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LOGOS

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LOGOS。言葉のチカラ
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#育成

タイミングはスピードを上回る

自分の指導の中で、常に重要なファクターとしているフレーズがある。 タイミングはスピードを上回る いくらスピードで敵わない相手だとしても、こちらでタイミングさえ合わせてしまえば相手のスピードを上回れる。 タイミングは決して「合わせる」だけじゃない。 相手のタイミングを外す、タイミングをズラす、その上でやっぱり、ジャストなタイミングで味方と合わせる。 尊敬してやまない偉大なる師匠も、かつてこう仰っていました。 「タイミングにセンスが表れる。センスとはタイミングや」と。 タ

語彙力のリノベーションをはじめよう

いきなりですが 日本人が今までずっと疑いもなく無意識にそして無頓着に使ってきた「うまい」という言葉。もしこれを撲滅することができたら選手も指導者もサッカーを見る目や捉え方が変わってくるし、救われる選手も多く出てくると思うので、まずは自分の周りだけでも【うまい撲滅キャンペーン】を始めてみたいと思ってます。 無意識に言っちゃいそうだけど⋯ 例えば、今話題の静学・古川くん(負けちゃったけど⋯残念!)と青森山田の松木くんを、同じ「うまい」では言い表せないじゃないですか。2人とも

4つに分けて考えてみたこと

小学生から高校生までの選手達にサッカーを指導する際、試合において選手が見せるプレーについて、大まかですが下記の4つに分けて考えるのが良いのではと思っています。 この4つです。もちろんサッカーはもっともっと奥深くそしてカオスなものなので決してこれだけでは説明しきれないことばかりなのですが、とりあえず今回は、この4つのプレーにのみ言及していきます。 今回は「何をどう教えるべきか」ということではなく、選手が見せるプレーはほぼこの4つに分けられるということ、そしてそれについて指導

FOOTBALLERS 哲学の時間・1~ フリーの概念、変えませんか

11月から「FOOTBALLERS」という新たなスクールをはじめます。 この FOOTBALLERS では、「フットボール・スタディー」という時間をオンラインで定期的につくり、フットボールとはどういうものか、どういう原理のものか、人はどのような原理で動くのか、その中で、自分はどう技術を発揮し、どう振る舞えばいいのか⋯ といったような、まさに フットボールを哲学する 時間も、普段のトレーニングに加え、セットで組み込むことにしています。 ただピッチで練習するだけでなく、フット

◯◯とは、何か。フットボールとは、何か

サッカーコーチとして、最近は高校生と関わる時間が多い。 技術だの戦術だのを落とし込むこともある程度は必要だけれど、それはあくまでも表面的なもので、一番重要ではないと思うんです。 この時点で、多くの指導者の人と自分はかなり齟齬はあるんですけど。初めてチームを見る人には、結構よく誤解される。嘲笑をされることもある。クソッタレ 一般的なサッカーをさせたなら、自分らより強いチームには一生勝てない。だからその分、自分らの良さを全面に出して、なおかつそれを武器に狡猾に戦って、一般フッ

自由の海を知れ

毎日更新!をひと月続けた後、そのうち「ほぼ毎日」になり、前回は5日ぶりの更新となってしまい、反省したつもりがとうとう今回は6日も間が空いてしまった。 いつでもできる、という設定ではいつでもやらないのと同じ。 やっぱり「必ずやる」って決めないと、なかなか行動には移せないのだと身をもって知ったのでした。 そんな昨日、コーチをしに行っている高校では、新一年生が一気に16名も入ってくれて、グランドが急に密状態。幸せな密。 これから新たに始まる高校生活、そして高校サッカーへの入口の

子どものため、次に繋げるため、という大人の自己満

この前の日曜日、昨年まで関わっていたクラブの試合を久しぶりに観に行きました。カテゴリーはU-12。 もうこんな時期だから、6年生達はこのクラブで行う試合もあと数回しかない。 そんな中で行われた、4チーム総当たりでのローカルなカップ戦。 1試合目も2試合目も大量得点で勝利して、最後勝てばもちろん優勝、引き分けでも1.2試合目にあげた得点の貯金で優勝、というシチュエーションで迎えた3試合目。 先に2点取って、このままあっさり決まっちゃうのかなと思って観ていたけど、、正直、あ

これはリフティング練習じゃないよ、って言った途端にリフティングがうまくなった話

昨年から実施している、サッカー個人レッスンでのお話。 サッカー個人レッスン 〜 君だけのコーチ その子は小3、正直まだまだ身体操作がおぼつかない。当然ボール扱いなどもまだまだの子なんだけど、サッカーは好きみたい。OK、全然それでいいんだぜ。 「ちょっとリフティングやろうか」ということになり、一緒に練習をした。 ワンバンリフティングをやろうとしても、ボールがあっちゃこっちゃに飛んでいき連続でボールにさわれない。 珍しく上にボールが飛んでも、足の先っちょに当たってるから逆

ハートに火をつけろ 〜 選手の情熱を掻き立てる言葉とは

(トップ画像は the WORLD より) 先日、Twitterでこんな言葉を見つけました。 もしも船を造りたいのなら、男たちをかき集めて森に行かせ、木を集めさせ、のこぎりで切って厚板を釘で留めさせるのではなく、男たちに海へ漕ぎ出したいという情熱を教えなければならない(サン・テグジュペリ) サン・テグジュペリのこの言葉は恥ずかしながら初めて知ったけれど、これはまさにそうだなって。 サッカーに置き換えて考えれば、選手たちに技術や戦術などを教えることも大事だけれど、でもそ

見えない精神、心を見えるように

実は昨冬から韓国語を勉強し始めてまして(その理由は近々書きます) その勉強方法の一つとして、YouTubeで観はじめたNiziプロジェクトオーディション。もちろん、それまでもこのオーデションのことやここで選ばれたNiziuのことも知ってはいたけど、詳しくチェックするほどではなかった。J.Y.Parkさんのことも、TWICE や 2PM のプロデューサー、くらいの認識でしかなくて。 その結果、世間の多くの人と同様、どっぷりとハマってしまった⋯ オーデションの過程を見続けてい

あなた次第

先日、隣で堀ちゃんが泣いていた日 というnoteを書いた。 あいみょんのライブに再び行った日のことを書いたのだが、実は今回のこの文章は、これまで書いた僕のどの文章とも、あることが決定的に違う。 気づいた方、いますか? もし気づいてくれたのなら、その方とは一生の友達になれる気がする。 【 解答 】 実は、これまで安易に使っていた「本当に」と「最高」このふたつのフレーズを、一回も使っていない。 これは、最初からそう決めて書き始めた。 本当に、とか 最高 って、簡単に使え

伝える人、であるために

サッカーコーチの役目が「サッカーを教えること」だと思ってしまっている人がまだまだ多い気がして、それだとどうしても、コーチ → 選手 への一方通行な指導になりがちだし、教え過ぎにもつながるし、いろいろとズレも出てきてしまう気がします。 最近特に思うんですが、コーチは「サッカーを教える人」ではなく、サッカーの楽しさや奥深さを「伝える人」だと思ったほうがいい。 「何を伝えるのか」を掘り下げて考える 思索 をまずコーチがしなければいけないし、そもそも「サッカーとは何か」という原理

「意味ない」なんて言わないで。見出すこと

そんなの意味がない 無駄だ もっと効率よく そんなことを、サッカー指導において(サッカーに限らずですが)子ども達に平気で言ってしまう人が多いように思います。 子どもの頃から効率よく行動させ、無駄な事もさせず、子どものすることや興味を持とうとしていることに、大人目線で「そんなの意味がない」と平気で言って止めさせて、あたかも、それで「指導した」気になってやいないか。 子どもは、意味がないように見えることをたくさんする。無駄なことや非効率なこともたくさんする。その中で「アハ体

見えないものを見るように

普段、よく選手達に「味方の頭の中を覗け」って言う。 味方が何をしようとしてるのかを感じて動いてね、ということなのだけれども 何もこれは選手間同士だけでなく、僕らコーチも、選手の頭の中をよーく覗きながら、指導に当たらなきゃいけない。 例えば何かミスが起きた時も、表面上に起きたそのミスを指摘する前に、なぜそれが起きたのか、その時にその選手の頭の中はどうなっていて、何を考えていたからそうなったのかということを、ちゃんと想像してから声をかけないといけないですよね。 そこまで至ら