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成功確率は決して高くはなかった。18年の経験から見えてきたアドウェイズ海外広告事業の“新しい未来”

アドウェイズグループには現在さまざまな部署・グループ会社があり、それぞれ多種多様な事業を展開しています。

今回のnoteでは、海外広告事業部(グローバルビジネスグループ)をご紹介。

2003年に中国に進出して以降、現在に至るまで多くの海外事業を展開し続けるアドウェイズ。担当役員の野田順義と共に事業部の歴史を振り返りながら、コロナ禍での事業運営、そして現在進めている新しい試みについてなどを深掘りしていきます。

アドウェイズが海外事業を続ける理由

——そもそもアドウェイズは、どうして世界進出したのでしょうか?

アドウェイズが初めて海外に進出したのは2003年。ボーダーレスなIT業界で事業を展開していく企業としては、グローバル展開を視野に入れた成長ストーリーを描いていく必要がある。ゆえに、海外事業を行うのは当然のこと。「世界のインターネット商社になる」という当時掲げていたコーポレートビジョンの通り、やらない理由はありませんでした。

とはいえ、一般的にも海外事業の成功確率は、決して高くはありません。外的要因や国内との文化や商習慣の違いなど、乗り越えなければならない壁がいくつもあるからです。事実、過去には事業の撤退や縮小を行ったケースもあれば、日本での経験から「必ず成功する」と意気込んで始めた事業でも、海外ではほとんど通用しなかったこともありました。そこで私たちは着実な海外での成長を目指し、改めて“選択と集中”を行う方針を数年前に掲げ、中長期的に事業を成長させていくために動き始めました。

また、海外事業によって培われた経験値、情報やコネクションなどを“プラスの価値”にして、会社全体の価値を引き上げていくことも大切だと感じています。先述の通り、過去には事業の撤退や、縮小を行ったこともありました。しかしそれを“ただの失敗”で終わらせるのではなく、“学びを得る”。そういった姿勢が大切だと考えています。

海外事業となると、海外進出をすること自体が目的化してしまうケースもあると思います。少なからずアドウェイズでも、そういう事例がありました。しかしその中でも、アドウェイズとしてきちんと、なぜその事業をやるのか、各ステークホルダーに提供できる独自の価値を見極めていかなければならない。その上で「やる」と判断を下した事業に対しては、必要な資源を投下していける環境を整備する。そのようにしてうまく循環させ、価値を作っていく。事業を展開する上では当たり前のことかもしれませんが、そんな環境作りをここ数年より強く意識しています。

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海外広告事業部が進める、新しい挑戦

——2020年はコロナ禍における事業展開ではありましたが、業績はV字回復したと

はい、現在私たちの事業部は8ヵ国で事業展開しているのですが、2020年は通期で売上高が59億円、前期比で85%増とありがたいことに一定の成果を収めることができております。

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ただ、特にブランドマーケティング領域においては、小売店の営業時間短縮や休業、リアルな場でのイベントが開催できなくなるなど、新型コロナウイルス感染拡大の物理的な影響を受け、それに伴い私たちの事業にも多くの影響が生じました。

しかしその分、新しいビジネスチャンスが生まれたこともお伝えしておきたい点です。例えば“ライブコマースビジネス”はその一つ。実際の店舗に訪れることができない分、オンライン上のライブ配信を通じて商品紹介をし、その場で購入をすることができるこの仕組みが、中国を中心に大きく普及したのです。

私たちも伊藤忠繊維貿易(中国)有限公司、上海橙娯文化伝媒有限公司と共に、中国向けライブコマース事業合弁会社の設立を行うなど、積極的に事業の拡大を図っています。もちろんこの仕組みは、今後は中国だけではなく、台湾や韓国、そして日本にも大きく普及することでしょう。いち早くノウハウをため、さまざまなエリアに展開をしていきたいと考えています。

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——アドウェイズは中東での事業も行っていますが、日本のIT企業としては珍しい試みなのではないでしょうか

中東地域向けECサイトの「MuCharm」(ミュチャーム)ですね。こちらは女性向けインテリア雑貨を中心に展開しているECサイトなのですが、ユーザー数も事業規模も、おかげさまでここ数年で大きく伸長しています。

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でも確かにおっしゃる通りで、日本のIT企業が「中東向けの事業をやろう」と思い立つことは、そう多くはない事例でしょう。もし、アドウェイズが今まで日本だけで事業を展開していたら、そう考えるには至らなかったと思います。

ただ私たちには、6年以上前から中国向け越境EC事業を行ってきた、“知識と経験”があります。そして、中東の女性の社会進出や、マーケットの伸び率、中国が推進する一帯一路構想など、伸び代の根拠も理解しています。そのことから、中東をポテンシャルを持つブルーオーシャンなマーケットと考え、動き始めたのでした。新しいマーケットへのチャレンジは、困難は付きものですが、挑戦という気持ちを忘れず、今後も幅広いエリアで勝負をしていきたいと考えています。

なお「MuCharm」はこれまで手がけてきた事業とは異なり、パートナー企業と共同で事業を展開しています。以前まで海外事業は、“完全自前主義”で行っていたことがほとんどだったのですが、スピードや資本などの差で、仮に先行していたとしても現地の企業に追い抜かれてしまうという、悔しい思いを何度も経験してきまして。

そのため、パートナー企業とうまく連携をし、その中でアドウェイズの強みを生かしていくことに方針を転換。私たちは酸いも甘いも多くの経験を積み、長年試行錯誤を行ってきたからこそ、こだわるポイントを変えることができた。そうして新しい価値を作り続けることができている、と考えています。

グローバル展開に成功している日本のIT企業が少ない。それは少し寂しいこと

——海外広告事業部の雰囲気は、どんな感じですか

海外広告事業部は、アドウェイズ本社の中では人数もそこまで多くなく、階層も少ない部署です。新しいチャレンジを常にし続けなければならないので、担当役員に相談・提案をすることも簡単にできる、そんな風通しの良い雰囲気を作ろうと心がけています。

なお、海外事業部の担当役員として、個人的な思いがあるとするならば…、グローバル展開に成功している日本のIT企業が少ない、それは少し寂しいし、悔しいことだと思っています。

外的要因や国内との文化の違いなど、障壁は高いと言えども、他の産業に比べてグローバルで成功している日本のIT企業は決して多くありません。その上で日本に参入してくる海外IT企業はここ数年でどんどん増え、国内市場で取れるシェアも少なくなってきている現状。

創業から20年、海外事業も進出から18年、長い間この業界に携わってきた企業として、私たちアドウェイズは微力ながらもそんな国内の状況を変えていきたい、盛り上げていきたいという思いを持っています。

それは単独ではなく横連携をし、日本企業として存在感を高めていくこともできるでしょう。これまでのやり方とは全く異なるような方法も含め新しいチャンスを見出し、チャレンジを続けていきたい、そう私たちは考えています。

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