーは、まさに“取り合い”なんです。少しキツいことを言っているかもしれませんが、作るだけのデザイナーでは、戦っていくのが難しくなってしまうかもしれません。私も数字の話は苦手な方なので、勉強の日々なのですが……。

最後に、クリエイティブディビジョンの雰囲気をざっくばらんにお話ししておくと、現在は100人以上の組織であり領域ごとにチームが分かれているため、社内でのコミュニケーションは比較的細分化されているように思えます。

ただ最近は、オンラインでの勉強会やデザインチーム内でのラジオ配信SNSの発信やnoteの連載など、デザイナーだからこそできるさまざまな試みを各メンバーが率先して行っており、リモートワークで出社をしていないからこそ、逆にコミュニケーションが活性化しているのかもと感じています。

そしてこのような動きも、デザイナーがビジネスに関わり、価値と向き合いながら視野を広げていったからこそ、徐々にできるようになっていったのかもしれません。そしてゆくゆくは、私たちのデザインの力で、インターネット広告の概念そのものを変えていって、広告を社会に対して“価値”として繋げていきたい。将来的にはそういったことを実現していきたいと感じています。

ただ、まだまだ組織もメンバーも、私も、みんな成長フェーズの段階です。そのためできる限り楽しみながら課題に取り組み、一緒に前へ進んでいきたいなと思っています。

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